木曽御嶽山登山
 平成26年9月27日快晴の青空のもとで突然噴火した御嶽山。 沢山の登山者が山頂付近で各々が雄大な眺望を楽しんでいただろうと思われる最中にそれは起きた。 死者行方不明者63名、未だに5名の方が行方不明のままである。 
 その阿鼻叫喚の様は報道等で何度も目にしてはいたが、今回の山旅で実際の現場を目の当たりして、改めて当時の悲惨な状況が思い起こされ、遺族の方々の無念な気持ちに思いをはせたとき、自然と込み上げるものを抑える事ができませんでした。
 何故、突然に山は怒りを爆発させたのか? 罪もない登山者に牙を剥いたのか?
 日本列島は火山の島であり、未だに活動(噴煙を上げている)を繰り返している活火山は数多い。 
 最近の報道でも福島の一切経山付近はレベルが「2」に引き上げられ、入山規制が敷かれたばかりで、草津白根山の水蒸気爆発は今も記憶に新しいままだ。
 自然に対する畏怖の念、自然災害に対する備えや心構えは山に限らず、近年の豪雨災害や大規模震災にも通ずるものだろう。
 今回、期間限定(9/26~10/8)で黒沢口のみ入山規制が解除されたのを機に、竹馬の友から誘われ計3名で「御嶽山慰霊登山」に出掛けてきました。
 4年前の時と同じ青空が広がる中、山は何事も無かったかの様な姿で我々を迎えてくれ、樹林帯を抜けた先には独立峰らしく素晴らしい眺望が待っていた。
 ウィークディにも関わらず山頂を目指す登山客は数多く、中には犠牲者の関係者なのか花束を抱えて登ってくる方も居て、穏やかな山旅であったもののいつもの山旅とは違う感覚を抱かずにはいられなかった。

9/27(木)
自宅~中の湯登山口(テント泊)
9/28(金)
中の湯登山口~行場山荘(7合目)~女人堂(8合目)~石室山荘(9合目)~覚明堂(9.5合目)~剣が峰
(往)6:00      6:40~6:50      7:40~7:50     8:40~8:50          9:00       9:25
(復)12:15      11:44       11:00~11:15                                 9:45 
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                              行場跡付近(7合目)を清流がはしる。
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登山道を振り返ると樹林の奥に中央アルプスの雄姿が!
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8合目付近から乗鞍岳、遠くに槍・穂高・常念を望む。
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八ヶ岳も遠望できたが、主峰赤岳は阿弥陀岳に隠れて見えない。
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女人堂前(8合目)には沢山の慰霊碑が建ち並んでいる。 ここで漸く御嶽山の全容が望める。
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女人堂からの中央アルプス木曽駒ケ岳・宝剣岳。
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剣が峰山頂の奥宮社務所は改修の真っただ中で建材が積み重なっていた。
爆風か噴石で首が飛んだままの立像。
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一の池は火山灰に埋もれている。
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御嶽頂上山荘は無残な姿を残したままであった。
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奥宮に至る石段の手前に設けられた噴火災害慰霊碑。 この右脇にシェルター3個が設置されていた。
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担ぎ上げた清水を手向け、犠牲者の方々に合掌しました。
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中央アルプス越しの富士山をズームアップ。右は南アルプス塩見岳。
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女人堂から登頂後の御岳山を望む。
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女人堂から8合目付近の紅葉。(猛暑の夏だったためか少々葉が焼けている)
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登山口から車で下る途中、木曽駒ケ岳の雄姿を望む。
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 下山後は国道に出る前に一軒宿の「鹿の瀬温泉」(宿のおかみさん曰く、「地下千mからくみ上げていて、源泉温度は約44℃、浴槽で41℃」で「冬場は閉鎖」とのこと。)のカルシュウムたっぷりの源泉かけ流しの湯に浸かり、心身を一新して帰路に就いた。 
 今回の山旅も無事に何事もなく終わることができたが、振り返ってみて改めて悲惨な噴火災害の爪痕を思い出すたびに胸が熱くなる想いである。 犠牲者の方々に謹んで合掌!!