ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY -3ページ目
2012-04-17 01:50:28

■外事警察 その男に騙されるな

テーマ:映画

■外事警察 その男に騙されるな

●NHKのTVドラマとして放映された「外事警察」の映画化。といってもテレビの放映を見ていたわけではなく、広島NHK制作の「火の魚」をオンデマンドで見て初見だった主演女優の尾野真千子に見惚れたことで、さらに出演作を探して見ることになったのが「外事警察」だった。一気に見終わったが渡部篤郎のストイックな役柄と演じ方も納まりがよろしく、対抗する尾野真千子も好演だった。
で、映画を見終わって思うのだが、監督はまずTVドラマを見たファンを裏切らない映画を、ということを念頭に仕上げていったのではないか、と。

ということで、これは先にドラマを見ていた方がいいかも、と薦めておこう。
つまりTVドラマで描かれた外事警察のなんたるか、その中での駆け引き、主人公の立場、仕事の進め方、周囲の人間関係・・・といった背景があってこそ・・・。映画では外事警察の内部、その上層部との確執などは知っていて当たり前と役柄の背景、住本との関係など細かな部分は切り捨て、その先、震災後に発覚した事件を描いていく。



ま、見終わって、そういう思いを持たされたということでこの物語、TVドラマ時のファンに見せるにまずは成功作といえるのではないか。外事警察の在り方を描くには随分、端折っていてもだ。

主人公である警視庁公安部外事第3課(ドラマでは外事第4課)作業班長・住本健司の脇を固めるチーム内の尾野真千子演じる警視庁巡査長松沢もTVドラマの筋では住本と丁々発止の場面が多く用意されて、ここ映画に至るのだが、本作では脇に徹した。



代わりに、今回は行方不明になったウランを追う事件に関わる三人が用意された。
一人は捜査対象者の仲間の韓国人。一人はかつて日本から北朝鮮に渡った男。そうして一人は外事警察の協力者となっていく女。
本作の成功の鍵は、かつて北に翻弄され南に隠れ住んでいた年老いた学者に、田中泯が起用できたことか。彼がいることで主人公住本のクールさが成り立つ。
加えて韓国人俳優のキム・ガンウ、か。

外事警察の協力者として引きずり込まれていく奥田香織役を演じたのは真木よう子。
整った顔立ちで力演なのだろうが、渡部篤郎、田中泯、尾野真千子、韓国の俳優等の中ではやや浮いている感があった。
演出上にせよ、奥田香織役は出番が長過ぎではないか。多くを説明し過ぎてもたついた。も少し端折って欲しかった。くどい!んだ。子供は無言のままでいいだろうに。それでも最後の始末が住本の思惑で締められればOKなのか。。。ま、いっか。

整った顔立ちの女優は、よほど注意深く己の演技を立ち回らねば難しいものだと思う。力演でも哀れさが滲まない。
TVドラマ編で協力者になった石田ゆり子が見事に演じた印象が強すぎたかな。彼女は哀しい女だった。



さて、邦画とは縁遠くなっている者が見てもスクリーンに耐えうる物語を描き出してくれたのではと思えた映画版「外事警察」。
大きなスクリーンでのっけから震災、放射能汚染の爪あとの残るあの場所に向かう場面が用意されている。
短時間ではあるが、それは物語の発端としてマッチした。その場に立っていない自分は、TVサイズではなく映し出されたあの場所の光景にゾっとした。

北と南の攻防。対岸の火事ではすまない日本。その前線にいるもの達の凌ぎ合いは一見地味。
だがその地味さ加減がリアリティに繋がるのではないか。コソコソと事は進むのだ。銃声が響いても誰も聞えていない、そうやってスパイは消されていく。

ハリウッドのCIA物のエンターテイメントはここにはないことを覚えておいてくれ。
自分の気づかないまま、真横に銃を持った、ウランを持った見知らぬものが立っていて、ただ擦れ違っていたかもしれない。。。そういう危うさが下敷きだ。

さて、どうしても解せないのは、血糊。鮮血が紅色に見えるのは無知なのか。鮮血を浴びたことがないので理解できずに困った。ピンクっぽい紅色に見える鮮血に戸惑った。あんな色、ありなのか。我が無知なのか。。。それが未解決。
物語。。。それは見れば分かるよ。映画館で見てOKさ。梅林茂の音楽もいい。TV版を見ないままでも筋にはついていける。物語を追わせる力はある、と言っておこう。(2012年/製作国 日本/日本公開2012年6月2日)


▲Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。

●Directer:堀切園健太郎
●Screenwriter:古沢良太
●Cast: 渡部篤郎 キム・ガンウ 田中泯  真木よう子 尾野真千子 イム・ヒョンジュン 北見敏之 滝藤賢一 渋川清彦 山本浩司 豊嶋花  イ・ギョンヨン キム・ウンス パク・ウォンサン 遠藤憲一 余貴美子 石橋凌
2012-04-06 20:46:19

■ラブ・アゲイン

テーマ:映画

■CRAZY, STUPID, LOVE.(原題)

●人間の奥深いところを掘り下げずとも、こんなロマンティックなコメディがあると時にほっとするものだ。映画はいろいろあっていいのサ。
しかしながらコレ、DVDだ。映画館上映はほんの一部だった模様。嗚呼勿体ない、けど…どどっと入る物語ではない、のか。
スティーヴ・カレルのファンなので当然必見だったのだが見てみれば、あれまぁ~いいじゃないかい!
「フィリップ、君を愛してる!」の監督コンビによる本作だが、今回は前回よりぐっと心寄せられるものに仕上がったと見ている。




アメリカで描かれる家族の有り様も見ようによっては頭痛くなる「ジュノ」「キッズ・オールライト」(ジョニ・ミッチェルの件で苦笑したが、あらアップしてまへん)。それでも現実感ありありの物として認めてはいるのだが、突き刺す程に辛らつではない物語が出てくると安堵するのは年の性かいな。
行き違う、思い違う、ズレる夫婦の感覚は経験がないので実感を伴わないが、知らずとも想像できる範囲に収めた描き方に好感を持った。
傍から見れば、真剣なのにどっかおかしい。妙な行動をとる連中なのだが、そのおかしさが納得できる範囲で描かれている。過度ではない演出がクールなのか、役者が揃ったか。
この作品、久しぶりに極々一般的な普通(!)の家族持ちの中年男の姿を演じるスティーブ・カレルが活きたコメディであり、活かしたのはライアン・ゴズリングとジョナ・ボボ(「ラスト・マップ」「ザスーラ」から大きくなったなぁ)の孤独感、喪失感、思慕入り交ざりながらも、傷を補修しようとする希望の持てる役どころ。彼らが夫婦関係、恋愛関係、家族関係の亀裂、尖がった痛みを和らげて話をまとめていく。




兎に角、役者が揃いも揃った。挙げていくのもいいのだがきりがない。ジョシュ・グローバンには笑ったデスがね。
スティーヴ・カレル、贅沢なキャスティングに恵まれて良かった良かった!と喜んでおこう。ま、本人が製作にも名を連ねておりますし、演技面でもアイデア豊富だったと思うデスね。車の中で離婚を切り出されての反応、行動がgood!ね。
中年男にマジックテープの財布、ニューバランスのスニーカーはアウト。。。女性だとウエストゴムのスカートがアウトかいなぁ。(2011年/製作国アメリカ/アメリカ公開2011年7月29日/日本公開2011年11月19日)


▲Official site
アメリカのサイトでもTRAILERはご覧になれます。
※日本のサイトは不親切



●Directer:Glenn Ficarraグレン・フィカーラ John Requaジョン・レクア
●Screenwriter:Dan Fogelman ダン・フォーゲルマン
●Cast:Steve Carell スティーヴ・カレル Ryan Gosling ライアン・ゴズリング Julianne Moore ジュリアン・ムーア Emma Stone エマ・ストーン John Carroll ジョン・キャロル・リンチ Marisa Tomei マリサ・トメイ Kevin Bacon ケヴィン・ベーコン Jonah Bobo ジョナ・ボボ Analeigh Tipton アナリー・ティプトン Josh Groban ジョシュ・グローバン Joey King ジョーイ・キング Beth Littleford ベス・リトルフォード
2012-03-06 23:12:08

■アーティスト

テーマ:映画

THE ARTIST

●監督のセンス!で徹底した統一感、監督の目指すスタイルが貫かれた一作を楽しもう。
それはクレジットの活字、色調のトーンから・・・幕開けからわくわくする。
前作「OSS 117 私を愛したカフェオーレ」から随分と垢抜けて、脱力系スパイコメディのヒーローはえらくまあ~カッコヨロシク変貌した。何が功を奏したのかは存ぜぬが、結果、楽しい一作に仕上がったのであればOKか。
舞台を1927年のハリウッドに変え、モノクロ画面で分かりやすい構図と想像力を養えと字幕さえも最小限にとどめた本作を引っ張ったのは主人公を演じたジャン・デュジャルダンの魅力と音楽!か。



懐かしい楽曲をアレンジし、懐古調メロディを散りばめながらも古めかしくは感じられなかったのは映画館での音量にもよるかもしれない。
音楽を担当したのはルドヴィック・ブールス。譜面を書けなかったというルドヴィックがこうも流れるようにムードを盛り上げる楽曲を提供できたのは。。。やっぱり音楽を愛しているからか。好きなんだろうね~。ムード!時代を遡りながらも古臭くなく洒落た弾ける音符のマジックが遊ぶ、泳ぐ、漂いながら場面を流れていく。大切な好きな曲を使われた!と嘆く映画ファンもきっといるに違いない。。。が、軽いの、これは二番煎じを承知ですきやもんッ、と作っちゃったわけでしょ。

サイレント映画の大スターであるジョージ・ヴァレンティンの輝ける活躍場面から、彼が引き上げた女優の卵ペピーの新しき映画での飛躍。映画がサイレントからトーキーへの移行時の物語だ。主役ジョージ・ヴァレンティにジャン・デュジャルダン(ほら、奥さんは「リキー」のママ役だったネ)。その相方ぺピーには前作同様ベレニス・ベジョ。





大事な脇を固める俳優としてジョン・グッドマンとジェームズ・クロムウェルの登場でぐっと画面に格が備わり、面白く見せてくれる。モノクロに二人が似合う!、実に似合うのである。まんま、彼方からタイムスリップしてきたかのように見えるところがなんとも役者やな~と感じ入った次第。懐かしい映画のオマージュだったりするわけを紐解いてくれているのかな。
あ、犬のアギー、名演技を披露してくれた君はこの映画で引退だと知った。ステキだった、サンキュ!であります。

サイレント映画であれば、世界中で公開される場合にも僅かな自国字幕でOKなわけで配給における勝算もあったか。巧いな!あえて、あえて我侭を言わせて貰うとすれば、ぺピー役を演じたベレニス・ベジョはどっからどこまでも今の女優さんだった。。。
映画「アーティスト」は、普段より少しだけ洒落たランチを奮発してみたかな、という美味しさだった。(2011年/製作国フランス/公開2011年5月15日Cannes Film Festival/日本公開2012年4月6日)


▲Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。

●Directer:Michel Hazanavicius ミシェル・アザナヴィシウス
●Screenwriter:Michel Hazanavicius ミシェル・アザナヴィシウス
●Cast:Jean Dujardin ジャン・デュジャルダン Bérénice Bejo ベレニス・ベジョ John Goodman ジョン・グッドマン James Cromwell ジェームズ・クロムウェル Penelope Ann Miller ペネロープ・アン・ミラー Missi Pyle ミッシー・パイル Beth Grant ベス・グラント Ed Lauter エド・ローター

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