堕ちる

吸い込まれるように

力を失うように


現実論が主軸の世界が
真逆の世界へと
揺さぶられ
堕ちていく

理想だと
思い描いてきた自分軸は

脆く
儚く
色が抜けていく

鏡のように
相反する二つの世界を
反転させる

広げることの出来たこの世界を
止まることなく歩み進めてきたこの足を

いとも簡単に
こんな単純なことで
留まらせてしまう

自分の世界を塗りつぶし変えられてしまう
そんなことが

訪れるなんて思ってもいなかった

何も出来ない苦しみと
どうしようもない哀しみは

月日が経った今でも
自分の中で切り離せないでいる

忘れることが怖いと思う自分が
こんなにも弱いということと
無意識に執着をしているのではないかという
可能性と

それなのに
唯一の光を求め続けてしまう

それ程に強い存在に出逢ってしまったからだろう

求めれば求めるほどに
自分を追い込んでしまう

時折り襲う涙は
時間も場所も選んでくれない

自分自身の潜在意識によるものなのか
若しくは
あの人からのものなのか

流れ込んできたものであるのなら
どれだけ嬉しいものだろうか

そうであれば良いと
日々日々感じながら
想いに抗うことができずに
今日も微睡に馳せる