今回の話には、個人的な解釈をさせてもらいます!
『松本清張ミステリー時代劇』
第4回「左の腕」(5/12放送分)の感想を。
―――
感想の前に。放送予定について。
このドラマは、
『火曜スペシャル 松本清張ミステリー時代劇』
BSジャパン(BS171)による、開局15周年の特別企画。
次回の放送は、
第5話 6/2(火)夜9時~「大黒屋」。
(無料放送です。BS放送が視聴できれば見られます。
また、毎月第1・第2火曜の放送です。お間違いなく。)
今後の予定は、BSジャパンのホームページにて。
http://www.bs-j.co.jp/
―――
◆あらすじをザックリと。
父娘で慎ましく暮らしていた卯助(升毅)と、おあき(宮武美桜)。
ある時、銀次(鷲津秀人)の口利きで、二人して、
お政(山口いづみ)が営む松葉屋で働くことに。
そこに出入りしていた、目明し・麻吉(津田寛治)は、
卯助の隠し事を探り出し、卯助を脅そうとするが……。
飴売り・卯助 …… 升毅
卯助の娘・おあき …… 宮武美桜
松葉屋の板前・銀次 …… 鷲津秀人
松葉屋の女中頭・おみつ …… 森田亜紀
松葉屋の内儀・お政 …… 山口いづみ
目明し・麻吉 …… 津田寛治
―――――
◆感想
(以下、ネタバレの内容を含みます。
これから視聴される方や本をご覧になる予定の方は、
お済ませになられてから、この記事を読んで頂くと、
より楽しめるのではと思います。)
このドラマも、松本清張ならではの味わいでしたね。
題名の「左の腕」とは、
飴売り・卯助が隠している左腕のこと。
それがこのドラマを押し進めていく、
重要なアイテムとなっています。
卯助が、普段から薄汚れた身なりをしているうえに、
ずっと腕に布を巻いて隠していたので、
周りに不審がられたり、変に目を付けられてしまいました。
誰もが、この人物は怪しいと思いますよね。
その左腕、
ストーリーの最後で、どんでん返しにもつながります。
ラストは、とても鮮やか。
飴売りの卯助、枡毅さん、すっごくかっこよかったです!
◆逆の視点も、アリなのでは?
でも、私の個人的な解釈もさせて頂くと……。
今回のストーリーのポイントは、もう一つあって、
津田寛治さんが演じた、目明しの麻吉ではないでしょうか。
松本清張の作品に必ずと言っていいほど出てくる、愚かな男。
人を甘く見たり、金や欲にまみれたり、
自分勝手で強欲な人物。
今回のそれは、目明しの麻吉でした。
彼の目明しという仕事は、悪を取り締まるべく奔走する、
正義の味方のはずです。
なのに、この麻吉は、
自分の強欲をどこまでも追い求め続けて終わりがない。
しまいには、事件に巻き込まれ、酷い目に合ってしまいます。
真っ当な仕事をしていれば避けられていただろうに、
まったく、自業自得としか言いようがありません。
その上、よく考えてみたら、
目明しという職業だったのですから、
この麻吉こそが、犯人を捕まえるべきだったのです。
それもできず、格好の悪い醜態を晒し、
挙句には、助けてもらう側。
まったく情けない奴といったらありません。
もう一つの、正義と悪の逆転。
ここにも、すごく面白さを感じませんか?
松本清張の、職権を乱用して欲を追究する人間が、
江戸時代に見出されたのですね。
みんなのために、
腕をまくって文字通り、みんなのために一肌脱いだ男は、
腕を布で隠して、決して本性を見せまいとしていた男でした。
―――
本当の悪人は、悪人の烙印を押された男なのか、
悪人におどしをかけようとした男なのか?
人間の、善と悪。
その見分けは、どこですべきでしょうか?
この物語は、そんなことを問いかけていたのかもしれません。
次回の放送は来週火曜日。楽しみです!
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『松本清張ミステリー時代劇』
第4回「左の腕」(5/12放送分)の感想を。
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感想の前に。放送予定について。
このドラマは、
『火曜スペシャル 松本清張ミステリー時代劇』
BSジャパン(BS171)による、開局15周年の特別企画。
次回の放送は、
第5話 6/2(火)夜9時~「大黒屋」。
(無料放送です。BS放送が視聴できれば見られます。
また、毎月第1・第2火曜の放送です。お間違いなく。)
今後の予定は、BSジャパンのホームページにて。
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◆あらすじをザックリと。
父娘で慎ましく暮らしていた卯助(升毅)と、おあき(宮武美桜)。
ある時、銀次(鷲津秀人)の口利きで、二人して、
お政(山口いづみ)が営む松葉屋で働くことに。
そこに出入りしていた、目明し・麻吉(津田寛治)は、
卯助の隠し事を探り出し、卯助を脅そうとするが……。
飴売り・卯助 …… 升毅
卯助の娘・おあき …… 宮武美桜
松葉屋の板前・銀次 …… 鷲津秀人
松葉屋の女中頭・おみつ …… 森田亜紀
松葉屋の内儀・お政 …… 山口いづみ
目明し・麻吉 …… 津田寛治
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◆感想
(以下、ネタバレの内容を含みます。
これから視聴される方や本をご覧になる予定の方は、
お済ませになられてから、この記事を読んで頂くと、
より楽しめるのではと思います。)
このドラマも、松本清張ならではの味わいでしたね。
題名の「左の腕」とは、
飴売り・卯助が隠している左腕のこと。
それがこのドラマを押し進めていく、
重要なアイテムとなっています。
卯助が、普段から薄汚れた身なりをしているうえに、
ずっと腕に布を巻いて隠していたので、
周りに不審がられたり、変に目を付けられてしまいました。
誰もが、この人物は怪しいと思いますよね。
その左腕、
ストーリーの最後で、どんでん返しにもつながります。
ラストは、とても鮮やか。
飴売りの卯助、枡毅さん、すっごくかっこよかったです!
◆逆の視点も、アリなのでは?
でも、私の個人的な解釈もさせて頂くと……。
今回のストーリーのポイントは、もう一つあって、
津田寛治さんが演じた、目明しの麻吉ではないでしょうか。
松本清張の作品に必ずと言っていいほど出てくる、愚かな男。
人を甘く見たり、金や欲にまみれたり、
自分勝手で強欲な人物。
今回のそれは、目明しの麻吉でした。
彼の目明しという仕事は、悪を取り締まるべく奔走する、
正義の味方のはずです。
なのに、この麻吉は、
自分の強欲をどこまでも追い求め続けて終わりがない。
しまいには、事件に巻き込まれ、酷い目に合ってしまいます。
真っ当な仕事をしていれば避けられていただろうに、
まったく、自業自得としか言いようがありません。
その上、よく考えてみたら、
目明しという職業だったのですから、
この麻吉こそが、犯人を捕まえるべきだったのです。
それもできず、格好の悪い醜態を晒し、
挙句には、助けてもらう側。
まったく情けない奴といったらありません。
もう一つの、正義と悪の逆転。
ここにも、すごく面白さを感じませんか?
松本清張の、職権を乱用して欲を追究する人間が、
江戸時代に見出されたのですね。
みんなのために、
腕をまくって文字通り、みんなのために一肌脱いだ男は、
腕を布で隠して、決して本性を見せまいとしていた男でした。
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本当の悪人は、悪人の烙印を押された男なのか、
悪人におどしをかけようとした男なのか?
人間の、善と悪。
その見分けは、どこですべきでしょうか?
この物語は、そんなことを問いかけていたのかもしれません。
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