「ココロとカラダの痛みのための邪道な心理療法養成講座」カラー画像アーカイブ② | 粳間メンタルリハビリテーション研究所/一般社団法人iADLのブログ

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地域リハ誌連載新シリーズ(H28年4月~)
「高次脳機能障害・発達障害・認知症のための邪道な地域支援養成講座」
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いつもお世話様です。

 

この記事は「【月刊】地域リハビリテーション」誌でのシリーズ連載「ココロとカラダの痛みのための邪道な心理療法養成講座」のカラー画像アーカイブ②です。

 

カラー画像アーカイブ①はこちら

https://ameblo.jp/u-mri/entry-12310738023.html

カラー画像アーカイブ③はこちら(NEW!11/11)

https://ameblo.jp/u-mri/entry-12326859885.html

 

雑誌連載ではカラーで掲載できないため、こちらにカラー画像を載せていきます。

(連載のほうにはリンク先を載せてあります)

 

記事の下のほうに、本編2話-3話をご覧になったかたのための追記・特別編がありますので、論文総説内のリンクから飛んできた方は、下の方までスクロールしてみてください。

 

内容は連載が進むにつれ適時追記されて行きます!

お楽しみに!

 

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(H29年10/21-追記)

ココロとカラダの痛みのための邪道な心理療法養成講座

第2回「プラセボ反応とノセボ反応の話①」

地域リハ 2017, 12(11), in pressより、解説マンガのサンプル抜粋

 

☆プラセボ手術の鎮痛効果は非常に大きい

 

プラセボ効果と言う言葉はご存知かと思います。

 

「実際には効果のない偽薬(プラセボ薬)を飲んでも、効くと期待して飲めば望んだ効果が出る」みたいな理解があれば、おおむねそれでOK。

 

プラセボ反応による鎮痛効果は非常に大きく、特に、手術の場合は、実際には効果のないような手術(プラセボ手術/偽手術/sham surgery)をされても、期待があれば、非常に大きな鎮痛効果が得られます。

 

その例のひとつが上記のマンガに書いてあります。

 

治療に対する期待がもたらす効果(特に鎮痛効果)は非常に大きいのです。

 

例えば、抗うつ薬の場合、治験結果が示す臨床的改善の内訳は、自然経過が1/4(23.87%)、プラセボ反応が1/2(50.97%)で、薬(真薬)の本当の効果は1/4(25.16%)に過ぎないと見積もられています*。

* Kirsch I, Sapirstein G (1998). Listening to Prozac but hearing placebo: a meta–analysis of antidepressant medication. Prev Treat 1 Article 0002a (originally published online 1 February 2003, at http://journals.apa.org/prevention/volume1/pre0010002a.html).

 

極端な話をすれば、効果を期待して飲んだ偽薬では、最大効果の75%の改善が得られ、不信感を持って飲んだ真薬では最大効果の50%の改善しか得られないと予想されるわけです。

 

痛みの治療にも、このプラセボ反応が大きく関わります。

 

よって、治療に対する不信感をなくし、ポジティブな期待をもてるような支援をすることが、とても大事なのです。

 

プラセボ反応を悪いものと考えるのではなく、期待の力による自然治癒力ととらえることをすすめます。

 

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(H29年10/21-追記)

ココロとカラダの痛みのための邪道な心理療法養成講座

第3回「プラセボ反応とノセボ反応の話②」

地域リハ 2017, 12(12), in pressより、解説マンガのサンプル抜粋

 

☆ポジティブな期待による鎮痛効果は脳内麻薬によるもの

 

 

ポジティブな期待による鎮痛効果(プラセボ鎮痛効果)は、麻薬(オピオイド系)の拮抗薬(ナロキソン)で打ち消せることがわかっています。

 

その例が上記のマンガに書いてあります。

 

このような知見からわかったことは、プラセボ鎮痛効果は「キモチだけの話」ではなく、実際に脳内麻薬(エンドルフィン系)が分泌されていて、それによって鎮痛効果を得ているのだと言う事です。

 

ポジティブな期待による反応(プラセボ反応)は、実際にカラダに変化が起こる、神経生物学的な反応です。

 

よって、治療に対する不信感をなくし、ポジティブな期待をもてるような支援をすることが、とても大事なのです。

 

プラセボ反応を悪いものと考えるのではなく、期待の力による自然治癒力ととらえることをすすめます。

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ここからはこのブログだけの追記

 

本編2話-3話をご覧になったかたのための追記・特別編です。

 

誌面・文字数の関係で本編に書けなかった事をかいておきます(適時追記します)。

なおこの項は完全に医療従事者向けです。

 

 

真のプラセボ効果とは、「臨床的利益がある」という言語的、ないし、何らかの示唆・暗示とともに、本来薬効がない物質(非活性物質)が投与されたり、sham手術のような効果が無い治療を受けることによって、患者の脳内に起こる、心理社会的-心理生物学的な現象である。

A real placebo effect is a psychobiological phenomenon occurring in the patient's brain after the administration of an inert substance, or of a sham physical treatment such as sham surgery, along with verbal suggestions (or any other cue) of clinical benefit (Price et al, 2008).

Price DD, Finniss DG, Benedetti F. A comprehensive review of the placebo effect: recent advances and current thought. Annu Rev Psychol. 2008;59:565–590.

 

…というわけで、この定義にあてはまらないモノは、たとえプラセボ薬(偽薬)やSham治療によって改善があったとしてもプラセボ反応とは言いません(悪化してもノセボ反応とは言いません)。

 

というわけで、上のフローチャート*を眺めながら、プラセボ反応/ノセボ反応と間違いやすい、現象について確認しておきましょう。上の灰色四角■で囲った部分がプラセボ反応です。

*Benedetti F, et al. How Placebos Change the Patient’s Brain. Neuropsychopharmacology 2011;36:339–354. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3055515/

 

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☆心理社会的・心理生物学的な因子が関わらないモノ

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ざっくり言うと、「心理社会的因子・心理生物学的因子が関わる脳の反応」でないモノはプラセボ反応ではありません。順に見ていきましょう。

 

①自然経過:

これは説明するまでもないでしょう。何もしなくても起きたはずの改善・増悪のことです。何も介入しないグループとプラセボ介入をしたグループで結果を比べれば、自然経過とプラセボ反応は見分けられます。一方で、多くの治験では無介入群を作っていないので、注意です。

 

②平均への回帰:

「たまたま介入前の状態が調子が良かったり調子が悪かったりして、介入後に普段の状態に戻った場合」などが、平均への回帰にあたります。平均への回帰があると見かけ上の改善・悪化が観察できます。平均への回帰の治療経過への影響は統計解析を加えないとわからず、臨床経過の観察だけで見分けるコトは不可能であり、注意が必要です。平均への回帰は概念自体を理解できていない人が多いので、こちらで詳しく確認することをお勧めします→https://ameblo.jp/u-mri/entry-12241121321.html


③認知バイアス:

ざっくりいえば、改善した、ないし、悪くなったと、「勘違い」していることです。有名なものに、「ピークエンドの法則」というものがあります。全く知らなかった人は下の図の問題を見ると驚くと思います。

 

認知バイアスには色々なモノがありますが、「ピークエンドの法則」だけで説明がつく疼痛の経過もあります。同じ苦痛のピークをもつ検査や治療でも、終了時点の苦痛が少ないモノのほうが、痛くない治療・検査として記憶に残ります。苦痛の総量や時間は記憶に残りにくいので、苦痛を伴う検査や治療は一気に終わらせるより、徐々に終わらせるほうが、痛くない治療・検査として記憶に残ります。特に、最も痛いところで中断したような検査や治療は最悪の思い出になります(終わりが悪いため)。「経験する苦痛」を減らすには一刻も早く中断したほうがよいのですが、「記憶する苦痛」を減らすには徐々に痛みを減らしながら中断したほうがよい(苦痛の総量はこちらのほうが多いのに)、というジレンマがあります。単行本になる際は、認知バイアスについて特別に書こうと考えているのでお楽しみに。

 

④データ精度の問題:

これは言わずもがな。データ調査の精度が悪くてみかけの改善・悪化が示されてしまった場合です。

 

⑤その他の影響:

プラセボ以外の、何らかの治療経過に影響を及ぼす因子の混入したことによる見かけの改善・悪化が示されてしまった場合のことです。例えば、薬の効果を判定しようとした裏で、別に運動療法をはじめていたりすると、薬だけの治療効果は判定できなくなります。

 

 

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☆心理社会的・心理生物学的な因子が関わるモノ

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定義上、こちらが真のプラセボ反応/ノセボ反応です。こちらも順に見ていきましょう。

 

☆予期・期待(expectation)

「予期・期待(expectation)」は、簡単に言うと、「治療効果があるかも!」と思うポジティブな期待のことです。なんらかの形でこのポジティブな期待が引き起こされることがプラセボ反応のメカニズムに大きく関わります。
そのポジティブな期待が、「不安-anxiety-」と「報酬-reward-」によって調節されます。

 

・「不安-anxiety-」による「予期・期待-expectation-」の調整

不安による期待の調節は、連載本編2-3話にも述べた例で十分通じたかな?と思いますが、追記しておきましょう。不安が取り除かれた状況ではプラセボ反応が起きやすく、改善の方向に向かいやすくなりますが、逆に、不安を助長する状況ではノセボ反応が起きやすくなり、悪化の方向に向かいやすくなります。本編では書ききれなかった例を二つ載せておきます。

 

・薬に対してネガティブな予感を持っていると(薬で痛みが悪化すると思い込むと)、麻薬(レミフェンタニル)の鎮痛効果も打ち消されてしまうという報告(Bingelら,2011)
Bingel U, et al. The effect of treatment expectation on drug efficacy: imaging the analgesic benefit of the opioid remifentanil. Sci Transl Med. 2011;3:70ra14.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21325618

 

・胃壁運動を抑制し吐き気を抑えるはずのアトロピンを、吐き気がする別の薬(イペカック)だと説明して投与したら、胃壁運動が亢進し吐き気を誘発した
Wolf S. Effects of suggestion and conditioning on the action of chemical agents in human subjects; the pharmacology of placebos. J Clin Invest. 1950;29: 100–109.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC439730/

 

これらは、ネガティブな期待は薬の効果を打ち消してしまう・逆転させてしまうという例です。

 

 

そして、こんな報告もあります(H29年11/13追記)。

・高脂血症治療薬(スタチン)投与後の有害事象として有名な筋骨格障害も、患者も医者もスタチン療法が行われていると知っている場合にのみ増えるという報告(=ノセボ反応であるという解析結果)。

(二重盲検試験(ASCOT-LLA試験)下では偽薬投与群と比し、真薬投与群に有意な増加は無かったにも関わらず、非盲検下の延長試験では、真薬投与群に有意な増加があったことから、スタチンの有害事象として有名な筋骨格障害もノセボ反応であると言える…、という報告)

Gupta A, et al. Adverse events associated with unblinded, but not with blinded, statin therapy in the Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial—Lipid-Lowering Arm (ASCOT-LLA): a randomised double-blind placebo-controlled trial and its non-randomised non-blind extension phase. Lancet 2017;389:2473-2481. http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(17)31075-9/abstract

日本語記事コチラ→https://www.carenet.com/news/journal/carenet/43975

 

 

本編にも書きましたが、不安を感じやすい性格の人にプラセボ反応/ノセボ反応が起きやすくなるのではなく、不安を感じる状況であれば誰でもプラセボ反応/ノセボ反応を起こすということを忘れずに。あくまで、「プラセボ反応/ノセボ反応が起きるのは、性格のせいでなく、状況のせい」。これは古くから証明されていることなので誤解なきよう。

McGlashan TH et al. The nature of hypnotic analgesia and placebo response to experimental pain.
Psychosom Med. 1969;31:227–246. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/4892726

 

なお、介入時点で不安が解消された場合には、介入前にあった不安が大きいほどプラセボ反応が強く出やすいことがわかっています。
Brody H. The Placebo Response, Caroline Myss, Crown Publishers, 1997(ハワ-ド・ブロティ. プラシ-ボの治癒力. 日本教文社, 2004)

 


・「報酬-reward-」による「予期・期待-expectation-」の調整

報酬による期待の調整って何?と思われるかもしれませんが、これは、報酬がある状況下ではプラセボ反応が起きやすいという意味ではないので注意。脳内の「報酬系」と呼ばれるシステムが、予期・期待を調節しているんですよ?という意味です。特に、報酬系のうち、ドパミン作動系(ドーパミン作動系)のシステムが、脳内麻薬系と同様に重要視されています。

 

ちなみに、余談ですが、マゾヒストでも、痛みが報酬になるのは性的に興奮できる状況においてだけで、そうでない状況では痛みは痛みでしかないことがわかっています。性的文脈の痛みに対する脳の反応でも、マゾヒストで対照群より高い活動が認められた領域は、痛みの識別に関わる領域(主に頭頂葉)であり、報酬系ではないことが報告されています。

Kamping S, et al. Contextual modulation of pain in masochists: involvement of the parietal operculum and insula. Pain 2016;157:445-55. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4795098/

 

この話はプラセボ反応に含まれる話ではないと思いますが、報酬とプラセボ反応(プラセボ鎮痛)の関係とはそういう話じゃない!ということの例としてのせました。


☆学習(learning)

「学習(learning)」は、簡単に言うと、本編2-3話で述べた、経験によるプラセボ反応/ノセボ反応のことです。「条件付け学習(特にパブロフ型条件付け)」は本編でしっかり述べたので、「予期・期待の強化学習」と「社会学習」についてだけここには書いておきます。

 

・「予期/期待の強化学習-Reinforcement of expactation-」による学習の調整

これも本編で述べた条件付け学習の一種ですが、「ポジティブな期待が高まるような経験があるとプラセボ反応は強まるよ!」ということです。

 

例としては、「最初から偽薬だけ投与される」より、「真薬を投与してから偽薬に切り替える」ほうがプラセボ反応は高まるというものがあります。

*Benedetti F, et al. How Placebos Change the Patient’s Brain. Neuropsychopharmacology 2011;36:339–354. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3055515/

 

この例は、本編2話に出てきた、米屋ヨネさんの例を思い出してもらえればと思います。鎮痛剤を注射した経験を多くしてから、プラセボ注射に切り替えたほうが、最初からプラセボ注射だけを使うよりも、鎮痛効果が高まるよと。こういうのが、Reinforment of expectationです。

 

こういった、プラセボ反応を利用して、薬剤使用を減らす治療法は、「placebo-controlled dose reduction」と呼ばれます。臨床家は経験上こういったことを知っていることが多いのですが、研究対象としての「placebo-controlled dose reduction」は比較的新しい概念で、報告は少ないです。

 

その数少ないreviewはこちら(興味ある人は必見です)。

Doering BK, Rief W. Utilizing placebo mechanisms for dose reduction in pharmacotherapy. Trends Pharmacol Sci. 2012:33:165-72. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22284159

 

・「社会学習-social learning-」による学習の調整

これは、「代理条件付け」と呼ばれるモノとほぼイコールです。

 

他者の治療経過を知ることは、治療経過に強い影響力を持ちます。ある薬で改善した人を知っていれば、その薬に対してプラセボ反応を起こしやすくなります。そして、逆もまたしかり(ノセボ反応)。

*Benedetti F, et al. How Placebos Change the Patient’s Brain. Neuropsychopharmacology 2011;36:339–354. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3055515/

 

(H29年11/10-追記のイラスト)

 

 

ノセボ的な代理条件付けとして最もよく知られているものは、俗に、「集団ヒステリー」と呼ばれるものでしょう(心理学的な概念で言えば、「利用可能性カスケード」が最も近いと思われます)。他者の治療経過を観察することによる影響例としてはわかりやすいと思います(例えば、給食を食べて気持ち悪くなった誰かを見る→同じ給食を食べていた自分も気持ち悪くなる→クラス内に連鎖…)。

 

近年はネット情報があふれているので、医療者の窺い知らないところで、代理条件付けが自然と行われていることが多いと考えておいたほうがよいと思われます。

 

☆遺伝的影響(genetics)

プラセボ反応に影響をもつ遺伝子がいくつか特定されています(社会不安障害とTPH2など)。こういった影響もあるんだよ…ということとして知っておいたほうがよいと思いますが、今のところは、「プラセボ反応/ノセボ反応が起きるのは、性格のせいでなく、状況のせい」というほうに考えたほうが良いといわれています。

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単行本化される際には、さらに追記・清書する予定です。

乱文失礼いたしました。

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(H29年10/21-追記)

ココロとカラダの痛みのための邪道な心理療法養成講座

第6回 地域リハ 2018, 13(3), in pressより、解説図のサンプル抜粋

 

 

プラセボ反応による鎮痛(プラセボ鎮痛)に関わるのは、主に脳内の下降性疼痛抑制系と言われる領域です(上図の)。例えば線維筋痛症ではこれらの領域(内側前頭前野-前部帯状回)にかけた領域の皮質容積が減少していることなどが指摘されています(上図)。また、前頭葉機能低下(FABの低成績)を示す進行期のアルツハイマー病では、プラセボ鎮痛効果が弱くなることなどが報告されています。

Benedetti F et al. Loss of expectation-related mechanisms in Alzheimer's disease makes analgesic therapies less effective Pain 121133–144.The first evidence that placebo responses are disrupted when there is an impairment of the prefrontal regions of the brain. Pain 2006;121:133-44. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16473462

 

痛みシステムの3D画像はこちら

赤:視床青:帯状回緑:島回黄色:体性感覚野(≒S1))ピンク:脳幹[中脳/橋/脳幹]

 

同解説(二つ上の図も参照ください)

 

 

☆脳内の痛みシステムとプラセボ・ノセボ反応

 

 

プラセボ反応もノセボ反応も、下降性疼痛抑制系の内因性オピオイド系(俗に、脳内麻薬)が鎮痛および痛覚過敏に関わっていることが報告されています。特に、ノセボ誘発性痛覚過敏(nocebo-induced hyperalgesia)では、内因性オピオイド系の活動を阻害するコレシストキニン系の関与が指摘されています。この脳内のコレシストキニンの阻害薬であるプログロミド(国内ではプロミドとして発売)をプラセボ条件下で投与することで、脳内麻薬系の阻害作用が阻害されて(ややこしい)、ノセボ誘発痛覚過敏の改善・プラセボ鎮痛効果の改善が得られることが報告されています。

Benedetti F, et al. Potentiation of placebo analgesia by proglumide. Lancet 1995;346:1231. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7475687

 

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