何かが思わしくない。
こんな時は活字に頼り、気味が悪くなるくらいに眺めてこの酔いを覚ましていくしかない。
そんな方法しか知らないんじゃ、僕は明日もだめなんだろうなぁ。
マスクが合わないと思い始めてから、どうも皮膚が自分のじゃないみたいで落ち着かない。
変えても変えても、変わりやしねぇ。
体の内、気持ちの内、腹ん中から全部が許せない気がしてトイレに籠ってる。
多分僕はこんな風に狭い空間でしか他人を、物事を、環境を、把握出来ないし許したり受け入れたりできねぇんだ、ああ頭痛がする腹痛がする目眩が、する。…………
疲弊する優等生。
何も構えることは無いのに机にかじりついて、ありゃなんのパフォーマンスだ?
面白くもない、笑えない、大してちやほやもされない、そんな思いあと何回すれば?
……さっきからずっと良い香りがしてる。
桃のような甘い匂い、ばあちゃんが線香をあげている時の物憂げな服に染み付いた匂い、服を貸さなきゃ良かった、他人の香りにまかれて吐きそうになってた。
遠い距離を巻き返すには、ずっとずっと、心配してなきゃならないですか。
こんな状況、言い訳は思いついても説明なんかできやしない。ああ、そう、本当に疲れたな。
分かってもらいたいのに、僕が順序立たないんだからどうしても美しくない、その先も眠い、気怠い。
永遠に一人でテニスコート。
ラケットの裏表を繰り返しボールに当てるけど、その意味を打ち返すことがない。
てんてん、てんてんと、僕はただあちこちをうろついてる。
こんな状況、何も説明がつかないな。