沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、政府が10日に着工した海上ヤードの設置区域は、強度が「マヨネーズ状」とされるN値ゼロの超軟弱地盤を大量に含んでいることが判明しました。

 

今回、着工した大浦湾側には広大な軟弱地盤が存在し、防衛局は地盤の崩壊を防ぐための改良工事を行う計画ですが、海上ヤード設置区域では地盤改良をしないまま、石材の投入を続けています。

 

海上ヤードは、護岸を建設するためのケーソン(コンクリート製の箱)の仮置き場です。長さ52㍍、幅22㍍、高さ24㍍、重さ7400㌧もの巨大なケーソンを大漁に保管して、地盤の安定性を保てるものか、防衛局は説明責任を免れません。

 

2019年3月、防衛省が国会に提出した大浦湾側の土質調査に関する資料のうち、「シュワブ(H26)、ケーソン新設工事(1工区)確認ボーリング報告土質調査」によれば、海上ヤード設置区域で「BK」1~4地点を調査。N値0が最も多かったのが「BK3」の26カ所で、「BK1」は7カ所、「BK2」は5カ所、「BK4」は8カ所となっています。

 

その後、沖縄防衛局は20年4月に沖縄県に提出した設計変更申請で海上ヤードの設置区域を変更。防衛局は本紙の取材に、現在の区域に含まれるのは「BK1」「BK2」だと回答しました。

 

平和市民連絡会の北上田毅氏(元土木技師)は「とりわけ軟弱地盤が多いBK3を含む区域を外して区域変更したのではないか」と指摘しますが、BK1、2にもN値ゼロの地盤が多く含まれていることに変わりはありません。

 

日本大学の鎌尾彰司准教授(地質工学)は「石材投入で地盤が沈下するが、ある時点でとまる。あくまで仮置き場であり、一時的に安定を保てばよいとして地盤改良は不要と判断したのだろう。ただ、沖縄県にきちんと説明すべきだ。県との事前協議もなく工事を進めることは許されない」と指摘しました。

 

 

2024年1月22日付「しんぶん赤旗」より

 

 

まだまだこの工事はうまくいくか不透明なところがあります。