ロード・オブ・ザ・リング(2001) | つぶやキネマ

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140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


ロード・オブ・ザ・リング(2001)


 J・R・R・トールキンの世界的ベストセラー・
ファンタジー「指輪物語」の実写映画化の話を聞いた時、
最初は期待よりも不安感の方が強かった。ラルフ・
バクシ監督のアニメーション版「指輪物語(1978)」は、
泣きたくなるような仕上がりで興行的にも大失敗、2部作
の予定だったようだが続編が作られないまま時は過ぎて
しまった。さらに、本格的な大作は初めてのピーター・
ジャクソンが製作・監督・脚本では、期待しろと言われ
ても無理である。しかしながら完成した作品は、堂々たる
風格とスピード感を持った立派なファンタジー大作に
なっていて、歓びと共に「疑ってゴメンね」な気分(注1)。
不満な点もいくつかあるとはいえ(注2)、これだけの完成度
なら拍手するしかないよね。エピソードごとに話が前後する
構成で、そのままでは映画化には向かない原作を、時間軸に
沿って再構成し回想シーンで補う形に脚色した手腕には脱帽
です。


●スタッフ
製作・監督・脚本:ピーター・ジャクソン
製作:バリー・M・オズボーン、ティム・サンダース
共同製作・脚本:フラン・ウォルシュ
製作総指揮:マーク・オーデスキー、ボブ・ワインスタイン、
ハーヴェイ・ワインスタイン、ソウル・ゼインツ、
マイケル・リン
原作:J・R・R・トールキン
脚本:フィリッパ・ボウエン
撮影:アンドリュー・レスニー
音楽:ハワード・ショア
主題歌:エンヤ


●キャスト
イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、イアン・ホルム、
ヴィゴ・モーテンセン、リヴ・タイラー、
オーランド・ブルーム、ジョン・リス=デイヴィス、
ショーン・ビーン、ショーン・アスティン、ビリー・ボイド、
ドミニク・モナハン、クリストファー・リー、
ヒューゴ・ウィーヴィング、ケイト・ブランシェット


◎注1; CGが過渡期だったというのもあるけど、撮影
はロケやセット、大きめに作られたミニチュアが中心
だった事が画面作りに良い効果を上げている。特に
ホビット庄(シャイア)のロケ地の景観やオープン・
セットは素晴らしく、作品世界を提示する要素として
は最高であります。俳優陣では、魔法使ガンダルフを
演じたイアン・マッケランが原作のイメージにぴったり
で、魔法使としての威厳やユーモアを巧みに演じわけて
いて素敵です。リヴ・タイラー、オーランド・ブルーム、
ヒューゴ・ウィーヴィング、ケイト・ブランシェットと、
ちょっと現実離れした雰囲気を持つ俳優ばかり揃えた
エルフ族のキャスティングには笑ってしまった。
◎注2; 原作を読んだ時の各キャラクターのイメージは
アニメーション版に近かったので、ホビット族を俳優が
普通に演じて小さい種族に観せるという手法は少し抵抗が
あった。ジョン・リス=デイヴィスが演じたドワーフ族
ギムリのように特殊メイクを使って、顔を原作のイメージ
に近づける方法もあったと思うが、観客が主人公たちに
感情移入しやすくするための選択だったのだろう...
アラゴルン(ヴィゴ・モーテンセン)もちょっと二枚目過ぎ
だし。そして、作品のトーンとしてリアルなビジュアルを
選択したため、オーク族、トロル、白の魔法使サルマン
(クリストファー・リー)が創造したウルク=ハイ等が
グロテスクで汚い点も原作から受けたイメージとは
かけ離れていて残念。個人的には、ジム・ヘンソンの
「ダーククリスタル(1982)」「ラビリンス/魔王の迷宮
(1986)」のようなイメージと手法での映画化作品が
観たかった。


◎蛇足: 本作は上映時間178分の劇場公開版に約40分追加
した「スペシャル・エクステンデッド・エディション」の
Blu-rayとDVDがあります。ストーリーを追うのには不要
なためにカットされたキャラクターの心理描写やちょっと
したエピソードを追加して再編集されていて、原作のファン
にはこちらがお勧めです...長尺作がさらにダラダラ長く
なって作品全体のバランスは壊れちゃってますが。


 

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ロード・オブ・ザ・リング
[オリジナル・サウンドトラック 輸入盤CD]


 

新版 指輪物語(1)/旅の仲間(上)[原作本]


 

新版 指輪物語(2)/旅の仲間(下)[原作本]


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「ぐら・こん」ホームページ
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