お仕事でZX-11のお相手 3 | 退職してバイク電装屋

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お仕事、カワサキZX-11の続きです。

 

ハーネス加工

新しいメインハーネスの配線追加と、右ハンドルスイッチの加工も

すべて終え、ヘッドライト関係は終了。

 

今度はアース配線関係です。

 

バッテリー関係

毎度の事ながら、バッテリー周りは配線が一杯。(;^_^A

 

プラス側はヘッドライトリレー用とバッテリー充電用配線に純正プラス

配線と、ETCの計4本。

 

マイナス側はヘッドライトリレー用とバッテリー充電用、アーシングが

2本と純正アースの計5本。

 

アース配線が多いのと、アーシング配線の端子が厚いので、

バッテリー接続のボルトが長いものに取り替えられています。

 

この他にETCのアースがフレームに付いています。

 

アーシング配線はバッテリー側一つの端子に、ジェネレーターに太いのが1本とステム後方のフレームに細いのが1本行ってます。

 

もう一つの端子に細い線(と言っても無用に太いけど)が2本付いてて

キャブインシュレーターの取り付けネジに行っています。

 

キャブインシュレーターの線は、役を果たしていないので撤去したい

のですが、キャブをまるまる外さないと取り付けネジが緩められない

ので断念し、バッテリー側を純正アース配線のエンジン側に移動。

 

先のジェネレター行きは太すぎますが、有って損は無いので残し、

もう1本のフレームに接続されているのを引き戻して、バッテリー後部

リヤマスターのフルードカップ取り付けネジに接続。

 

ここにいつものアース銅バーを付けて、細かなアース配線を

接続します。

 

これでバッテリーマイナス端子はアーシングと純正アースの2本だけになりました。

 

プラス側端子は、ETCはジャンクションボックス配線の、メインスイッチ

連動アクセサリー電源から分岐配線を付けて供給。

 

充電用配線は、常時電圧ありのACCヒューズ回路に接続します。

 

これで、バッテリープラス端子はヘッドライトリレー用と純正のプラスの

2本に。

 

ステム側ステム後方

シート下側バッテリー部

整理がつき、回路は出来上がりました。

 

さて、確認を行いますか。

 

確認に必要なヘッドライトや、ウィンカーなどが付いたテールカウル

などを取り付け。

 

直流を掛ける前に、ジャンクションボックスの各ヒューズとそれぞれの

行先の間を導通確認し、いつもの様にバッテリーの代わりに直流電源

装置を接続して電圧を掛け、ヒューズの代わりにMCCBを1回路ずつ

接続して、各回路の動作とショート無しを確認します。

 

直流電源装置で確認できる回路はOK。 (^_^)v

 

今度はプラグを4本抜いて、点火の確認とセルクランキングを確認

します。

 

オットー!! 1番プラグの回りが重く、抜けてくる雰囲気が

ありません!!

 

締め付けてもヘッド面に当たる感触がありません。

 

怖いので1番を抜くのはやめます。

 

2-3番はプラグのアース側を接続し、4番はアース側をアースさせ

エンジンをクランキングします。

 

バッテリーの回路もジャンクションボックスのヒューズも全部元通りに

戻して、クランキング準備完了。

 

キルスイッチやセルボタン機能を確認し、プラグは3本とも火が飛んでいる事を確認。

 

4番が大丈夫と言う事は、1番も火が飛んでいるはずです。

 

これで、回路の確認は終わり。(本当はもっと確認してますが・・・)

 

エアークリーナボックスを付けて、フロントカウルのダクトを接続し

各ホース類をつないで、

 

ガスを点滴してエンジン始動。

 

無事始動したのですが・・・ ノイズが大きい!

「ザー」とも「ガー」とも「ゴー」とも聞こえる不気味な音がエンジンから

聞こえます。(何??)

 

先の1番気筒プラグの関係なのか、はたまた最初からなのか・・・

(感想:エンジン終わってる?)

 

お預かりの時、私はエンジン音を聞いていないので、最初からなのか

どうなのかの判断ができません。

 

エンジンO/H推奨を報告書に書いて、報告する事に。

 

もう一つ悩んだのがパッシング。

 

お客様からの要望で、先の折れたパッシングスイッチを、ほかの

新品左ハンドルスイッチのパッシングスイッチとコンバートしましたが、

テストをすると、パッシングが点きません。

 

一般的にパッシングはヘッドライト消灯時にも機能する回路ですが、

このZX-11はパッシング専用の電源配線が最初からありません。

 

当たり前と言えば当たり前、常時点灯のバイクに無理やり

ライトスイッチを噛ませているので、ライト消灯時にはパッシング

電源がありません。

 

他地域向けZX-11のパッシング付きは、ギボシ接続で電源を引き

込んいるので機能しますが、このUS,CANADA仕様は、そもそも

パッシングが無いんです。

 

改造すれば機能確保できますが、エアークリーナボックスなどが付いて

しまった段階から始めるには、フロントカウルからクリーナーボックス、

はては左ハンドルスイッチの改造など、かなりのパーツをいじらないと

実現できないので、今回は見送ってお客様説明に留めました。

 

外装を全て取り付けて、もう1度電装系の動作をチェック。

 

抜いていたガソリンをタンクに戻し、ガスホースを接続してコックを

ONにして漏れが無い事を確認して終わりです。

 

お客様に連絡し、引き渡しは土曜日。

 

ご来店いただいて作業内容を報告し、お客様はご帰宅です。

 

エンジンを始動・・・と、この段階で、例のエンジン音。

 

お客様のお話だと、「以前はこんな音はしていなかった」だそうで、

焦って色々見てみるも、外装全部を剥がないと原因は分かりそうに

ありません。( ノД`)

 

原因が当方修理にあったとしても、大きなトラブルにつながるような

事は考えられない事から、このままお帰りになる事に。

 

なんでも定期点検を近々予定していて、別ショップにお願いする事に

なるので、そこで見てもらうと言う事でした。

 

なんか後味悪いなぁ・・・

 

今年に入って仕事が上手くいきません。

お祓いでもしてもらうか。

 

 

 

 

 

おしまい