HELP ! 四人はアイドル(1965) | つぶやキネマ

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大好きな「映画」について「Twitter」風に
140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


HELP ! 四人はアイドル(1965)


 東洋の某国にあるカルト教団カイリの寺院では生贄
の儀式が行われようとしていた。クラン導師(レオ・マ
ッカーン)が赤く塗られた生贄の娘にナイフを突き立て
ようとした時、生贄が儀式に必要な指輪をはめていな
い事に王女アーメ(エレノア・ブロン)が気がつき儀式
は中止になる。イギリスの超人気グループ"ザ・ビート
ルズ"のメンバーのリンゴ(リンゴ・スター)が生贄の指
輪をはめている事を知ったクラン導師は、アーメと側
近のブータ(ジョン・ブルーサル)や信者たちと共にイ
ギリスへ渡る。"ザ・ビートルズ"のメンバーは閑静な
住宅街で暮らしていたが、リンゴの身辺で奇怪な事件
が続出、録音スダジオでリンゴが襲われた事で彼が謎
の集団に狙われている事が解り、インド料理店で ポー
ル(ポール・マッカートニー)は裏で秘かにクラン導師の
妨害をしていたアーメから生贄と指輪の話を聞かされる。
リンゴの指輪は指から抜けなくなっていて、メンバーは
何とかして指輪を外させようと科学者フート(ヴィクタ
ー・スピネッティ)を訪ねるが、フートは指輪の石の秘
めた力に興味を持ち指輪を奪おうとして、再び現われた
アーメに救われる。自宅に戻ったメンバーは、アーメか
ら生贄について詳しい説明を受け、細胞を収縮させる薬
を使って指輪を抜こうとするが、クラン導師の一味の襲
撃にあい、間違って薬を注射されたポールは数センチの
大きさに縮んでしまう。リンゴはジョン(ジョン・レノ
ン)とジョージ(ジョージ・ハリスン)と協力して、格闘の
末にクラン導師一味の襲撃を退けるが、そこへフートが
助手のアルジャーノン(ロイ・キニア)と共に現れ、リン
ゴの指輪の争奪戦に加わってしまう...というお話。ビー
トルズ映画の第2作で、前作「ビートルズがやって来る/
ヤァ!ヤァ!ヤァ!(1963)」
の世界的ヒットで製作費が
倍増したようだが、全体的には巨額の製作費をどう使っ
たら良いのか持て余しているような印象の作品になって
しまった。ブレイク・エドワーズ監督の「ペティコート
作戦(1959)」「ピンクの豹(1963)」「暗闇でドッキリ(19
64)」等のヒットしたアメリカのコメディ映画を、イギリ
ス流のユーモアやギャグで再構築したような感じに仕上
がっているが、インド料理店あたりまでは比較的上手く
行っていたものの、その後は思い付きを羅列したショー
ト・コントの連続のようなストーリーになってしまい終
盤までダラダラした展開が続いてしまうのが残念。随所
に彼らの曲や演奏シーンが挿入され、基本的には前作で
ビートルズを追いかけていた熱狂的なファンの少女たち
を、カルト教団とマッド・サイエンティストに置き換え
ただけで、奇抜なストーリーを付加したために前作には
あった新鮮な雰囲気が失われてしまっている。曲のバッ
クの映像や演奏シーンは前作同様にプロモーション・フ
ィルムとしてよく出来ているのだが、メインのストーリ
ー部分は演出や撮影、編集等に切れ味が感じられず、ド
キュメンタリー・タッチの前作では問題なかったが、演
技の出来ないメンバーたちにコメディを演じさせた事で、
逆に個性を殺してしまう結果になっている...リンゴは演
技も存在感もナカナカ良かったんだけどね。クラン導師
が車でメンバーを追跡しようとする場面の音楽が「ジェ
ームズ・ボンドのテーマ」みたいで笑ってしまう...音楽
担当のジョージ・マーティンはポールが主題歌を歌った
「007/死ぬのは奴らだ(1973)」の音楽を手がける事にな
ります。


●スタッフ
監督:リチャード・レスター
製作:ウォルター・シェンソン
原案・脚本:マルク・ベーム
脚本:チャールズ・ウッド
撮影:デヴィッド・ワトキン
音楽:ジョージ・マーティン、ケン・ソーン


●キャスト
ザ・ビートルズ(ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、
ジョージ・ハリソン、リンゴ・スター)、レオ・マッカーン、
エレノア・ブロン、 ヴィクター・スピネッティ、
ロイ・キニア、ジョン・ブルーサル、
ウォーレン・ミッチェル、パトリック・カーギル、
ピーター・コプリー、アルフィー・バス、
ブルース・レイシー、グレッチェン・フランクリン、
ダンディ・ニコルズ


◎注1; ヒロインのアーメを演じたエレノア・ブロンは
本作が劇場映画デビュー作で、本作後は「アルフィー
(1966)」「いつも2人で(1967)」等で活躍、本作では
登場場面は多いのだが、冒頭の儀式の場面以外はあま
り魅力的に撮られていのが残念であります。前作と一
緒に名画座で観た時やTV放映、ビデオ等で観た時は解
らなかったが、DVDの時代になって画質が向上した事
で変な事に気がついてしまった。本作でアップになっ
た時に鼻の下の"髭"が濃い事がはっきり解ってしまう
のだ...顔立ちが"男顔"なので一瞬"ゲイ"かと思ってしま
った。ビートルズの名曲「エリナー・リグビー(Elean
or Rigby)」のエリナー(エレノア)は彼女の名前Elean
or Bronからとったモノだそうです。個人的にはクラン
導師を演じたレオ・マッカーンとスコットランド・ヤ
ードの警視正を演じたパトリック・カーギルの共演が
嬉しい...ふたりは後にパトリック・マッグーハン製作
総指揮・監督・脚本・主演のTVシリーズ「プリズナー
No.6(1967)」
で共に"No.2"を演じています。元プラモ
少年としては、「アイ・ニード・ユー」「ザ・ナイト
・ビフォア」の演奏シーンに登場するイギリス陸軍の
センチュリオン戦車が嬉しい...第二次大戦後の軍事車
両にはあまり興味がないのだが、走ってる姿にはつい
興奮してしまう。


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