浮気男の主張をまとめた書類が届いたので事務所にきて欲しい。美人弁護士から連絡を
うけた。夏がはじまる前のことだった。
昼休みを使って美人弁護士の事務所へ出向くと、かっこいいソニー製の新型VAIOを開けて
待っていてくれた。席につくなり、書類を僕に差し出した。
「このバカ男、本当にいかれてますよ(笑)。僕さん読んだら気分を害すと思うから最初に言って
おきますけど、こんな最低な文書を出してきた奴はみたことないです」
僕は書類を手に取り、目を通した。怒りで、血液が逆流する感覚すらおぼえた。
彼の主張は以下のような感じで書かれた。文体は高校生の話言葉をそのまま文章にしたような
にくたらしい、侮辱的なものだった。
以前、僕側から質問したことについて(2007・6・17参照)
・妻と今後も会いたいといことの意味⇒意味はない。文章から判断しろ
・僕の面前で書いた念書は自作、自筆は認めるか?⇒不明
・僕への脅迫メールは認めるか⇒ 僕の嘘。メールは非通知だから自作自演なのはみえみえ
このほか、多くの質問を出したが、都合の悪い箇所は記憶にないと不明という単語のみ。
浮気男の新しい主張
・(僕の主張に対して)これは裁判資料なの? 女々しい男のひとよりよがりな日記かと思った。
・僕なんて男知らなかったけど、勝手にかかわってきやがった。勘弁してほしい。
・不貞って言うけど。何をもって不貞なの? どういう行為が不貞なのか具体的に文書で説明しろ。
・念書は密室に監禁されて書かされた。しかも証拠書類にある念書は自分のサインと拇印があるけど、
その時に書いたものと同じか記憶にない。監禁と暴行で刑事告訴してやるよ。
・僕が会社の社長や同僚に、言ってまわり会社を辞めざるおえなくなった。名誉毀損で訴える予定。
こんな内容のことが、クドクドか書かれていた。。。
「こいつ、キモイ顔してるだけじゃなくて、発言もキモイんですよね。。。不貞行為を具体的に説明って
法廷を汚すきか?と怒鳴ってやりたいです。本当に下品な男ですよ。」。美人弁護士は鼻息まじりに
さらに続ける。
「ま、全面否定は想定の範囲でしたから、こちらは引き続き証拠を積み上げましょうよ。
既に論理矛盾を起こしている主張もあるし、バカをぎゃふんと言わせてやりましょうね。あいつ、裁判
中もあの無礼の話し方だから、裁判官の印象も相当悪いと思いますよ。
相手の姿勢から和解はないでしょうから、判決まで少し時間がかかりますかね。早くて年末かなー」
美人弁護士はそう説明してくれた。
「こんだけ裁判を侮辱するやつ初めて! ほんとっ、最低ですよね」美人弁護士はそういいながら、
僕を事務所の外まで見送ってくれた。
東京の陽射しは痛いくらいまぶしかった。夏がもうすぐそこだった。