軍師官兵衛:第3回 命の使い道 第5幕 | ♪ DEAR MY LIFE ♪

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★★第1場 堺への道中 村重との出会い ★★★★★★
播磨、それも小寺氏の領内しか知らない官兵衛が、
初めて、外の世界へ一歩踏み出すシーンから始まる。

「ドラゴンクエスト」などのRPGゲームでいえば、
街の周囲のスライムを叩き飽き、
初期装備で近くの洞窟に住むボスゴブリンを倒し、
王様の住む巨大都市を目指す~といったところでしょうか。



餅屋に化けた盗賊団に襲われる。
荒木村重(あらき・むらしげ)との出会い。

後年、官兵衛の人生に大きな影響を与える荒木村重に、
この段階で出会わせるのは、心憎い演出だと感じました。

今回の、この堺への道中における村重の役柄の意味は、
畿内の様子を教えてくれる「語り部」みたいなもの。
極端な話し、誰でもいいし、ナレーションでも構わないでしょう。

その役目に、あえて村重を使ったところに、
脚本家&演出家の、何らかの意図を感じさせます。(*^ー^)ノ



三好一党による将軍義輝の暗殺劇
剣豪で名高い義輝だったが、たった一人の刀では何の役にもたたない。
 乱世もここに極まれり。
三好三人衆と松永久秀の仲間割れ、畿内一円は戦場になっている。

「荒木様は、なぜその事を御存じで?」(善助)
「あちこちを歩き回っているからじゃ」(村重)
「歩き回って何を?」(武兵衛)
「様子をうかがっておるのじゃ」(村重)
「何の様子をうかがって?」(善助)
「天下のよっ!」(村重)

>この荒木村重、今は浪人の身だが、いずれは一国一城の主になる!
>かの北条早雲や斉藤道三の様に、
>いやっ!それ以上の大名になって、天下取りに名乗りをあげる!
>その為にどうするか、機をうかがっておるのじゃよ。

>(憧れにも似た笑顔で答える官兵衛)
>ま、夢は大きくなっ、ははははっ!

この場面の村重の言葉は、まったく信用できず、
ど~とでも解釈できるので、あまり意味は無いかと。
ただ、官兵衛も一瞬で騙されているように、人柄はいい、
少なくとも「善い人に見える」ということがポイントではないかと。

【余談1:荒木村重の登場シーン】
この村重(むらしげ)くん、よく言えば「ほら吹き」
悪く言うと「詐欺師」ですね。(*^ー^)ノ

畿内の探索をしていたのは事実として、
その途中、路銀を使い果たし、腹がへりすぎてぶっ倒れてた所に、
たまたま、いいカモ(=官兵衛たち)がやって来た。

そこで盗賊団を追い払い(=ひょっとすると奴らも仲間かも?)
堺までの道案内をして恩を売り、路銀を巻き上げてやろう。
つまり、目的は饅頭屋盗賊団と同じなんですが、
彼は、力ずくではなく、口八丁手八丁でやり遂げる~と。

下克上の象徴とされる北条早雲斉藤道三の名を、
憧れの人物として口にしている所からしても、
目的の為には手段を選ばない~と自分で言っている様なもの。

少なくとも、正々堂々とした手法を用いる事で、その名が広まっているはずの
上杉謙信武田信玄の名を言わないところが、かなり怪しげ。w
しかも最後にネタバラシ、知人を頼って摂津に行く為の路銀が必要だと、
これまた自分から白状してるわけで。w

この言葉も、ただ単に金が欲しいだけなのか?
京に行って遊女と遊びたいのか?
図々しいにもほどがある~と感じる武兵衛の考えが一般的でしょう。

また、本当に知人に会いにいくのなら、それは、いったい誰なのか?
このあたりを後々のお楽しみにしている所も面白い。



★第2場 死の商人 今井宗久 ★★★★★★
応接間にある南蛮渡来の品々を物珍しそうにながめている三人。
そこへ、主人の宗久(そうきゅう)がやってくる。

>一撃で、人が死にます。
 (ドンビキする官兵衛たち・・・)
>先日、尾張の織田信長様が、ぎょ~さんお買い求めになりました。
>堺へおみえになられたのは、御家来の木下藤吉郎というかたでしたが、
>その木下様が、面白いことを仰られておりました。


>今のこの堺の栄華が、戦の道具を売ることによって成り立っているのは、
>何とも因果なものですな・・・。


>お武家様には、お分かり頂けないでしょうが、
>これが、堺の商人(あきんど)の、戦なのでございます。


商人達は商人達で、それぞれライバル関係にあったでしょうし、
どの店が、どこの大名と取り引きするか?で、
その後の運命が決まるでしょうから、死の商人も大変です。(*v.v)。

【余談2:堺の商人の戦(いくさ)】
同じ堺の豪商、津田宗及(=天王寺屋宗及)は、
本願寺や毛利を商売相手にしていましたが、
信長の勢力が膨張後、織田家とも取り引きをするようになります。

明智光秀の怪しい茶会wにも出席しており、
また、豊臣秀吉の聚楽第造営記念パーティの際には、
今井宗久、千利休と共に茶会を開いています。

★★第3場 教会にて ★★★★★★
物思いにふけりながら街中をさまよい歩き、
我が目に飛び込んでくる、堺の街の賑わう風景と、
瞼の奥に焼きついている戦場の死体が交錯する。

そこへ、今まで耳にしたことのない鐘の音が聞こえてきて、
官兵衛は、音のする方へと足をむける。



ルイス・フロイスとの出会い。
人の命を奪う武器を売る人間と、それによって潤う人間。
 そして、人の命を救おうとする人を、対比させる場面。
命の使い道が、よけい分からなくなる主人公。

>御神(おんかみ)ゼウスのもとでは、身分の差はありません。
>ここでは、皆おなじキリシタンです。キリシタンには三つの掟があります。
>ゼウスを信じること。ゼウスの救いを望むこと。
>そしてお互いを大切~我が身を思うがごとく、隣人を大切に思うのです。

>隣人を許し、自分の様に慈(いつく)しむのです。
>そうすれば、この世から、争いは無くなるでしょう。


何事かを思う、官兵衛の頭に、祖父と父の言葉がよみがえる。

>今のお前は、怒りにまかせているだけだ。
>あのおたつが、仇討ちを望んでいると思うか?(祖父=重隆)
>一時の怒りや憤りで戦を起こしてはならん。
>死んだ者が再び、生き返ることもない。(父=職隆)


>官兵衛さま~、たつは、きっと幸せになります。

官兵衛の憎悪の炎を吹き消すかの様に、
彼を呼ぶ、おたつの声。~そして、静かに頰をつたう涙。

【余談3:BGM】
フロイスの説法が一段落して、官兵衛が、
祖父や父の言葉を思いだしているシーンからの音楽が秀逸です!!
クラシックギターのソロから始まり、フルートへと移行しつつ、
ギターは伴奏へ、そして官兵衛が空を見上げているあたりから、
弦楽パートも参加してくる~この音楽。

官兵衛の心が浄化されていく姿、その心情と、音楽がリンクしていて、
この場面は、久々に音楽面でヒットしました。w

>わかっ、わかっ、若、何処にいらしたのですか!(武兵衛)
>世界は広い。とてつもなく広い。
>俺には、分からないことばかりだ・・・。(官兵衛)


そう、何も見つけてないし、何も分かってない官兵衛
分かったのは「世界は広い」ということだけ。

しかし、ラストにかかっている音楽が、
たとえ、悩み苦しみ、もがいていたとしても、
明日への希望を感じさせてくれる、そんな終わりかたでしたね。

【次回予告】


小寺の殿様が「ごち」に参戦!今日のおみや代は何位の人だ?
はたして、金髪ブタ野郎キンカン頭になれるのか?
相変わらず、信長ドンは熱かぁ~、燃えとるばい!
嫌われマツコの合い言葉は「天下布武」!
さあ、皆さん、ごいっしょに!「天下布ぶぅ~」♪(*'-^)-☆

▼軍師官兵衛:第3回 再放送~台詞修正版