先日、知り合いに舞台のチケットが一枚余ったので、と誘われ一緒に「人狼TLPT X 新撰組」の舞台を観に行ってきました。
「知り合いてだれやねん」って思う方もいらっしゃるでしょうが、ぼくもあんまりよく知らない人なので正直わかりません。誰だったんだろう。ライブで自作の歌を歌ったりしていてCDを出す予定もあるそうですが、それくらいしか知らない。


ぼくは数年前、よくワンナイト人狼という対人ゲームをスカイプ通話でしょっちゅうやっていました。
人狼というゲームはルールにもよりますが、だいたい8〜18人くらいでやるゲームである程度まとまった時間が必要になります。ワンナイト人狼はその簡易版のようなもので時間も短く最低3人、最大8人くらいでできます。
ルールはどちらも少し複雑で、説明の文章を一度書いてみたのですが超つまらなくわかりづらい上にやたら長くなったので知りたい方は調べていただければ。わかりやすいのが出てくるはず。
ざっくりいうと、カードが配られ、基本的には誰が味方で誰が敵かわからない状態で、出ている情報を元に嘘をついたり嘘を見抜いたり、人を疑ったり時には信じたりしながら、ひたすら周りの人を話術や論理や情熱で説得して自分のチームを勝利に導くというものです。
人数が多い方が面白いですが増えれば増えるほど情報も増え複雑になっていくのでバランスが難しいです。普通の人狼のほうは11人〜13人でやっているのをよく見かけます。
数年前からかなりの人気でYouTubeなんかにも多く動画が上がっていて、再生数も稼げるジャンルらしいです。


この人狼TLPTという舞台は芝居や演劇要素はおまけ程度になっていて、その人狼という対人ゲームを舞台上で生でやるのがメインで、数年前から大人気です。
役者にキャラクターを加えてはいるものの、開演数分前にカードが配られ自分の役割が決まるのでほぼ全編アドリブ。
だからか先の展開が客はもちろん役者にもわからないので、舞台上だけでなく客席にも常に緊張感がありました。
だけれどやはりプロ、全員めちゃくちゃ人狼がうまく、アドリブながら「この感じで大丈夫か……?」と見てるこっちまでも不安になるような、まるでぼくの高座のような緊張感はありませんでした。当たり前か。


毎公演有料でニコ生配信もしているそうで、他にもアルティメット人狼という大人気の企画があり、つい先日第8回が行われていました。
そちらでは堀江貴文さんなどの各分野の有名人を呼んだり、ドラゴンクエストの生みの親堀井雄二さんなどのゲームクリエイターや中田功さんなどの将棋棋士の方などもたくさん参加し、人狼TLPTのメンバーも加わり一緒に舞台で人狼をやるという企画で、そちらはチケットを取るのが大変なくらいの大人気。もちろんネット配信もしています。
結構ちゃんとした方々が全力で考えた結果間違えて悔しがっている姿が観られ、とても楽しいです。


今回の舞台ではアンケート用紙に誰が人狼かを当てる紙があり、舞台の途中で回収され、見事当たった方には商品があるそうで前日からワックワクしていたのですが、頑張って推理してもやはり難しく3人の人狼のうちの2人しか当てられませんでした。しょんぼり。
客席から見れば嘘をついてるのが確定した人もいるのですが、みんな平然と何食わぬ顔で嘘をついていて、こういう人達に嫌われたら何を言われるかと思うとこわいこわい。
見ながら必死に誰が嘘つきで誰が本当のことを言っているのか推理しているので見終えた時には頭がぐったりと疲れていました。
いろんな考えを持った人が必死に悩んだり考えたり迷ったりしながら最後には決断する様を生で観られる、というまるで人生の縮図のような舞台に感じました。というのはさすがに大きく言いすぎた感があるけどまあいいか。人生の縮図。ふっ。


ぼくも人狼をやってみたいとは前々から思っていますが、問題点がありすぎる。
まず10人くらいの人を集める人脈。しかも人狼に興味がある人じゃないと集まってくれない。それにまとまった時間も必要なので、これがもう無理すぎる。
それにぼくはかなり顔にでる方。前にワンナイト人狼をやっていた時はスカイプ通話という声だけしか聴こえず表情は見えない状態でやっていました。
顔を見られたら一発で嘘をついているのがバレる恐れがある。頑張って表情に出さないようにしても「嘘ついてないよ?」という顔になりやはりすぐバレそう。嘘をついてる時とついていない時の差が大きければバレてしまう。
でも人狼をやれば喋りが鍛えられるのはほぼ確実で落語家としてはプラスになるんじゃないか、と思っています。
楽しめて喋りもうまくなれて一石二鳥。どころかいろんな人と接点ができ仲良くなるチャンスもあるのでそれ以上。

人狼ルームなどの人狼をやるための場所というのもあるのですが、知らない人とやるのはやはり緊張するし、自分が下手すぎて周りに迷惑をかけてしまったらどうしようという思いでまだ踏み出せていません。
挑戦するのはもう少し落語のほうに余裕ができてからかなぁと思っていますが、そうなると永久にできないような気がしてきました……。まぁ、別にできなくてもいいか。ここまで書いといてそれかい。