衆生また何の苦しみあればか、


自ら棄ててせざらんや。


ああ夢幻にして真にあらず。


寿夭にして保ちがたし。


呼吸の頃に、すなわちこれ来生なり。


一ひとたび人身を失いつれば、万劫にも復せず。


この時悟らずは、


仏もし衆生をいかがしたまわん。


願わくは深く無常を念じて、


いたずらに後悔を胎すことなかれと。



(教行信証 行巻)