うつ病…このやっかいなこころの病、縁ができてしまったのは、記憶にある限り相方との交際に悩んだ大学三年の時。どんな時も恋愛問題ってなぁ悩みの種だけど、気持ちを通わせること自体が不可能という絶望を、わたし自身初めて味わいました。

それはもちろん、原因と距離を置く(別れる)ことで、わたしはカサンドラ症候群からは脱したんです。でも、結婚。出産。長子の出産時に産後うつに。これが重くて!死んで楽になりたいってほど、ひどかった。子どもに責任を感じすぎたから、かな?周囲の支えで、なんとか回復しました。

この時「あなたがそんなに、心の弱い人だったなんて…」と、不安をもらし理解を示さずわたしをガッカリさせた相方が、うつ病になったのはその四年後。十五年前のことです。

きっかけは、社内での業務移動でした。入社以来希望していた職務で、本人も大変やる気になってました。現場を見てないからなんとも言えないし、想像なんですが…たぶん、相方のアスペルガー要素を受け付けてくれなかったんじゃないかな?今までの、仕事の進め方や段取りがまったく通じないところに、しかも望んで飛び込んじゃったのが。

朝起きれない。出社できない。部屋から出れない。地獄のような顔している。子どもが幼稚園に行った後、静か~に過ごすわたし。こんなんじゃ、なにも解決しない!と、本人ともゆっくり話し、元の職場に戻してもらうことになった。しばらく気持ちが不安定でどんよりしていたけどね。この時は、本当に短期間で済んだ。

さてさてさて、うつはこころの風邪、とよく言いまして。普遍性を強調したいんだろうけど、ほら「風邪なら早く治せ」「やる気が足りないんだ」なんて、的はずれな根性論を展開する奴ぁ後を絶たないわけですよ。そんなバカは無視するとしても、本人がまったく自責の念ってのを持たないのには驚きました。悪いのは自分ではない、あの人とかこの人が悪いんだって、正気で言うの。たぶん事実だろうけど、真面目な顔で罵倒するもんだから、呆気にとられました。

それから…回復した後ですが、二人目の子どもを強く所望してきて、相方が。わたしはちょっと(いえかなり)不安でした。うつ病は再発の多い病気なんです。考え方のクセで、陥りやすい。主治医も本人に伝えたはずなんだけど…人の言葉をきちんと受け止めにくい、アスペルガーの悪い特性が働いたみたい。確かに二人目の子どもが授からないことで、あることないこと言ったりここぞとばかりに宗教勧誘する人いっぱいいたし、身内からの口撃はキツかった。子どもはかわいいから、二人いてもいいと思った。わたしたちが健康ならね!

…結局「もう、うつ病で迷惑はかけないから。回復した証拠に、もう一人生き甲斐が欲しい。どうしても信じてくれないの?(泣)」って言われちゃってさぁ、泣き落とし…信じるしかなかったんだ、その時のわたしの立場としちゃあね。甘いったら、見通し甘過ぎなんだけど…

でもね、今度は早かった。長子の小学校もあり、里帰り出産ではなく新しい家族は自宅で迎えようと(出産自体は総合病院)。末子の世話以外に、家事育児あるでしょ、あっと言う間でした、相方のうつが再発したのは。忙しくて処理能力が追いつかず自滅、これがアスペルガー由来なのか単なるうつ病再発なのかは、よく分からない。

とにかく今度のは長引いた。相方のうつ病による休職、長子の不登校、末子の発達障害発覚。怒濤の展開がわたしを待ち受けていたんです。