私の元旦那はとんでもないナルシストで自信家、そしてドカスである。
(以下、旦那はカス)
職場で新規の事業が立ち上がり非常に忙しい時期があり正社員及び派遣を一気に7、8人を入れた時期があった。
その時にカスは正社員として入社してきたのである。
私はカスの存在に気づいておらず、知ったのは入社から2ヶ月くらい経った歓迎会及び親睦会のクジ引きで偶然向かい合わせになったときだった。
また新しい人が入ってきたと思った私はカスに初めまして。と挨拶をしたら、えっ!?と驚いた顔をされた。
横にいた上司が笑いながら
おいおい、カスは正社員で一番最初に入ってきてるだろ、もう2ヶ月前からおるぞ。
大丈夫かぁ?
と、笑っていた。
同じ部署ではあるがカスとは仕事をする場所が離れていたし、入ってすぐに辞めてく人がいるため人の入れ替わりが激しかった為、まったく気付いていなかった。
朝礼の時、毎日いましたよ。
気づきませんでした?
カスの質問には笑って返したのみ。
本当に知らなかった。
クジの席は最初だけで酒が入ると皆、自分の好きな場所に行って飲み始める。
私はとくに移動はせず、来る人と喋る程度だったがそこにカスもいて、歓迎会の間はずっとカスと一緒だった。
その日の歓迎会が終わり、すでに二次会にいくメンバーも集まっていたが私は帰宅することに。
カスも二次会には行かないといい、上司が私にカスを送っていってあげたら?と余計なことを言った。
カスと私の家は同じ地区にあり、カスの家は私の家から車で5分くらいのマンションだった。
カスも否定することなく、乗せていくことになった。
帰りにコンビニに寄ってもらえないかと言われ、寄った。
カスは私に飲み物とお菓子を買ってきてくれた。
マンションまで送り、カスが車を降りるときに
月さん、今日はありがとう。
楽しかったです。
そう言いながら手を出してきた。
私はビックリしたがそのまま手を出すと握手をされ、カスは車から降りた。
カスの第一印象は『礼儀正しい優しそうな人』だった。
カスは優しかった。
本当に凄く優しい人だった。