英語コーチ、英日翻訳者の門田直樹です。
週末にこの本を読みました。
松本道弘先生がアメリカ大使館で同時通訳をされていた時代のことについて書かれた本です。
松本道弘先生の通訳の師は故西山千氏です。
アポロ11号が月面着陸した時に同時通訳をされていた同時通訳者の草分け的な方です。
通訳技術はもちろん声が渋いですよね。
この本の中で印象に残った言葉は
+通訳はシンボルの交換である。
+日本語力こそ通訳力
+プロの通訳になるには最低5年はかかる
です。
松本道弘先生はよく単語のシンボルをつかめということをおっしゃっていました。
通訳は翻訳の仕事をやりたいのであれば、英語以上に日本語を勉強しないといけませんね。
私も翻訳の修行中は日本語の文法の本を読み直したりしていました。
西山千氏は、「英語と日本語が話せるから通訳が出来るわけではないんです」とおっしゃっていましたが、正にその通りだと思います。
通訳は特殊な訓練を受けた人しかできない特殊技術です。
通訳という仕事は体にかかる負担も半端ではなく、多くの通訳者は胃腸の調子が悪くなると書かれていました。
通訳は100%できて当たり前で、1つでもミスすると後でボロカスに言われるそうです。(アメリカ大使館での仕事)
サラリーマンの1日の仕事と通訳者の2時間の仕事の疲労度が同じくらいだというのも納得です。
英語力を上げるためにはやはり Frame of reference(知的枠組み)を広げることが必要ですね。
ただ英語ばかりやっていてもどこかで限界がきます。
松本道弘先生に実際にお会いしてお話しした時も、もっと若い時にたくさん本を読んでおくべきだったとおっしゃっていました。
私も今までそれなりに読書はしてきましたが、今後もFrame of referenceを広げる努力を継続していこうと思っています。
御意見、感想、大歓迎です。
