紫禁城を華麗に再現した舞台セット。
皇帝の玉座を大階段上に作り、目をひきます。
男役の官吏の黒い衣装に対して、女官の白とピンクの衣装で、ひときわ美しいプロローグです。
友情以上の関係
梁文秀(彩風咲奈)、李春児(朝美絢)、玲玲(朝月希和)は、本当の兄、弟、妹のようです。
文秀は春児が宦官になることに反対し、一人になり行き場のない玲玲をひきとります。
温かい文秀がいてくれて良かった。
また、長身の咲きちゃんは、ロングの官服が似合いますね。
希和ちゃん、玲玲のまとめ髪と中華のお洋服が可愛らしかった。
アーサーのセリフが
アーサーが李春児にピッタリで、アーサーの言う「おいら」が、まさに李春児なんです。
宦官になって、全ての人に施すと言う。
原作では、出世した春児は、世話になった老いた宦官たちに恩返しをします。
西太后の威厳
西太后(一樹千尋)は堂々として威厳があります。光緒帝(縣千)は、落ち着いた演技ですが、光緒帝の個性が強くないせいか性格付けが難しそうです。
縣くんの持ち味を敢えて抑えて、お芝居の修行中に見えます。
京劇では
春児と黒牡丹(眞ノ宮るい)の京劇の踊りが、見ごえがありました。
衣装が重そうで、回転が多くて大変そうです。
今日は、アーサーが棒を落としましたが、そこも生の舞台ですね。
ストーリーを
日本の雑誌記者、岡圭之介(久城あす)が、ストーリーテラーのように、光緒帝の隆裕皇后(野々花ひまり)と瑾妃(沙羅アンナ)、珍后(音彩唯)の関係や、日中戦争について説明してくれるのでわかりやすいです。
和希そらの声
順桂(和希そら)の低音のよく響くセリフ声に惹きつけられます。
2幕には、そらくんが銀橋を渡って歌うソロがあって、順桂が国を思う心が劇場に響き大きな拍手でした。
2幕にグッと
1幕にも、ホロリとさせる場面がありましたが、2幕にこんなに泣かされるとは。
譚嗣同(諏訪さき)「私は簡単な方を選びます」、演技が上手く泣かされます。譚嗣同は実在の人物です。
春児と、文秀、玲玲との別れに、明日への希望を見つけました。
原田諒氏の上手さ
原作が文庫本で4冊という長編なので、かなり端折ってあったり、変更してある場面があります。
上手く切り取られていて、原田諒氏の手腕を感じました。
市場の場面では、龍を掲げての祭りが通り抜けたり、飽きさせない工夫がありました。
1点だけ気になったのは、原作では、楊喜禎(夏美よう)の暗殺は、靴の中に仕込まれたサソリによって行われたのですが、1幕のその場面は変更されていて、2幕に説明があるまで、なぜ倒れたかわかりませんでした。
こんなに感動をするとは
心にしみる、また観たくなる作品です。
ランキングに参加しています。
バナーを押していただけたらうれしいです。
にほんブログ村