ミッドナイトスワン

「ミッドナイトスワン」を観てから2週間。
自分の気持ちをうまく表現する言葉が見つからず、

未だに剛くん(役者のときは「つよぽん」と呼べない)に感想を伝えられずにいます。

慎吾くんはじめ漏れ聞こえてくる皆さんの感想に、
初見で映像で凪沙さんを受け止めきれるか不安だったので、
映画の前に小説版を読みました。

読み終わったあとは号泣。
トランスジェンダーとして生きる凪沙さんの人生が壮絶過ぎて。
一果ちゃん、りんちゃん、早織さん、瑞貴さん、実花さん、
状況は違えど自分と重なる感情もあり、

それぞれの苦しみが痛いほどに伝わってきた。

トランスジェンダーの方に対してもどう接したらいいのだろうと思った。
何気ない一言だったり良かれと思った気遣いが、
知らず知らずのうちに傷つけしまう（傷つけていた）のかもしれないと、

少し怖くなってしまった。

映像ではさらに胸に迫るものを感じるのだろうかと、
相当な覚悟で映画に臨みました。

確かに切なくて悲しくて苦しかった。
でもそれ以上に、優しくて美しい映画だった。

そう感じたのは、
凪沙さんの表情が慈愛にあふれ、
一果ちゃんのバレエがとても美しかったからだろうか。

苦しみが深い分優しさや美しさが際立って見えたのかもしれないし、
わずかな光が尊くてすがりたい気持ちにもなったからかもしれない。
この感情は「凪待ち」と同じかな。

それに、「トランスジェンダーの凪沙」ではなく、
「凪沙」という「ある一人」の人生として観ることができたんだよね。
「凪沙は特別な人間ではない」と言って演じた剛くんの思いが、
そのまま凪沙さんに表れていたのかなって。

ただ、トランスジェンダーの方のなかには、
映画の中の凪沙さんの描き方に疑問をもったり、
心を痛めたりされた方もいらっしゃるとのこと。

理解したとか共感できるとか、

そう簡単に言ってはいけないことのように思うけど、

いろいろな思いを伝えあって、

剛くんの言うように、

ジェンダーに限らず、
互いを認め合い優しくできる社会になったらいいなと思いました。

好きなシーンは、私も慎吾くんと同じだなぁ。
ハニージンジャーソテーからバレエの練習シーンへの流れ。

素直に憎まれ口をたたけるようになったところとか、
おじいさまに声をかけられて、
凪沙さんが守るようにすっとそばに寄っていくところとか、

二人の距離の縮まりを感じるし、
凪沙さんがとても幸せそうで。

凪沙さんには生きていてほしかったな。
そうなると、ラストの砂浜での美しいシーンは生まれなかったのかな。
でもやっぱり生きていてほしかった。
一果という光を浴びながら、さらに強く生きる凪沙さんを見たかった。

だから、原色図鑑の凪沙さんをみるとグッときちゃうね。
私はブルーのワンピース姿が好き。
「こんな柔らかいファッションも似合うんだよ」と凪沙さんに言ってあげたい。

ほかにもそれぞれの登場人物たちに思うところはあるんだけど…。
Twitterをみていると、
何に心揺さぶられたのか短い言葉で表現できている方が多くて、
すごいなぁと思う。
慎吾くんもだよ。

慎吾くんは2回目は観に行けたかな。
ぼやぼやしていたら、
今度は吾郎ちゃんの「ばるぼら」が公開しちゃうよ～。