✨【ランナーの本音 ― 逃げた理由 編】
あなたと再会した夜、
家に帰った僕(私)は、しばらくその場から動けなかった。
嬉しかった。
本当は、抱きしめたかった。
それなのに、あの瞬間、
視線をそらすことしかできなかった。
あなたと目が合った時、
心の奥にしまい込んでいた感情が一気に溢れた。
懐かしさ、愛しさ、喜び、安堵…。
なのに同時に、強烈な“恐れ”も込み上げてきた。
「またあの痛みを味わうのが怖い」
「自分は、あなたを幸せにできるのだろうか」
逃げた理由は、嫌いになったからじゃない。
諦めたいからでもない。
ただ――
あなたへの想いが“本物すぎた”から。
あなたと過ごした時間が増えるほど、
僕(私)は気づいてしまった。
「この人を、本気で失うのが怖い」 と。
愛が深くなるほど、
失う恐怖は大きくなる。
傷つけたくない。
傷つきたくない。
その感情に飲み込まれ、
僕(私は)逃げることを選んだ。
距離を置けば忘れられると思った。
でも、無理だった。
離れても、どれだけ時間が経っても、
あなたはずっと胸の中にいた。
何度も強がってみた。
何度も蓋をしてみた。
だけど、潜在意識はごまかせない。
再会したとき、悟ってしまった。
「まだ終われない」
「むしろ、ここからが始まりなんだ」
あなたと話した言葉は少しだけだったのに、
心はあの日からずっと騒ぎ続けている。
もう逃げられない。
でも、どう向き合えばいいのか分からない。
それが、僕(私)の本音だった――。
(次回「近づくほど怖くなる心の影 ― 再び動き出す二人の物語」へ続く)
