給食ネットワーク岐阜主催
神戸大学大学院農学研究科教授 星信彦先生の講演。
マシンガントークの星先生のお話を1日必死で聞きました(笑)
とてもタイトなスケジュールでしたが、大学の講義を受けているようで、もっと学びたいなと思える内容でした。
最新の研究情報を教えてくださり本当に感謝です。
星先生は動物が大好きで獣医学部で学び、元々は産科医だったそうです。最初の自己紹介でお人柄が伝わり、一気に親近感が湧きました。
ものすごい情報量だったのですが、私が一番心に残った言葉は
自由であるということは、選択肢があること
まさに今私があらゆる分野で感じていることそのもの。
お産も、ワクチンも、農薬も、選択するための情報が、手軽に誰にでも分かるようになっていない日本。
知る権利が守られていない国です。
私たちは約10万5千種ほどあると言われる化学物資が溢れる環境で生きています。
誰の尿からも高確率でネオニコチノイド系農薬が検出されるそうです。
その中でも特に影響がある胎児、乳幼児。
先生は母子間での農薬移行の実態をあらゆる行動実験で研究し多くの論文を発表されています。
これはかなりショックな事実。
母乳はほぼダイレクトに乳児へ影響を与えます。
でも母乳にはIgA抗体など免疫を高めるために必要な成分が溢れています。
なので、母乳育児を守るためには、日常の食生活が大切だということ。
女性は生まれる前から卵巣の中に卵子があるため、卵子の老化だけではなく環境ホルモンの影響もあるので、妊婦になる前から食生活が大切だと思いました。
微量だと言われても、農薬入りの水は飲みたくない。
でも残留農薬のある野菜や果物は平気で食べていませんか?
これ、各務原市のPFASの問題と被った。
国の目標として50ng/L超えてません。30ng/Lは微量ですと言われて、飲めますか?
国は、農薬の基準値以下であれば安全だという。
でもその基準値とは何か?
農薬の毒性試験がどのように行われているのか?
先生が調べても非公開。
理由は農薬会社の知的財産だから。
国民の健康より、企業の知的財産保護。
日本は農薬メーカーの表示を農水省が採用していて、学術論文は農薬リスク評価に採用されないそうです。
意味不明ですね。
これ以下なら健康に影響がみられないという無毒性量
これを元に1日摂取許容量や残留農薬基準値が決められる。
しかし、この最も重要な基準となる無毒性量を決める毒性試験は、OECD(経済協力開発機構)のガイドラインに基いている。
食のことなのにWHOではなく、経済のOECD。ここにも違和感。
OECDは発展途上国などに合わせ、限定的かつ古い一般的な方法、肉眼的・組織学的病理学を基本としている。
観察する夏休みの研究のようなイメージで、最新の科学を用いた研究とは比較にならないレベルだそうです。
農薬は英語で agricultural chemicals (総称)
「除草剤」は herbicide、「殺虫剤」は pesticide
cide には「殺害」という意味があります。
でも日本は造語が得意で農薬と表現。
農作物のお薬みたいだけど、実際は殺菌剤、防黴剤、殺虫剤、除草剤、殺鼠剤、植物成長調整剤等
つまり、毒なんです。
なので農薬は人間で臨床実験ができない。
ここが医薬品と農薬の大きな違い。
先生のマウスを使ったあらゆる実験の結果によると
無毒性量であってあっても、全てのマウスが様々な影響を受けることが明らかとなった。
その実際の動画などを見せていただきました。
実験の結果、胎児・子どもの脳の発達の影響は否定できない。
ネオニコの暴露と発達障がい児童の急増の関連の論文はたくさんあるそうです。
最近増えてきた免疫の暴走。(かつてはなかった)
この原因は特定の腸内細菌の減少
クロストリジウム菌が減ると制御性T細胞に影響がある。
この辺の話は難しくてうまく説明できませんが、やっぱり腸内細菌が大切で、腸脳連関興味深い内容でした。
農薬の現状は、この国の闇に迫るお話でした。
環境汚染から国民を守るより、企業を守っているのはなぜか?
農薬メーカーの力が強い国。
ネオニコチノイド系農薬を作った複数の会社は日本の大企業。
企業献金がなくならないと変わらない。
やはり、政治の問題につながりました。