生まれる前、診断を受けた時からずっと、読みあさっていろいろ学んできました。そしていろいろ考えてきました。

 

親である私自身が医師なので、医学論文(文献)を探すスキルも、読み込むスキルも、一般の人々よりもあると思います。だから、世の中の18トリソミーの親御さんたちとちょっと違う部分もあるのかもしれない、良くも悪くも。

 

まずはネットで検索して、そして検索して読んだ文献の参考文献も調べたりして、18トリソミーに関する論文はたくさん読みました。ネットに溢れる情報には医師が書いた論文もある、ニュースも記事もコラムもブログもあるけど、情報源として私が読んだのはまず論文でした。

 

医師が学会に論文として書いているものは(当然ですが)冷静で客観的です。が、どうしても著者の主観は混じるものです。何年前に、どの病院の誰が書いたものか、チェックします。今年の論文と10年前の論文と20年前の論文、どうしても違いが出ます。手術を積極的にやっている病院の医師が書いた論文と、手術以外の治療をメインにしている病院からの論文では、やはり視点や論点に違いが出ます。

 

18トリソミーに関する考え方や治療方針、学会レベルでも答えが出ているわけではないし、時代、医学の進歩や医療と社会の変化で変わってきたりしている。医療機関によってもいろいろ。そういうのも踏まえて、冷静に読み込んできました。これからも探し、読み、自分をアップデートしていきます。

 

同様の患児と「医師として」向き合った経験は新生児科の医師には絶対的にかないませんが、もしかしたら読んだ文献の数だけなら(18トリソミーについては)新生児科の専門の小児科医と同じかそれ以上だったりするかもしれない。

 

そして、そういう情報収集をした上で、医師としてではなく、まっすぐに親として家族として考えます。18トリソミーという病名を持って生まれてきた娘にとって何が幸せなのか、同時に、そんな娘を家族として迎え入れた私は、私たちはどうすべきなのか。

 

2019年11月。生後2週間の頃の3号と私(NICUにて)

 

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主治医や看護師は、親がそーゆーややこしいヤツなので苦労してる(かもしれない)と思います。主治医のH名センセ、T流センセ、NICU/GCUの看護師さんたち、ごめんね、そんな面倒くさい親でグラサン

 

 

リンク 私が読んだ文献(の一部)

18トリソミーに関するエビデンスの蓄積:古庄 知己(日本小児循環器学会雑誌)

18トリソミーおよび13トリソミー児の心臓血管手術:片岡 功一(日本小児循環器学会雑誌)

先天性心疾患に対して手術介入を行った18トリソミーの検討:江原 英治 他(日本小児循環器学会雑誌)

先天性心疾患の手術非介入で経過している18トリソミーの検討:今井 祐喜 他(日本小児循環器学会雑誌)

当院における 13 トリソミー・18 トリソミー症例の 外科治療と予後に関する検討― 倫理的観点をふまえて―:中村 弘樹 他(日本小児外科学会雑誌)

18トリソミー(MSDマニュアル)

エドワーズ症候群(Wikipedia)