アマデウス ディレクターズ・カット(2002) | つぶやキネマ

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140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


アマデウス ディレクターズ・カット(2002)


 映画は、劇場での興行で収益を得るという事が付いて
回るので、映画に対してこだわりを持っている映画作家
たちは、芸術性と娯楽性との狭間でいつも揺れ動く事に
なる(注1)。モーツァルトの死をめぐる舞台劇の映画化
作品だが、芸術性も高く娯楽としても申し分ないという
傑作で、華麗な美術や衣装、流麗なカメラワークや
緻密な編集等、映画的なアプローチがなされていて、
元が舞台劇という事を忘れさせてくれる。11部門が
アカデミー賞候補になり8部門で受賞(注2)、サリエリ
役のF・マーレイ・エイブラハムは主演賞を受賞した
だけあって文句なく素晴らしいが、モーツァルト役の
トム・ハルスも熱演している。元々名曲ばかりな上に
音楽の使い方が本当に上手く、モーツァルト入門にも
最適な作品になっている。


●スタッフ
監督:ミロス・フォアマン
製作:ソウル・ゼインツ
製作総指揮:マイケル・ハウスマン、
ベルティル・オルソン
原作舞台劇:ピーター・シェイファー
脚本:ピーター・シェイファー
撮影:ミロスラフ・オンドリチェク
特殊メイクアップ:ディック・スミス
音楽監督:ネヴィル・マリナー


●キャスト
F・マーレイ・エイブラハム、トム・ハルス、
エリザベス・ベリッジ、ロイ・ドートリス、
ジェフリー・ジョーンズ


◎注1;劇場公開後に「監督はホントはこうしたかった
バージョン」という所謂"ディレクターズ・カット版"が
ブルーレイやDVDで発売される事が最近は当り前に
なってきた。熱心な映画ファンの好奇心をくすぐる事で
何度も儲けられるという美味しい商売で、どうせ
ディレクターズ・カット版がブルーレイやDVDで
出せるからと、劇場公開版は出資者や興行主の要請に
簡単に妥協してしまう監督も多い。本作は、劇場公開版
「アマデウス(1984)」の18年後に、20分の未公開シーンを
加えて再編集したバージョンで、現在はこちらが定番化
しているが、1984年版の方が全体の流れが自然で作品

としての完成度は高いと思う。撮影はされたのに1984年の
劇場公開版では出演場面がすべてカットされ、2002年版で
復活した俳優が沢山居るのも「何だかなぁ」という感じです。
◎注2;アカデミー賞の受賞は、作品・監督・脚本・主演

男優・美術・衣装・音響・メイクアップの各賞で、一番
嬉しかったのは特殊メイクの巨匠ディック・スミスが
メイクアップ部門で受賞した事だ(ポール・ラブランクと
共同)。彼のもっとも得意とするのは老化メイクで、
老人サリエリの特殊メイクは本当にみごと...老化メイクの
分野でディック・スミスを越えるアーティストは今後も
現れないだろう。




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