【オーディションに参加してくださった皆様へ】

 

皆様、昨日は大変お世話になりました。

演出の中西広和です。

 

今日はとても難しいお題でのオーディションで、これがもし、自分が受ける側の立場だったらと思うと、ゾッとするような内容でした。

 

それでも、皆さん、お題を渡されてから二日足らずで、自分自身の想像力をフル回転させ一生懸命考えてきてくださったのだな、と、しっかり私には伝わってきました。

 

我ながら、本当に難しいお題だったと思います。

今回、皆さんに参加して頂いたのは、ワークショップや勉強会ではなく、出演者オーディションです。

故に元々の採用定員と言うものがありまして、全員を採用したいところではありますが、受かる、受からないという結果は必然的について回ってきてしまいます。

ただ、お決まり台詞になってしまいますが、今回、選ばれなかったからと言って、それで自信を無くすことは全くありません。選考基準はあくまで役のイメージに合うかどうかであり、表現力や演技力の優劣ではないからです。

 

今回はこちらの予想を上回る応募があり、参加人数が増えれば、それだけで選考が難しくなる。加えて更に、今回は今まで私が経験したことがないほど、ポテンシャルの高い人ばかりが参加してくれて、冗談とお世辞抜きで、選考は胃が痛くなるほど悩まされました。参加者の演技実力はそれぞれに有り、きっとお題や演目が変われば、今回の朗読劇以外の現場で活躍できるだろうな、という人たちばかりでした。この子は悲劇の方が合いそうだな、この子はコメディ作品でも行けそうだな、この子はホラー系作品に出したら絶対怖く演じられるだろうな、等々、選考中の私の脳みそは色んな思いが巡っておりました。

私なりに精一杯、皆さんの熱意としっかり向き合いながら集中力全開で演技披露に没入ていたので、最後の演技披露が終わった瞬間、緊張の糸がぷっつり切れて廃人と化してました。

 

いやいや。しかし本当に大変だったのは、やはり参加者の皆さんお一人お一人だったと思います。

 

だって、今回は、お地蔵さん役のオーディションだった訳ですよ。そんなの聞いたことない!特殊すぎます!しかも「お地蔵さんとして会話してください」なんて言われたって、どうやったら良いのか、そう易々と分かるはずもございません。逆にこんな特殊なケースを簡単に分かられても怖いです。一体なんなんだこのオーディションは……って、思ったのではないかと思います。何故なら、実在するお地蔵さんが喋ってる姿なんて超常的な特殊能力を持ってる方以外、見た事も聞いたこともない訳です。にも関わらず「このお地蔵さんはどういうイメージで演じたのか簡単に聞かせて貰っても良いかな」なんて私も言うもんだから、みんな目が点になってましたよね。当たり前ですよ。イメージも何も、空想で演じてる訳ですから。ふぅ〜……こうやって、自分で書いていても、一体、何が言いたいのか、何を総評したいのか訳が分からなくなりそうです。笑

ただ、それでも突き詰めていくのが俳優なのだと私は思っておりますので、皆さんは、果たしてどこまで考えてくれたのかと思い、我慢できずに聞いてしまいました。無茶な質問にもみんな自分の言葉で一生懸命、説明してくれましたね。本当にありがとうございました。人生経験もまだ少なく、それをこれから積んで行こうとしている俳優たちが分からないながらも一生懸命、考えて私達の前に持ってきてくれた。素晴らしい事です。

オーディションが始まる前にある程度、私の中で「この役のお地蔵さんは、こんな感じかな〜」なんてイメージは有りましたが、そんな私の予想を遥かに超えた全く別次元のお地蔵さんを演じてくれた方々ばかりでした。

生きる世代が変われば、こうも如実に考察力も変わるのかと、私達製作サイドも度肝を抜かれっぱなしで、大変、勉強になりました。

この場をお借りして、改めて本日参加された方々にお礼を申し上げたいです。

 

一生懸命、考え、演じて頂き本当にありがとうございました!!

 

今回はお題に沿った出演者選考でしたが、私の中では、本当にそれぞれの人とその人が輝けるような違う作品をやってみたいなと思いました。

そして、それがいつか必ず実現出来るよう、頑張ります。その時は必ずお声を掛けさせて頂きます。

そうです!今回はわざわざ応募してお越し頂きましたが、これをご縁に次回は、こちらからお声を掛けさせて頂きたいと思います。今はそんな想いです。今日で全てが終わった訳では有りませんので、次回、お会いするまで、お互い今より一層、精進し、切磋琢磨しながら、感覚を研ぎ澄ませ、励んでいきましょうね!!

 

それでは、皆様。長くなりましたが、ひとまずお世話になりました。

 

オーディションに興味を持ち、受けてくださった事に心から感謝申し上げます。

 

本当にありがとうございました。