英語コーチ、英日翻訳者の門田直樹です。
英語学習でよく「日本語で考えではダメだ。英語で考えろ」ということが言われます。
この言葉を聞いて英語学習で日本語を使ってはダメだと思いこんでいる英語学習者がいます。
今日は英語で考えるということがどういうことかについて書きたいと思います。
「英語で考える」については私が駿台予備校で教えて頂いた伊藤和夫先生の著書に詳しく書かれています。(P43~P44ページ)
残念ながらこの本は絶版になっています。
簡単に言えば英語で考えると言うのは、英語→日本語→事柄ではなく、日本語→事柄になるということです。
伊藤先生の著書に書かれていますが、dogという単語を聞いて、頭で犬と訳さないとdogがイメージ出来ない人はいないと思います。
You look sad.という文章を見て、「あなたは悲しそうに見える」と訳さないと、その人が悲しそうな顔をしているイメージが浮かばない人は少ないでしょう。
つまりYou look sad.という文を読んだり、聞いたりしたときに、その人が悲しそうな顔をしていることが分かれば(イメージが頭に浮かべば)、それが英語で考えられているということになります。
英語を学んでいると、英語→事柄で理解できる範囲がだんだん広がってきます。
ただかなりの上級者の方でも抽象度が高い英文(内容)を理解したり、話そうとすると、一度日本語を介さないと難しく感じる方が多いのではないでしょうか?
多言語翻訳者の猪浦道夫氏も著書で同様のことを書かれています。
私自身も挨拶や近況報告の程度のカジュアルな内容の会話であれば、英語で考えて話すことは可能ですが、抽象度が高い内容を話す時は、日本語で内容を考えてから英語で話します。
私の考えは、日本語で考えようが英語で考えようが、自分の考えが相手にきちんと伝わればそれば良いと思っています。
おそらく「英語で考えろ」とよく言われるのは、頭に浮かんだ日本語を逐語訳して書いたり、話したりすると不自然な英語になるからだと思います。
このことを解決するには、英語の発想を理解したり、正しい表現を覚えれば済む話ですね。
別に日本語を使っても何の問題もありません。
英語→事柄で理解出来るようにするのに良いトレーニングは、音読とシャドーイングです。
どちらのトレーニングも継続すれば英語を英語の語順で理解出来るようになり、英語→事柄で理解出来るようになります。
ただ音読もシャドーイングも効果に即効性はないので、最低3か月は継続するようにして下さいね。
御意見、感想、大歓迎です。