軍師官兵衛:第8回 秀吉という男 第5幕 | ♪ DEAR MY LIFE ♪

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>何処にもおりませぬ・・・。(官兵衛)
>な、な、なんですか?それは。。。(おね)



>羽柴様は、これから共に戦う大事な御方。
>その大事な御方との約束をたがえるわけにはまいりませぬ。
>一方の御方様は、その羽柴様が最も大切にされている御方。
>その御方に、嘘をつくわけにはまいりませぬ。
>それゆえ、どこにもおらん~と、お答えするしかございません。(官兵衛)


何やら、微妙~な返答ですね、これ。(^∇^)
どちらにも嘘をつかない為に黙秘権を行使してるみたいですが、
それこそ、岐阜にはいなかったって事になるので笑えます。

ここでも、信長に拝謁した時と同様、
扇子を小道具にしてクソ生意気な態度で答えてもいいんですが、

いやいや、官兵衛もまた、女性には弱い?みたいで、
背筋に冷たいものを感じている様です。(*v.v)。
(祝言の夜に、光と「秘密は無しだ」と誓う人ですしね。^^)

官兵衛が可哀想だから、いい加減にしろ~とたしなめる秀吉
側室がいようといまいと、その様なことはどうでもいいけれど、
嘘をついてコソコソするのが嫌なのだと怒る、おね

二人の夫婦喧嘩が、更にエスカレートするのか?と、
不穏な空気が漂う中、石田三成(いしだ・みつなり)の声が響き、
隣の部屋に、おねへの土産物が揃ったことを伝えます。



「物で釣るなんて・・・」とブツブツ言いながらも、
まんざらでもない様子で、反物を手に取るおね
三成の機転で救われた秀吉は、拝む様に手を合わせます。

そこにまた、おねが、「ところでお前様・・・」と話しかけたもんだから、
またまた(ドッキーン!!)として、のけぞる秀吉
(お前は、どんだけやましい事があるんだ・・・。^^)

しかし、おねの話しは「長浜の運上金(=税金)」のことだったので、
な~んだ、その話しかと「ホッ」と一安心。



秀吉は、城の普請や街づくりの為、何かと物入りなので、
そろそろ領民から税金を取ろうとしていたのですが・・・、

>なりませぬ!損して得取れ。
>目先のことより、先を見据えることが肝心。
>今は領民の心をつかむのです。
>さすれば人が集まり、国は豊かになり、強くなります。(おね)




>よう、申した。
>官兵衛、わしの女房は、天下一の女房じゃっ!ハッハハハ!(秀吉)

>はいっ!(官兵衛)

【余談:官兵衛の心の動き~その立ち位置】
一見、夫婦漫才にも見える、このシーンですが、
秀吉の政務に対してアドバイスする~妻のおねを題材にして、
官兵衛の心が秀吉に「グッ」と接近していく演出が光っていました。

これは舞台や映画などでよく見られる手法で、
まるで、高校や大学の演劇部の教材になる様なシーンでしたが、

土産物が披露された直後、官兵衛は、部屋の柱の後ろに立ってます。
「ところで・・」と、おねが秀吉に話しかけると、
秀吉は驚いてあとずさり、一瞬、官兵衛の方に近寄っているんですが、

次のシーンでは、官兵衛自身が、いつの間にか柱の前に移動しており、
秀吉と同じ目線で「おね」を見て、一緒に話しを聞き、
そして最後、「天下一の女房じゃ~」という思いを共感するわけです。

これを、分からない様にやるのが「演出の技術」ってもんですから、
わざわざ岡田くんの足元をアップにして、
彼が柱の前に移動するシーンを入れるなんざ愚の骨頂で。w

実際、おねが、運上金の話しをする前後を映像で比較してみると、
分かりやすいですね。(*v.v)。




この「土産物部屋のシーン」の官兵衛の台詞は、
最後の「はい」のみなんですが、

この部屋にいる人物達の立ち位置や、その変化によって、
心の動きというものを映像として上手に表現していたと思います。

▼軍師官兵衛:第8回 秀吉という男 第6幕