昨年末から今年は、波瀾万丈でございました。

 

発達障害に造詣の深い友人には、「よく、やった!」と褒められるほど、いろいろでしたわ。

 

まず、去年の秋頃には「近い将来6、7百万、もしくは千万単位でお金が必要かも」という事態に(^_^;

 

私が借金をしたのではなく、田舎の介護問題のあおりだったんですけどね。

 

「知らんわ!」と放り出そうと思ったのですが、ふと「これって、私自身のためになるチャンスかも」と思い直しまして。

 

これまでの人生を振り返りますと、本当にお金に縁の無いこと(;。;)

 

ほぼ自力で勉学に励んできましたから、いつも「もっとお金があれば、働かずに思いっきり好きな研究に打ち込めるのに」と悩んできましたし、たまに宝くじを買ったのも学費と働かずに好きな勉強ができる生活を手に入れたかったから。

 

イギリスでディスレクシアとわかり、私の研究内容はヨーロッパ系言語が欠かせなかったため、働きながら障害をカバーするほど学ぶことは不可能で、長年の努力をすべて放棄することに。

 

その後もすったもんだがありましたが、現在はつましく生きて幸せを噛みしめておりまし

た(*´∀`*)

 

そこで昨年のもめ事となりまして、考えたんですよ。

 

「残りの人生、お金の苦労をしないで生きてみたいわ」

 

この不況下、50才半ばのおばちゃんがそうそう稼ぐのは難しいですが、それでも「ダメもとでしてみようかな」と。

 

介護経済問題を契機に、そっちもさることながら自分の経済性アップを目指してみようと思い、これまでの人生では一度もなかった「とにかく稼ぐ」という目標を設定したのでした。

 

そこで昨年12月に真剣に考えたのが、「どうやって稼ぐのか?」です。

 

私の手持ちカードにあるのは、小説とお菓子のレシピくらい。

 

小説はよほどの売れっ子さんじゃないかぎり、プロの小説家さんでも苦労している時代。

 

こっちは気が向いたら電子書籍にしようということで却下しました。

 

すると、グルテン・カゼイン・エッグフリーのケーキレシピか?

 

はっきり言って、こちらもビジネスにならないと判断しました。

 

理由は簡単。

 

今のケーキ作りのトレンドは、「簡単で誰にでもすぐ作れる」です。

 

私のレシピは、実際にあまりケーキを作ったことがない人にレシピを渡して作ってもらったのですが、簡単な作業ではあっても、加減が難しいんです。

 

混ぜすぎれば外郎(ういろう)に、混ぜ方が足りなければボロボロに。

 

目の前で「ここまで混ぜたら、はい終わり」と見せればわかってくれるのですが、そうでないと難しい。

 

しかも写真に撮ってみても、微妙な差が写らない(^_^;

 

我が家の採光と私の技術ではダメでした。

 

ちなみにブログで出したレシピは、比較的失敗が少ないもの。

 

本当はお勧めしたい、ブラウニーやマドレーヌやフィナンシェなどは、この混ぜ加減を視覚的に見せられないため、出すのを躊躇しております。

 

話がそれましたが、とにかく私の作り方は作る人の技量で差が出ます。

 

そして物によっては手間もかかれば、材料も特殊。

 

「これを揃えて作ってね」と言っても、はたして何人ができるのだろう?というもの。

 

うーむ。

 

次に思いついたのが、現物の通信販売と自然食品店への卸し。

 

ホームページを開き、ネットで注文を受けて冷凍便で送ったり、自然食品店と交渉しておいてもらったりする方法。

 

実は、今は体調が悪くてしていませんが、数人の友人知人から材料費と送料をいただいて、お総菜パンやケーキを作って冷凍便であちこちへ送っているのです。

 

この人達、全員「アレルギーなし」。

 

以前、好奇心から友人知人親戚を巻き込み、のべ50人以上の「アレルギー無し、普通に小麦のパンもケーキも大好き」な方々に私のケーキの味見をお願いしまして、人によって好き嫌いは分かれたものの、「おいしくない」という評価はなかったんです。

 

お世辞も入っていたかもしれませんが、少なくとも直接顔をあわせていませんし、どちらかというとはっきりおっしゃる方々だったとか。

 

最初は食べる側も、「え~、身体にはいいかもしれないけれど、まずいんでしょ」という気持ちで食べたらしいのですが、「いや、おいしいわ。変な言い方だけど、『自然食のわりにおいしい』んじゃなくて、普通においしい」とのこと。

 

実際、そこで数人から個人的に売ってほしいという希望が出たのですが、その時は商いにするつもりはなかったので、お断りしましたが。

 

ネットで売っている方もおいでですし、自然食品店は自家製造もありますが、多くは業者からの仕入れだということは調査済みでしたから、してみようかなと思ったのですが、そこで壁が!

 

保健所です(^_^;

 

食品衛生法が立ちはだかりまして、資格はすぐに取れるのですが、問題は作る「作業場」の規定が厳しく、とうてい我が家じゃ無理。

 

「そんなの無視」して売っておいでの方もいますが、私はきちんとビジネスとして続けたかったので、役所とは喧嘩したくない。

 

で、こちらもボツ。

 

ただし、レシピを売るよりは現物を売った方が絶対良いということはわかっておりました。

 

レシピを手にするのは、「グルテン・アレルギー」「グルテンフリー・ダイエット」の関係者の方々。

 

それ以外の人は、おいしいパンもケーキもどっさりありますし、簡単なケーキ本もたくさんありますから、わざわざ特殊なケーキを作ってまで食べようとは思いませんしね。

 

私だって、アレルギーがなければ、市販のおいしいケーキやパンを食べ、伝統的なウィーン菓子やフランス菓子、英国菓子を作って味わっていましたわよ(`ヘ´)

 

ただ、実際にできあがったものが売られている場合は、少し違います。

 

もちろんアレルギー持ちさん、グルテンフリー・ダイエット中の方々もおいででしょうが、「アレルギーはないけれど、胴回りがちょっと」「血圧が高くて」「カロリーが」というお人も手にとってくれる可能性が高いです。

 

一度食べて気に入ってもらえればリピーターになってくれるでしょうし、嫌いなら小麦に戻るでしょうし。

 

特に私のケーキは子供向きじゃないので、一番大きなマーケットである「アレルギーの子供」に合う物はとても少なく、大人向き。

 

そうなるとアレルギー持ちの大人やグルテンフリー・ダイエッターだけではビジネスとして成り立ちませんから、一般の人もターゲットにする必要がありました。

 

アレルギー無しの方々に食べていただき、かなり良い反応をもらったこともあり、現物を売ればかなり広い「健康に気をつけたいし、おいしいものは食べたいし」という大人たちを顧客にできるのではと。

 

ところが法律の壁で、自宅で作って売れない。

 

レシピを企業に売るということも考えましたが、実績が無ければ難しい。

 

さらに実際に30社以上の企業に打診してみましたが、好反応のところでも「どうしても顧客が少ないので、ラインで製品を作っても売れ残る恐れがあるから」ボツ。

 

そこで思いついたのが、チェーン店ではなく、地元に密着した手作りケーキやパンを出しているカフェや喫茶店で、週に一日ないし二日、出かけていってそこのキッチンで作らせてもらってお店に置いてもらうこと。

 

材料費は当然私の持ち込みで、売れればオーナーさんに最初に決めた比率で売り上げが入り、さらにその日はケーキを作ってお店に出した後、私がヘルパーとして無料でお店を手伝うという条件で交渉してみようかと。

 

資格がなくても、すでに保健所の許可を取ったお店でスタッフとして作るならば全く問題ありませんし、直接食べなければ私もどんな材料を使っても平気。

 

それにカフェや喫茶店で出すメニューなら、たいていのものは作れますから。

 

調理の他にも、接客、掃除、買い出しなど何でもOK。

 

週に一日二日程度なら、何とかいけそう。

 

私の住む地域だけでも10軒以上のお店がありますし、東京都内から周辺県まで移動できる範囲内を調べると、ざっと100軒を超えます。

 

詳しく調べればまだあるでしょうし、100軒以上のお店を当たれば1つくらいは興味を持つお店があるかもしれず、その時にはすでに近所で3軒ほど最初の交渉先を決めていました。

 

さらに従姉の試食してくれた自営業者仲間に試食会として、何度か食べてもらうことも計画しました。

 

残念ながら食物関係者はいませんが、オーガニック関連の業者さんがほとんどのため、業者仲間での口コミを広める計画。

 

幸い、皆さん食べて好印象だったため、乗ってくれそうな目星もついておりました。

 

ただし、口約束ではお互いに困ることもありますから、その下準備も。

 

そのために、まず開業届を出して自営業者となり、ゆうちょと都市銀行で事業用の口座を作りました。

 

今は個人名以外での口座を作るのがとても難しいのですが、これがスイスイと開設。

 

ゆうちょはともかく、都市銀行でよく作れたねと、長年自営業をしている従姉と友人が驚いていました(^_^;

 

不思議ですが、なぜかトントンとうまくゆき、置いてくれそうな傾向のあるお店のリストアップ、試食会の計画などなど、年明け早々本当になめらかに動いたんですよ。

 

そして商標登録も考えて、本を片手に書類作成の準備を開始。

 

専門家に頼むとお金がかかりますから、書類作成で何度か失敗するのを覚悟して自力で勉強(^_^;

 

最悪、どれも芽が出なかったとしても、私の損失は、最初にアポイントメントをとるための電話代、移動した近郊の交通費と試供品の材料代、商標登録の審査代です。

 

商標登録の申請をして審査を依頼するときに二万円弱支払いましたが、これが最大の出費。

 

ちなみに一年後に「通りましたよ」と連絡が来たら、正式にお金を払って登録することになります。

 

もちろん、まだ来ていませんが。

 

はい、すべてが順調で、「さあ、これからだ!」というところで、私が倒れました。

 

思いもかけない五十肩、変形性股関節症の悪化、更年期障害のぶり返し、おまけに突発性難聴と、「どうして?」と叫びたくなるようなことばかり。

 

ちなみにケーキレシピをオンデマンド本で出す予定でしたが、こちらは全くビジネス計画にはなく、「お裾分け」。

 

アレルギー持ちの大人に参考になればという気持ちと、興味を持った人がいればお味見のつもりで分ける感覚でしたから、印刷代の赤字が出なければいいわという気持ちでした。

 

まあ、そんなこんなで「ここまでうまくいったのに!」という最中で、肝心の私が動けず。

 

しかも、介護問題で必要になるはずだった大金が、あっというまに問題が解決し必要なくなりました。

 

これもちょっと込み入った話なのですが、もし小説に出てきたら「そんなの小説だからでしょ。現実は甘くないわ」と言いたくなりそうな事実。

 

ある意味、私が開き直って動いたのがきっかけだったのですが、あっという間に春が過ぎる頃には「あの心配は何だったわけ?」と問題解決。

 

それでも、せっかく準備して順調なのだから、ビジネス計画をするだけしてみたいとジタバタしたものの、整形外科、婦人科、耳鼻科、揃って「ストレスをためないこと。身体を休めて、決して無理はしないこと」とガンガン釘を刺されることに。

 

夏の終わりにはとりあえず諦めまして、「来年、落ち着いたら動いてみよう」と決め、ちょうど諸々の事情でwindowsに乗り換えたこともあり、「お裾分け」のつもりでレシピと小説を出すことにしました。

 

これなら体調によって少しずつ出せましたから。

 

秋には金銭問題とは別の事情で、田舎と往復する必要が出てきて、ブログを閉じることも考えたのですが、そちらも何とかおさまりました。

 

そしてなぜかトントンと電子書籍を出し続け、手持ちの原稿はすべてAmazonへ。

 

11月に入って、久しぶりに自営業経験者の友人と電話で話した際に「もし起業してはダメなら、こううまく準備は進まなかったと思うから、この起業は波に乗っていたはずなのに、なぜこうなったのかしら? しかも動機になった金銭問題はあっさり片づいたし。来年やれってことかしらね?」と話しました。

 

その時に友人が「岐路はいつも1つじゃないし、その時にはしても良いことの1つだったから、うまくいったんだよ。でも流れが変わって、あえてする必要もない方向へ向かったんだから、その選択肢が好きならすればいいし、気が進まないなら無理する必要ないと思うよ。それにやめたとしても、してみてわかったこともあるんじゃない」と。

 

そうなんですよね、してみて初めてわかったことも多いです。

 

青色申告のメリット・デメリット、今の個人での仕事形態では開業のメリットはないということなど、これらは実際にしてみないとわかりませんでしたしね。

 

そう考えると、「これは今は必要ない。もし将来必要となれば、開業届はどう出して、銀行で事業用口座を開くにはこれが必要」ということをしっかり学習できたんですよ。

 

商標登録の仕方もわかりましたしね。

 

はるばる特許庁まで行ってきましたが、商標登録は放棄するつもりです。

 

そこで身辺整理のために、廃業届を出し、銀行の事業用口座を閉じ、金銭の流れもシンプル化しました。

 

不要なものはさっさと片付け、身軽にするのが一番ですから。

 

これって室内や物だけではなく、すべてに言えることですもの(*´∀`*)

 

こうしてすっかり白紙どころかさらにシンプルになりましたが、結果としては田舎の金銭問題がなくなり、しかも振り返れば今年一年本当に面白い経験をしてきたことに気づきました。

 

大変な年でしたが、今にして思えばおもしろい1年です。

 

それにしても「もうけよう」と柄にもないことを考え実行し、「やっぱり私には向いていないわ」とわかった忙しくもおもしろかった年でございます(*´∀`*)

 

来年の抱負は、「のんびりいこう」です。

 

今年があまりにも劇的でしたので、来年はゆっくりするつもり。

 

仕事の方で進展があればそれも良しですが、新たにビジネスを始めようとは思いません。

 

今年出した小説の続編も書いて書籍化してしまいたいですし、購入したケーキ本のレシピも試したいです。

 

そうそう、来年は「生きているうちには見られないだろう」と思っていた絵画が日本に来るので、楽しみにしています。

 

絶対見に行きたいわ。

 

来年は、ゆったり、楽しく過ごすのが目標です。

 

ただし物事はどう動くかわかりませんから、その時にはその時で(*´∀`*)

 

暮らしや食べ物についても整理できましたから、そのお話は次回に。

 

 


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