✨サイレント期ストーリー【続き】
彼(彼女)が遠ざかってしまった後も、
私はずっと心のどこかで待ち続けていた。
理由なんて分からない。
でも、終わっていないことだけは分かっていた。
ある日ふと気づいた。
頭では忘れようとしているのに、
魂は相手を手放すことを拒んでいる――。
この矛盾が、私を苦しめ続けた。
会いたい。
でも、追いかけたくない。
忘れたい。
なのに、忘れられない。
そんな想いが、胸の奥で何度も渦巻く。
そんなある夜、
ふと涙が止まらなくなった。
「どうして逃げるの?」
「私の気持ちは重かったの?」
「もう終わりなの…?」
悔しさでもなく、哀しさでもなく、
もっと奥にある――言葉にならない痛み。
泣き疲れたあと、
心の中にふっと静けさが訪れた。
その静けさの中で、私はようやく気づく。
“相手を求めるばかりで、私は自分を見ていなかった” と。
そこから私は少しずつ変わり始める。
相手の行動に揺さぶられる毎日ではなく、
自分で自分を満たす生き方を選び始めた。
・好きなことをする
・自分の時間を大切にする
・ひとりでも幸せになれる土台を作る
そうして日々を重ねていくうちに、
少しずつ心が軽くなっていった。
「この道の先で、いつかまた笑顔で会える気がする」
根拠なんてないのに、
魂だけは確信していた。
そして――
離れていたはずなのに、
まるで引き寄せられるように
私たちは再び、動き始めることになる。
(次回へ続く)
