ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY -248ページ目

ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

映画 [新作・旧作・TRAILER] を中心に、ツボにはまり、ボヤキもチラホラの果てしない
日記になるか、カッカッしながらも、とほほの日記になるか・・・
ツボとボヤキで「ツボヤキ」日記。では参ります!


■Beyond the Sea / ビヨンド・ザ・シー ~夢見るように歌えば~

●待ちに待ったケビン・スペイシーが「ボビー・ダーリン」にスポットを当てた映画。タイトルはボビーのレパートリーだった曲名と同じ「Beyond the Sea」。

1936年、ニューヨーク生まれのボビー・ダーリンは歌手であり、俳優であり、そして数多くの楽器をこなす音楽家であり、多作の作曲家でもあるという豊かな才能の持ち主だった。1958年の「Splish Splash」(スプラッシュ、スプラッシュ)が最初のヒットとなり、ティーンのアイドルとして浮上。翌年リリースした「Mack the knife」(マック・ザ・ナイフ)は全米チャート6週連続トップ、200万枚の売り上げを記録し、その年の「レコード・ジ・イヤー」に選ばれ、数多くの歌手がカバーした名曲だ。60年、当時18歳のサンドラ・ディー(「避暑地の出来事」等)と結婚。息子が生まれるが、67年に離婚。60年代は12本の映画に出演。73年夏、TVシリーズ「ザ・ボビー・ダーリンショー」のホストをつとめるが、同年12月、持病の心臓病の手術中、血液等の異常によりL.Aの病院で死亡。彼は37歳の若さだった。ドーンのトニー・オーランドが歌って大ヒットした「幸せの黄色いハンカチ」は、ボビーに捧げられた曲だといわれているが、ケビン自身も映画「真夜中のサバナ」のサントラ盤で歌った「That Old Black Magic」(スウィングしてる)をボビーに捧げると語っていたはず。

実はこの映画は98年、さらに99年暮れと、映画化の話が浮上した際に既にケヴィンで撮るという話があったのだが、実現には至らなかった。それが今回、製作・監督・主演をケヴィン自身が受けて完成した。つまりケヴィンの思い入れが人一倍強い作品の登場なのだ。

映画は、短命だったボビーの伝記的なもので、彼を中心に1940年代から70年代までを描き、持病と闘う舞台裏の様子なども重ね、時代は行きつ戻りつの構成の模様か。ケヴィン自身が主題歌も含め、ボビーのヒット曲の数々を全て歌って踊る!。ああ~サントラはケヴィンの歌満載で巧い、巧い!必聴物。妻のサンドラ・ディー役はケイト・ボズワース、義兄役にボブ・ホプキンス、マネージャー役にジョン・グッドマン、母親役にブレンダ・ブレシン、サンドラの母親役にグレタ・スカッキという面子。余談だが、「スーパーマン」の恋人役にケイト、敵役にケヴィンとまあ、またこのペアがスクリーンに現れるのだ。ケイトは大学に戻るはずじゃなかったんかい?

さて、元々、ケヴィンは物真似が素晴らしく巧く、これまでにも数々の映画人、政財界人の物真似を披露しているが、カーティス・ハンソン(「LAコンフィデンシャル」監督)によれば、「彼は物語を伝えるという事を愛している。真似をして、人々にそれを見て貰う事、人を楽しませる事をこよなく愛する人間だ。もし、映画界に居場所がなければ、彼は舞台に立つだろうし、もし舞台が存在しなければ、彼はラジオに出演するだろう。そういう風に、彼は自分を表現するためには何らかの道をみつけるだろう。彼は生まれついてのパフォーマーだ」だと。

マーロン・ブランド、ジャック・レモン、ジョン・ヒューストン、ジョン・ギルグッド、ピーター・オトゥール、ジェーソン・ロバーツJr、ジェームズ・スチュアート、ジョニー・カースン、キャサリン・ヘップバーン、クリント・イーストウッド、クリストファー・ウォーケン、アル・パチーノ等々・・・本当に似ているのだ、参るぞ、この芸達者。そんな芸達者なケヴィン曰く「彼(ボビー)は37歳で亡くなった。

だから、早く撮影しなければ、僕はこの役がやれない年齢になってしまう!」。はい、ごもっともで、大きく頷くしかないじゃないか。

昨日紹介した映画『サヨナラ』の音楽はアーヴィン・バーリンが担当。アーヴィンは『ホワイト・クリスマス』の作者であり、数々の映画、音楽を世に出した音楽家。ケヴィンはこの辺りが大好きなんだ!ビング・クロスビーやペリー・コモといったシンガー達の78回転、SP盤の素晴らしいコレクションを彼はパパから譲り受けているそうだ。子供の頃からタップを習っていたというケヴィン。ミュージカル経験もあり、そのキレの良い踊りのテクニックもまだまだ衰えてない!今、ダンスと歌のショーをするのが長年の夢だったというケヴィン念願の映画だ。まずは乞うご期待!

やがて公開になる映画「五線譜のラブレター」は、コール・ポーターをケビン・クライン主役で多勢の歌い手が揃ったが、こちらはボビー・ダーリンをケヴィン・スペイシーが一人で披露!。負けてないじゃん、歌って踊って男前~!60年代のスタイリング、赤、黄、白、そしてタキシードに燕尾服と決めるぞ。おお~髪も増やしたのか。因みにアメリカ12都市を回るコンサートツアーをケヴィンは計画中とか。歌、本当に巧いんだからサ。見たいぞッ。

尚、この映画の製作費2,400万ドルの内、ケヴィンが受け取った出演料、監督料はゼロ。そりゃそうでしょう、自腹を切って製作費を捻出したって話もある位に、最後のチャンスだった事は本人が一等良く知っての事。賞関係のノミネートは苦しいものの、評価なんぞ気にしていられるかってぇ~の。ボビーを演じるには老け過ぎ?、はい、それも承知の助で、コレ、どーしても見なっくっちゃ!ね。邦題は、原題にサブタイトル風なコピー添える事で、ファンはほっとしたもんだ。(2004年:製作国アメリカ/12月17日NY & LA公開/wider release:12月29日)




▲クリック:サウンドトラック試聴


映画お披露目のパーティでは、ボビー・ダーリンの息子ドッドと、
当時のマネージャーに両側からキスされて満面の笑みのケヴィン

  

■Beyond the Sea / ビヨンド・ザ・シー ~夢見るように歌えば
●Directer: Kevin Spacey ケヴィン・スペーシー
●Screenwriter: Jeffrey Meek James Toback ジェフリー・ミーク ジェイムス・トバック
●Cast: Kevin Spacey ケヴィン・スペイシー Kate Bosworth ケイト・ボスワース John Goodman ジョン・グッドマン Bob Hoskins ボブ・ホスキンス Brenda Blethyn ブレンダ・ブレッセン

※映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の最大の聴き物はボビー・ダーリンの「Don't Rain on My Parade」だった。これ、日本での評価全くないんじゃないかっ!サントラにも入ってない。く~~惨いゾ。
Don't Rain on My Paradeが少しだけ聴けます

バーニーズ銀座のウインドウディスプレイ(3/6終了)

★TRAILERはコチラがお薦め

★Trailer & Kevin Spacey Interview & 4Clips

★TV:サンデー・モーニングショー
ゲストにケヴィン:インタヴュー等(23'38")


▲Official site:Japan

Official site:U.S.A.


▲グッバイ、サンドラ・ディー


■ビヨンドtheシー:CD(サウンド・トラック)
■ボビー・ダーリン:CD一覧


メディアファクトリー
ビヨンドtheシー ~ 夢見るように歌えば ~


■SAYONARA サヨナラ

●『メモワール・オブ・ア・ゲイシャ』(正式タイトル『SAYURI』に決まった模様)をアップしたので、急に思い出したのが日本を舞台にしたハリウッド映画『サヨナラ』の紹介、参ります!

『メモリーワール・オブ・ア・ゲイシャ』と同じく、言語は英語によるハリウッド映画『サヨナラ』。こちらは、アメリカさんの出演者も結構多いので、英語劇といっても違和感はあまりない。但し、50年代のハリウッドらしい、オリエンタル趣向に満ちた描き方は、今、見ても苦笑の連続か。

朝鮮戦争で活躍したパイロット、ロイドは日本に転勤命令が出て来日。そこで部下だったケリーの元を訪れると、彼は日本女性と仲睦まじく暮らしていた。日本に赴任した兵隊達が日本人女性と付き合う成り行き、それを善からぬ事と捉える軍部。そんな中でロイドもまた、マツバヤシという劇団の公演を見るきっかけから、花形スタアのハナオギに一目惚れ。彼女見たさに待ちぶせ、追いかけ、やがて相思相愛の仲になるのであった。で、二人が密かに逢うのは、ケリーとその恋人カツミの住まいであったりするわけだったが・・・。

実は、この物語、突き詰めていけば、結構、当時の米兵と日本女性の悲惨な末路があったりするわけだが、映画ではあっけらかんと描いてチャンチャン!と終るシロモノでござんす。
映画『サヨナラ』での会話や様子、衣裳やセットなど、不思議な東洋趣味の場面も多く、富士山、ゲイシャ、カブキ・・・全部揃っている。宝塚もどき、文楽、風呂・・・松の木もSAKEも、なんでも揃っている。真面目なお方が見れば、そこここの場面で頭から湯気も出そーになる。ハリウッド映画が、実にお気楽極楽楽天地ってノリで作ってしまった一作。

それでも、美しいものは美しい!ハナオギ、ってなんだい!花扇かい?って突っ込みながらも、演じた高美以子が綺麗!西洋人が憧れるしとやかで、お行儀がよくって、貧しい家族を救うために入った劇団への恩義を捨去れない・・・麗しの薄幸ジャパニーズガールが綺麗。こうまで皮肉言いながらも、高美以子は綺麗なんだ。彼女がウイスパー・ヴォイスで歌う名曲『サヨナラ』を何度聴いたことか!
また、決して美形ではないが、いかにもアジア女性の顔立ちまんまのナンシー梅木。彼女が慕うケリーに対する、その健気でかいがいしい立ち振る舞いに、当時のアメリカさんはウットリしたのかもしれない。嗚呼~可哀相!で、ナンシー梅木は、この演技でアカデミー賞助演女優賞を受賞。ま、多少の時間は経ってはいるものの、敗戦国を持ち上げて、復興せよ、って御目溢しなの?、政治がらみもあったかな、と当方は勝手に思っているのだが、それにしてもナンシー梅木は愛らしいし、チャーミング。そこは間違いないんだ。マーロン君は昔からチャレンジャーやね。

ま、歌舞伎役者の役をアイライン入れて、目を吊り上げたメイクで演じたリカルド・モンタルバンには、呆気にとられるが・・・映画は、心中まで描いてくれる。
バナナな日本人が今、見れば逆輸入の異国情緒溢れる心地良さにうっとりか。
ちょっと屈折したエキゾ趣味な香りが存分に芳しくって、良いんだ。国辱モノ!といきり立っても、こーんな映画も当時からあっという間に出来ちゃんもんね、ハリウッドは。(ま、もっと強烈な映画は他にもある)これは娯楽と割り切るしかない、で、エキゾとレトロに見惚れながら、結構、きわどいラインで留まって誤魔化しながら、エエなあ~っと呆けて見ている我ここにあり、だ。なんで、サヨナラなの~って突っ込まんで下さい。(1957年/製作国アメリカ/アメリカ公開1957年/日本公開1957年)










▲TRAILER
Previewをクリックすると画面が変わります。
ちょっと面倒ですが頑張って!(苦笑)

●Directer:Joshua Logan ジョシュア・ローガン
●Screenwriter:Paul Osborn ポール・オズボーン
●Cast:Marlon Brando マーロン・ブランド Miiko Taka 高美以子 Red Buttons レッド・バトンズ Miyoshi Umeki ミヨシ・ウメキ(Nancy Umeki ナンシー梅木) Ricardo Montalban リカルド・モンタルバン Martha Scott マーサ・スコット James Garner ジェームズ・ガーナー Patricia Owens パトリック・オウエン Kent Smith ケント・スミス Douglass Watson ダグラス・ワトソン Reiko Kuba レイコ・クバ Soo Yong ソー・ヤング
★1957年度アカデミー賞 助演男優賞レッド・バトンズ 助演女優賞ナンシー梅木 美術監督・装置 録音賞ジョージ・グローヴス/ゴールデン・グローブ賞 助演男優賞レッド・バトンズ受賞・・・等.


■サヨナラ:DVD
■ナンシー梅木:お薦めCD

   

   
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Cast

Zhang Ziyi  Michelle Yeoh    Gong Li          


Ken Watanabe  Koji Yakusho   Cary Tagawa


Youki Kudoh   Suzuka Ogo   Eugenia Yuan


Kaori Momoi    Karl Yune    Togo Igawa

■映画『SAYURI』 Memoirs of a Geisha メモワール・オブ・ア・ゲイシャ(米公開は2005年12月予定)
監督:Rob Marshallロブ・マーシャル
脚本:Akiva Goldsman アキバ・ゴールズマン Ron Bass ロン・ベイス Robin Swicord ロビン・スウィコード Doug Wright ダグ・ライト

●Cast
Zhang Ziyi チャン・ツィイー章子怡=幼少名:新田チヨ。芸者の源氏名さゆり
Michelle Yeoh ミッシェル・ヨー=豆葉 心優しい姐芸者役の模様
Gong Li コン・リー鞏俐=初桃 サユリを苛め抜く先輩芸者役
Ken Watanabe 渡辺謙=さゆりが恋する相手(?)岩村堅
Kôji Yakusho 役所広司=さゆりに恋心を抱く火傷の傷痕を頬に持った男ノブ・トシカズ役
Cary Tagawa(Cary Hiroyuki Tagawa)=松永恒義男爵①
Youki Kudoh 工藤夕貴=オカボ
Kaori Momoi 桃井かおり=置屋女将
Eugenia Yuan ユージニア・ユアン原麗淇=こりん(小鈴か)②
Karl Yune =こういち③
Togo Igawa 伊川東吾=田中一郎(さゆりを置屋に紹介)④
Suzuka Ohgo 大後寿々花=さゆりの幼少時代

ま、どーも海外の方が日本を描いた場合の地名や名前等、妙な感じがしますが、仕方ないか。

●監督は、デビュー作『シカゴ』で第75回アカデミー賞作品賞を含む6部門を受賞したロブ・マーシャル。脚本の主要クレジットに上がっているのは、アキバ・ゴールズマン。今年公開のラッセル・クロウ主演の期待作、映画『Cinderella Man』シンデレラ・マン、昨年公開の『I, Robot』の他、『A Beautiful Mind』(2001)、『Batman & Robin』(1997)『Batman Forever』(1995)等を手掛けている。

キャストのクレジットはまだあるのだが、現段階で判明している主要キャストの中でも、日本ではあまりスポットを浴びていない俳優を紹介しておこう。

①Cary Tagawa(Cary Hiroyuki Tagawa)
タガワ・ヒロユキ、彼はお馴染みの方もいるかもしれない。
「Elektra」(2005)
「パール・ハーバー」 (Pearl Harbor:2001年)「Planet of the Apes」(2001) 「Art of War」(2000)等に出演。
「ヒマラヤ杉に降る雪」(Snow Falling Cedars)では工藤夕貴と面識有。
1950年東京生まれ、日本人。父方の家族は1800年代にアメリカへ渡った初期の移民。
5歳で渡米。南カリフォルニア大学卒業。大学時代より空手修行開始。一時、日本で空手修行を経験。30代半ばよりアジア系俳優活動を開始。
※映画「ヒマラヤ杉に降る雪」(Snow Falling Cedars/出演イーサン・ホーク 工藤夕貴 鈴木杏 サム・シェパード マックス・フォン・シドー ジェームズ・クロムウェル リック・ユーン他)

②Eugenia Yuanユージニア・ユアン 原麗淇
アメリカ、ロサンゼルス生まれ。4歳からバレエ・中国舞踊・ジャズダンス・モダンダンス等を習う。新体操のアメリカ・ナショナルチーム・メンバーとしてオリンピック予選等出場。その後女優へ転身。
米国TVドラマ『ビバリーヒルズ青春白書』(1999年)、「NYPD ブルー」(2001年)等出演。インディペンデント映画等に出演の後、本作で本格的に商業映画デビュー。
母親は往年の大スター鄭佩佩(チェン・ペイペイ)。
因みに、「君さえいれば/金枝玉葉」「ラヴソング」のピーター・チャン(Peter Ho-Sun Chan陳可辛)のプロデュース・監督作品「臨死」(原題:THREE)の第3話「going home」でレオン・ライ、エリック・ツァンと共演。撮影:クリストファー・ドイル。この作品で2003年の香港金像賞最優秀新人賞を受賞。

③ユンは、韓国系アメリカ人の新人俳優
コロンビア大学在学中、コマーシャル、テレビ、モデルなどをやりながら俳優を目指す。映画「アナコンダ」(Anacondas) ではインドネシア人の若者を演じた。好きな俳優はマット・デイモン。エドワード・ズウィック監督作品等が好みだという。

④伊川東吾
現在イギリス在住の日本人俳優。マイケル・ウィンターボトム監督作「コード46」(ドライバー役)、ゼウィック監督作「ラストサムライ」(長谷川大将)等出演。
元黒テントの役者で、74年「青春の海」(鉄ちゃん)、79年の映画「限りなく透明に近いブルー」(オキナワ)に出演。1983年に渡英以来、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー等の舞台、マイク・リーやスタンリー・キューブリック監督等の映画に出演。98年3月、英国の俳優によって演じられたロンドン・ゲイト・シアター公演「くじらの墓標」(坂手洋二作・串田和美演出)の制作・出演。イギリスで最も活躍している日本人俳優。日本ではテレビ「欧州鉄道の旅」のナレーター等の仕事がある。最近、特にハリウッドで活躍の場が増えてきた。

●ちょっとした情報
映画「メモワール・オブ・ア・ゲイシャ」のセットは、現在アメリカで撮影されている為に1920~30年代の日本をテーマにしたセットが用意された。当時の京都駅であろう設定は、カリフォルニア、サクラメントの鉄道博物館を使用。桜に孔雀がいるのが、なんとも不思議なオリエンタル趣味な気がするがこれは、パサディナ(カリフォルニア)のハンティントンの日本庭園をアレンジしたものらしい。

また、チヨからサユリとして芸者修行を積み、芸者の花形になっていく舞台の中心となる1920年代から30年代の京都祇園周辺もセッティングされたそうだ。セットには、川が流れ、二つの橋が交差して架けられ、当時の祇園の店先の模様も看板広告なども、時代考証に従い準備された模様。また、お寺や通りに灯りを燈す提灯、雨上がりの玉砂利、路地の様子など再現され、レトロな自動車、自転車が行き交う中を人力車が走るという。昔の映画に比べれば漢字などの扱いも今回はまともなのかもしれない。現在は、フィッツジェラルド・マリーン・リザーブの舗装されていない泥道のある場所を選び、そこにサユリが幼い頃に住んでいた藁葺き屋根の漁師小屋が建てられ、ここで幼少時代の撮影が行われる模様。

フィッツジェラルド・マリーン・リザーヴのビーチでは舗装されていない泥道のある部分を選び、藁葺き屋根の傾きかけた小屋を作って、主人公が幼少時代に住んでいた漁師の住まいを再現。

カリフォルニア、サラトガの日本風庭園の「Hakone Gardens」(箱根ガーデン)での撮影も予定に入っている模様。
Hakone Gardens

桜はロサンゼルス、ハンティントン図書館博物館の中の日本庭園で撮影された模様。
京都駅はサクラメントのCalifornia State Railroad Museumカリフォルニア州立鉄道博物館で撮影された模様。
California State Railroad Museum

サンフランシスコのゴールデンゲイト公園の日本茶室庭園
Japanese Tea Garden

映画の言語は英語だが、場面によっては一部で日本語のセリフもあるという。
役所広司は、相撲の場面(があるそうだ)で関取に日本語で叫けぶシーンがあるとか。歓声などは日本語だそうです。ん・・見ないと分からない。

言語に関しては、アジア系の俳優が主要をしめるが中国、日本、韓国・・といった俳優達の英語のアクセント、イントネーションの違いに現場は戸惑ったのは事実のようだ。ネイティヴな英語のセリフが出来る俳優が少ないために現場が一時混乱状態だったという情報も伝えられている。

またキャスティングに関しては、何故日本の芸者に中国人俳優を使うのか、という点はアメリカ国内でも賛否両論だった模様。芸者=売春婦、といったストレートな解説に拒否感を示す人たちもいるようだ。

昨年は、京都のお茶屋を模して、ハリウッドの山城レストランでのロケも行われたという。この「山城レストラン」は、1911年に私邸として建てられた京都の御殿風な建築物だが、最初の所有者の死後、1920年代後半にはハリウッドのエリートのための高級社交クラブだったらしい。第2次世界大戦と真珠湾後には排日運動の下、陸軍の士官学校に変えられた時期もあり、戦後は住居として使用。1948年に新しい所有者により修復が成され、1970年代から90年代の半ばまで日本料理店として栄えたという。

豪勢な日本造園技術が施され、滝まで作られた美しい日本庭園の池には鯉が泳ぐという。山城=Yamashiroは、ハリウッド伝説とも言われてるそうだが、当方には理解不能。料理の評判などは芳しくないようだが、日本というより概して東洋趣向の映画の撮影場所としては、ハリウッドでは定番の場所なのかもしれない。

因みに、マーロン・ブランド主演の映画『Sayonara』(サヨナラ)(57年)の撮影にも使用されたというのは興味深い。敗戦後の日本復興を促す為に持ち上げたのか、あの時代にありがちなハリウッドの方々の錯覚と幻想と無智な中から生れた映画だが、今、見るには、国辱的という部分よりもエキゾチックな映画と面白がるしかないのかもしれない。実は当方、結構好きだ(苦笑)。これは、アカデミー賞の最優秀作品として、また日本人初の助演女優賞をミヨシ梅木(ナンシー梅木)が受賞したのは有名。
山城レストラン