251. 冬日没る二階のドブに無駄な金


生きるもの名残の空に何祈る


初湯浴み下着のままに入りし布団


去年今年醤油の焦げた良き香り


元日や昨夜の残飯で炒飯


十割が合ふはずもなし血筋とて


初御空集ひし家族にある孤独


国見ればめでたさ薄る二日かな


淑気入る鼻の頭が乾くから


260. 湿り気を求めて三日の外気かな


いちまいまたいちまい散りても山茶花


屋根の上集ひし鴉四日かな


体育の日は晩秋の季語なれど


寒波きぬ彼女は彼処で歌つてゐる


国亡びゆくを眺めし五日かな


六日朝ノらずにイきたし救急車


「いいね!」なぞあてにはせずに松の内


選挙では頭を下げる安倍くんに

「ごめんなさい」も教えてあげたい


六日にはかる貴方と俺の卑屈さ


270. 人形の壊れた脚や室の花


チエリストの見上げし空に核の冬


「なっちゃん」が出てきて名字が出てこない


冬の蠅ほども動かぬ政


爽やかなポスター取り入る独裁者


独裁が明るい未来に忍び寄り


日本酒でポークピカタに火を通す


この国の支援の基本ダンボール


ダンボール製の東京2020


重ね着の男の食らふ餃子かな


280. やきめし用ポークビッツを切り刻む


弱者らに赤土かぶせ国守る


裏白や老いたる父母の喧嘩かな


とりあえず強行採決あと知らぬ


自らの民だとおもふ党なり


沼涸るゝ底に知りたき真かな


TVの影響力下に出演料


ごめんなさいごめんなさいの原子力


「反社」神経の鈍さで滅びゆく


シュレッダーかけた後燃焼し尽くして


290. (力強く) (拍手) (間を取る) 忖度す


慈姑掘る想像力の欠如かな


飛行機に戻れぬ河野落下傘


知りてなほやらぬは票と金のため


嚔ひとつ深夜のスーパーマーケット


枯菊や国民不在の安倍政治


吸ひて吐き待てど暮らせど冬薔薇


根深汁悪しきことさへ流し込む


ダンボールベッドに巣くふお・も・て・な・し


隠蔽や保身で上がる声のトーン


300. fanなのか疑うほどのtweet数