しゃべれども しゃべれども（２００７年、アスミックエース）
監督：平山秀幸 原作：佐藤多佳子
出演：国分太一、香里奈、森永悠希、松重豊、八千草薫、他
思うように腕が上がらず、壁にぶち当たって悩む二つ目の落語家・今昔亭三つ葉。
そんな彼の教室に、無愛想で口下手な美女・十河五月、
大阪から引っ越してきたものの、勝ち気なためにクラスに馴染めない小学生・村林優、
毒舌でいかつい面相の元野球選手・湯河原太一が通い始める。
1997年度“「本の雑誌」ベスト10”の第1位に輝いた佐藤多佳子の長編小説を映画化。
情緒あふれる東京の下町を舞台に、1人の落語家のもとに集った口下手な美女、
同級生に馴染めない関西弁の少年、毒舌の元野球選手らの人間模様が描かれる。
監督は『愛を乞うひと』で日本アカデミー賞を受賞した平山秀幸。
主人公の落語家をTOKIOの国分太一が演じる。
温かい涙がこぼれるハートウォーミングでさわやかなストーリーが堪能できる。
（Yahoo!ムービーより引用）
シネマカフェのブロガー限定試写会に参加。
いつも”オーラの泉”に出ている国分さんが、どんな落語家を演じるのか、
楽しみにしながら、ユナイテッド・シネマズ豊洲にて鑑賞。
原作は未読である。
下町の情緒と、日本文化でもある古典落語を上手く現代に絡ませたとても心地よい作品だった。
全編を通して国分さんの着ている着流し（着物）姿は非常に板についているし、
普段の弱気なキャラクターとは打って変わった様な、凛とした落語家さんを
非常に自然に演じていて、正直驚いてしまった。とにかく国分さんのお芝居がとても良かった。
私も以前、一度だけ落語を聞きに行った事がある。
演目はなんだったのか覚えていないのだけれど、
とても楽しかった。何というか、あの咄家さんの表情や仕草を見ているだけでも、とても心地良かった。
この物語に登場する、国分さん演じる”三つ葉”も最初の方の喋りは師匠の模写に近かったものの、
自分の喋りを掴んだ「火焔太鼓」はとても面白かった。
そして、この三つ葉に喋り方を習うために集まった三人の生徒もまた個性豊かで楽しめた。
みんな”しゃべる”事の大切さ、”人を楽しませる”為の努力、”自分の歩く道”の選択。
それぞれが、この教室に通う事によって、自分のしたい事、するべき事を見つけていく。
そんな生徒たちをみて、三つ葉自身も”大切な事”が何かと言う事を見つけ出すのだ。
人には向き不向きがあって、何でも簡単に出来る人はそういない。
それを練習して出来るようになる事も大事だけど、
その過程でひょんな事から自分の方向性を見つける事もあるのだ。
ただ”真剣に、一生懸命”頑張っていれば、自ずと答えは出てくるものなのかもしれない。
色んな意味で、自分のプレッシャーやプライドを壊してくれるのは、
周りにいる”誰か”なのだと言う事。だから人は一人で生きてるわけじゃないと思うのだ。
この映画をあえて言うのなら”粋な映画”とでも言っておこう。
落語に興味の無い方でも、きっと楽しんで頂けるのではないかと思う。
もちろん、興味がある方にでも是非オススメの作品。
こちらは５月２６日（土）より全国ロードショー。ご覧あれ！
ユナイテッド・シネマズ豊洲には、国分さんのサイン入りポスターが
飾ってあった！
- しゃべれどもしゃべれども/佐藤 多佳子
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