赤い椅子。 | 苦SMILE!

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北の大地で編集者として働く、主婦の日常を綴っています。
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百万馬力! 今日も楽しく笑って暮らしてまーす♪

 

先月、25年間一緒に暮らしてきた椅子を捨てた。

 

昔、好きだった人が誕生日プレゼントに

贈ってくれたこの椅子とは、

人生の半分以上を一緒に過ごしてきたことになる。

 

二人で暮らした部屋にも、

東京で一人暮らしをした部屋にも、

結婚してツレと暮らした部屋にも

ずーっといた、赤い椅子。

 

 

当時夢中になって観ていたドラマには

いつも主人公を包んでくれる

一人掛けの椅子があって、

そこで考え事をしたり、

お酒を飲みながら愚痴をこぼしたり、

読書をしたり……そんな女優の姿にモーレツに憧れて

ねだった記憶があるが、それも定かではない。

 

一人で座るには贅沢なほど

ゆったりしたサイズだった。

 

若かった頃は、この椅子に身を委ねて

いろんな時間を過ごしたっけ。

リクライニングができたから、

仕事で疲れ果てて帰ってきて、

そのままブランケットに包まって

眠ってしまった……

なんてことも一度や二度の話ではない。

 

ここ数年は、

もっぱら犬たちの寝床と化して

のんびりな「余生」だった。

 

 

そんなこんなで、所々、カビてしまったり

スポンジ部分が劣化したり。。。

そりゃ25年も経てば、いろいろガタも出てくる。

そろそろ寿命かな……と思ってから、

すでに5-6年。

 

時々、カバーを洗って日光浴をさせたり、

メンテナンスしながら付き合ってきたけれど

この度、ついにサヨナラをすることにした。

 

葛藤がなかった、と言ったら嘘になる。

いや、むしろ葛藤しかない。

日々の暮らしの中で、それほど愛着を持って

大切にしていたわけでもないけれど、

思い出と一緒に、ずーっと一緒に生きてきた存在。

が、思い出という荷物も

少し重くなってきた。

 

とはいえ、自分ではどうしても

捨てることができず、

出張中、ツレに粗大ゴミの回収を

依頼してもらって、ようやく。。。

 

出張から戻ると、椅子がいた場所は

ガランとしていて、妙に寂しかった。

一方で、少しスッキリした気持ちにもなった。

 

今さらだけど、止まっていた時計の針が

進み出したと感じる、今日この頃。

 

どんどん身軽になって、

また素敵なモノ・コトに出合うのだ!!

そこらへんの貪欲さはまだまだ変わらず、である。