ボストンも花の季節が終わった。すっかり初夏の陽気である
今週は金曜日から新しい授業が入ってきた。金、土、日の3日間で完結するR言語を使ったビジネスアナリティクスの授業だ
短期集中のコースなので、11時から15時、16時から19時までの2コマも長い授業がある
ほぼ日中はこれでつぶれてしまう。そんなハードモードを控えた木曜日の夜、ヤフーファイナンスで銘柄サーチをしていたら面白い銘柄を見つけた
企業情報欄に、支配株主によるTOBを実施予定、とあった
いずれ上場廃止になるので、このような銘柄は投資対象にしないのだが、少し気になったので掲示板を覗いてみたら、少し荒れていた
どうやらTOBを開始すると公表してから2年近く経つが、TOB開始に必要なある国での規制対応が完了していないのでまだ開始できていないようだ
また、TOB価格も一株当たり純資産の額を下回っているので、少数株主にとっては面白くない話である。またその間、会社はTOBを理由に無配、業績予想の開示を行っていなかった
これは事件だ!興奮気味にこの会社の財務データをダウンロードして、2時間くらいかけでモデリングを作りながら、この会社に対する分析と提案の骨子を組み立てていた
金曜日の朝、資料を作成して昼には完成した。それをやり取りしているエージェントに送った
我ながら、先週作った4社の株主提案書にも劣らないほどの出来栄えだと思った。このタイミングでこんな銘柄を見つけられたのは天からの僥倖のように感じた
ヤフーファイナンスは侮れないと思った
そして、この銘柄の提案書を作った後も銘柄サーチをしたが、これを上回る面白いもおは見つけられなかった
PBR1倍未満、ROE8%未満、自己資本比率70%以上という、株主軽視の極みのような会社はゴロゴロと出てくる
しかし、その会社の固有の問題をどう取り上げて提案につなげるかとなると結構難しい。そしてこんな提案書をいくつも作ってもしょうがない、あとは路地裏の人間性や旦土に対するコミットをファンド側は見てくるんだろうと思った
そのため、これ以上提案書を作るのはやめることにした。今最も大事なことは学校の授業であり、R言語のマスターだ。今回こそ本当に提案書を作るのはやめよう
この1か月間、ファンドにアピールするための提案書を8つも作ったからだ。先週やり切った気持ちはあったが、今週はそれを上回る提案書を作れた。そしてこれ以上いい銘柄は見つからないことを悟った
まだ初夏の入り口であるが、気分は夏真っ盛りである。そのような気持ちも、だんだん落ち着き、盛運から衰運に向かうのだろうか、と思うと少し憂鬱になる
漠然と井上陽水の「少年時代」の歌詞の情景が心に浮かんでしまった
MBAの卒業まで3カ月を切ってしまった。振り返りはもう少し後にして、まずは6月前半までのSummer 1のタームを乗り切りたい