君の涙で僕は目覚める | Open Arms〜かいの腕時計〜

Open Arms〜かいの腕時計〜

かなり不定期に更新します。たぶん。
面白みはないと思うけど良かったら見に来てください!笑

かいは焦っていた。


焦り癖があるのは自分でも


分かっている



とにかく焦る事が多いのだ




そして


この日も焦っていた







その日、私は県庁所在地にある


1軒のドーナツ屋さんを目指していた




ある女性の友人とそのお店へ初めて


連れて行っていただいた



学生の頃で言えば、アオハル


というやつだったかもしれない



しかしこの日は単独




あの日のドーナツが美味しくて



また行こうと思ったのだった





県庁所在地というのは


私が住んでいる田舎とは違って


厄介な問題がある










駐車場だ



とにかく駐車場が無い


東京や仙台のような都会なら



当たり前の問題だろうが



田舎者の私からしてみたら大問題だ




 ここで思い出した



そう言えばコインパーキングに


入ったじゃないか!



コインパーキングに停めよう!




人というもの、というか私は


都合のいいことや楽しい


思い出ばかりを切り抜いて

 

インプットしてしまうらしい


車を停めようと探していた


コインパーキングへ入った




有難いことにそこのは


後払い制の


コインパーキング



駐車券を取って






ピットイン










っしゃ!


気兼ねなくドーナツを


買いに行けるぜ!






私の青春という名の



ドーナツが待ってる




向かいながら



そう言えばあの時は 


ドーナツ1個しか無くて


1個を半分にして



2人で1個を食べたな…



と思い出していた







思い出しつつ


ドーナツ2個購入








そしてコインパーキングに


戻りお金を入れようとしたら





















 小銭がない






これはまずい



駐車料金310円が払えない





駐車券と


千円札と51円があるのに



310円がない




いっその事


愛車で強行突破


しようと思ったが




310円を払えば済んだものを



それより高額な請求をされ



警察沙汰になり



大事になるのは間違いない






駐車料金を払うのが


不服か?




いやそんなことはない

 

問題はお釣りが出ないことだ







とりあえず


小銭を両替しよう


と考えなおした




どこかに自販機があった


はずだった



どこだ自販機




かいは焦っていた


焦り癖があるのは自分でも


分かっている



とにかく焦る事が多いのだ




スーパーやコンビニで



買い物をして



会計待ちの時に



店員さんへ



会計が遅いと




クレームをつける

  


人をよく見かけるからか



自分自身も焦ってしまうのだ










探す。。。。
















探す。。。。

















どこだ。。。。









自販機。。。。。










どこだ。。。。。














あった。。。。。。。。







  


 

 

ありがとう。。。。。。

 


 












自販機発見




この際なんでもいい





両替さえできれば







急げ!




急げ!









鞄から財布を探す







 どこだ。。。













さっきまであったじゃないか。。。









どこ行ったんだ?

財布



 

 

 











連れ去ってと合図を



くれたらここから


キミを奪って



夜空を抜けて





宝石みたいな街を


飛び越えて



片思い恋愛ソングを


作詞させたら


右に出るものはいない


3人組ロックバンドの



曲の歌詞にあるみたいに



夏の魔物に


連れ去られた


のか?




なんて考えてる


場合じゃないよ、バカ




カバンに財布がない!







どこ行ったんだ




俺の財布。。。





そんな時だった。。。。







電子マネー使える!






ありがとう、文明社会。



ありがとう日本の


技術者さんたち。。。






急げ!










 

ポケットの中にあった



スマホを自販機へかざす





  


「ピッ!」



「商品を選んでください」





ええい、この際なんでもいい






「ピッ」




文明社会の力と


技術の力で



缶コーヒー購入




ッシャァァォァァ!


やったぜ!!!!!







お分かりいただけただろうか?















小銭51円のまんまじゃねえか






ここで冷静になって



ズボンの左ポケットへ



免許証と一緒に




茶色の長財布が



入っていたのに気づいた





こんな近くにいたのに



何故あなたは私を見つけて



くれないのと言わんばかりに




そういえば駐車券を


財布に入れるために



カバンから取り出して



ポケットに入れたんだっけ。。。







再度缶のブラックコーヒーを



購入






無事千円を両替し



駐車料金を納め、




パーキングを後にした







一人で食べたそのドーナツは


もちろん美味しかった


 


でもあの時半分こにして食べた



ドーナツの方が



甘い味がしたな



と振り返る







そのドーナツの味は



あの日のできごとと



この日の私の




確認の







“甘さ”





だったのかも



しれない