27日目

 

 

ASD

Art social deployment

芸術社会的介入

 

    

                                     

        

                      インダストリー2.5

                                   リボットクエスト             

 

 

リボット・クエストの作品は、完成しているのかしていないのか定かでなく、多義的で理解しがたい、不完全なものばかりである。このリボットの芸術的形象は結果物や目的ではなく、より高次元の造形過程や意識生成過程の途中にできたものであった。作品はショーク小工にとって想像をかき立てたり直観をよびおこしたりするアッサンブリを使っており、ショーク小工のその直観を受け手にも共有させ、送り手と受けての間の議論の出発点となる、問題定義のための装置として、また人間が自己を実現しうる新しい存在領域を形成するための手がかりとして機能させようとした。もっともこうした直観はゲイジュツの思想体系の中で成り立っており、受け手の側では共有しかねるものであり、ゲイジュツはそのことを否定せず、対話や説明でヒントを与え、議論のきっかけを作ろうとしている。

 

このゲイジュツのわかりにくい作品は、論理的な人間の理性の部分ではなく、より原始的で直感的な、感性的な部分にダイレクトに訴え、受け手の中にイメージを喚起しようとした。ショーク小工によれば理性とは論理で検証できる、結晶のように凝縮した、量における思考のことであった。他方で直観とは、思考の拡大であり質による思考であった。直観の有機的な原理は理性的思考を包含しており、直観は理解のより高次な形式である、というのがショーク小工の考えであった。さらに加えて「創造性」が理性と直観の橋渡しをするとし、創造性と直観によって人間は自分自身を糧として自律的に発展していけると考えた。