■そして、ひと粒のひかり Maria Full of Grace | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY
2005-01-29 22:52:24

■そして、ひと粒のひかり Maria Full of Grace

テーマ:映画


■Maria Full of Grace そして、ひと粒のひかり

●アカデミー賞ノミネートが発表され、主演女優賞に、Catalina Sandino Moreno=カタリーナ・サンディーノ・モレノ、彼女の名が挙がった。
以前から話題にはなっていたものの、ベルリンでの受賞もあったし、と思っていたがここに来てノミネートに浮上した。アメリカ主要メディアの評価もA並びという高い評価を得た作品ながら、オスカーノミネートという事実に、昨年の『クジラ島の少女』の主演女優賞ノミネート滑り込みを思い出させた。但し、この作品の内容はかなりハード。

映画『Maria Full of Grace』は、アメリカでは17歳以下は保護者同伴でなければ見ることの出来ない映画。この映画は薬物、猥褻、暴力に満ちている。

物語の舞台は、コロンビアの小さな町。雇い主のボスから搾取され続けてながらも職のない人々が働き続ける造花工場の労働者であるマリア。マリアが得る僅かな稼ぎで成り立っている生計。母親や祖母、そして妹等と暮す絶望的な日々の生活に、マリアの希望は全く見出せない。そこが描かれているから、マリアという娘が、なぜ麻薬の密輸入に加担するのか、さらにどうやって密輸入を企てるかという詳細が現実味を帯びて来る。働いても働いても我が暮らし一向に楽にならず。。。搾取されながら、若さゆえに誘惑も過る工場で、自らの感情も押し殺したように無心に造花のバラを作り続けるマリアだった。

しかし、ある日、妊娠している事に気付く。子どもの父親であるBFのホアンに告げると、どこかいやいやながらも責任上、彼女と結婚すると言う始末。そこには、彼女が望むような愛情は皆無だった。マリアは結婚を拒否する。

どこにも自らの安息の場を持たないマリアの憤り、やり場のない怒りは、ある日あらわになる。バラ工場を飛び出すマリア。彼女の家族は慌てるが、もう元に戻るつもりもないマリアが行った先はボゴタ。そこで優しげに近づいてきたのは麻薬の密輸入業者だった。一回の旅行で約4年分の稼ぎが出来るという甘い誘いにマリアは決断する。


▲クリック TRAILER

マリアは麻薬の運ぶ事を選んだ。行く先はニューヨーク。渡航する前に、彼女がやらねばならぬ事、それは麻薬を自らの胃袋に収めて密輸する運び屋になるための訓練。
ドラッグで満杯のペレット(カプセル状)を飲み混むためには、同じ位の大きさのブドウを一粒一粒を丸呑みする。ペレットは、驚くほど大きいプラスチックで包装されているのだ。

実行の時。消化を遅らせる薬を飲み、その後に麻薬入りのペレットを62個を呑み続けるマリア。仮にペレットのひとつが胃の中で破損すれば、それは即、彼女の死に繋がっている危険な賭け。ニューヨークに到着する前に排泄されるようなことがあれば、再摂取しなければならない苛酷な賭け。行動を共にしたルーシーは、ニューヨーク到着前にペレットのひとつが胃の中で破れて死ぬ。

密輸業者として成功するには、緊迫した状況下での異常なストレスを克服できるかが鍵。真面目な顔で嘘を突き通す事が要求される。マリアは査問され、脅かされるが、妊娠という隠れ蓑が彼女にはあった。

麻薬の密輸入のアンダーワールドに自ら入り込んだマリアの運命が、どう転がっていくのか、彼女自身が何を体験するのか、映画「Maria Full of Grace」のタイトルに結ばれる製作者の思いがある。
邦題は、「そして、ひと粒のひかり」だが、ご覧になっての感想を待とう。

今回、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたカタリーナ・サンディーノ・モレノは、17歳。彼女が等身大の若さで演じるコロンビアのマリア像は如何なものだろう。マリアが欲した自由、そして彼女が選択した痛々しいまでの命賭けの果てには何が待っているのか。映画の日本公開は2005年、本年秋だという。

さて、この映画は、現実問題として、昨今、麻薬取引に何千人もの若いコロンビアの女性が関わっている現実を明らかにするだろう。物語には予測できないような陰惨なシーンも用意されているというが、最後までこの映画に付き合ってみよう。

マリアは、危険な賭けを前にして、巧みな妥協を心得、自分が生きる為の選択をする。それは邪悪な者達に連なる事なのだが、マリアの備え持った礼儀正しさや道徳感が消滅しない辺りが、見る側に不思議な威力を発揮するのだと思う。

どのような状況下にあってもマリアという娘は魅力的で、賢く、活発な若い女性である、そこは揺ぎ無い。カタリーナが主演女優賞にノミネートされたのは、主人公マリアにそれらが失せることなく見出せるという救いがあるからだ。


Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。>


●Directer & Screenwriter:Joshua Marstonジョシュア・マーストン
●Cast: Catalina Sandino Moreno カタリーナ・サンディーノ・モレノ  Yenny Paola Vega イェニー・パオラ・ベガ Guilied Lopez ギリエド・ロペス Patricia Rae パトリシア・ラエ Jhon Alex Toro ホン・アレックス・トロ
★ベルリン国際映画祭 2004年銀熊賞女優賞受賞・アルフレード・バウアー賞受賞 ★NY批評家協会賞2004年新人監督賞受賞 ★LA批評家協会賞・ニュー・ジェネレーション賞受賞 ※オスカーの受賞はないと考えています。しかし必見です。

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