動物病院で受付のトラブル
最近、うちのラグちゃん(ねこ)が食欲不振で、毎日動物病院に通っているのですが、そこはとても混んでいて、いつもたくさんの飼い主さんとペットで溢れています。先日、ある女性が診察券を出して待っていたのですが、なかなか呼ばれず、ついに我慢の限界に達したようで、受付のスタッフに「まだ呼ばれないんですけど」と強い口調で尋ねました。スタッフは「申し訳ありません、あと3人待っていただくことになります」と答えましたが、女性は「薬だけって言ったのに、こんなに待たされるなんておかしい」と怒りを爆発させました。
動物病院では、診察だけでなく、薬の処方やその他の対応も行われています。そのため、順番待ちが発生することは珍しくありません。しかし、この女性は特に急いでいたのか、待ち時間が我慢できなかったようです。受付のスタッフが急いで薬を準備し、彼女に渡しましたが、彼女は怒りを露わにして帰っていきました。
この出来事は、病院や他のサービス業でもよく見られるトラブルの一例です。忙しい現代社会では、待ち時間やサービスの遅延に対してイライラする人が増えているように感じます。しかし、これらの怒りやイライラはどこから来るのでしょうか?
病院や他の店舗でのサービスに対するイライラと怒りの増加
日常生活の中で、私たちはしばしばサービスの遅延やミスに対して怒りを感じます。飲食店での注文の遅れや、コンビニでの年齢確認など、些細なことでイライラすることを経験した人も少なくないでしょう。特に最近は昔に比べて怒りを表に出す人が増えたように感じます。私はこれを「コントロールドラマ」と呼んでいます。
コントロールドラマとは?
コントロールドラマとは、子供の頃に親から受け継いだドラマチックな考え方や行動パターンのことを指します。私たちは子供の頃に親から無意識のうちに役割を与えられ、その役割を演じるようになります。これは親が子供をコントロールし、自分の思い通りにしようとするための行動です。
例えば、親が怒ったりイライラしたりすると、子供は何とかして親を喜ばせようとします。このような経験を通じて、子供は特定の行動パターンを身につけるのです。コントロールドラマには「脅迫者」「尋問者」「被害者」「傍観者」の4つの役割があります。
脅迫者と尋問者
先ほどの動物病院での出来事では、女性が「脅迫者」と「尋問者」の役割を演じていました。彼女は「私は言ったのに、なぜ聞いていないのか?」とスタッフを問い詰め、怒りを露わにしていました。これは、相手を脅迫し、自分の思い通りにコントロールしようとする行動です。
人間は相手が怒っていると意識し、その怒りに対応しようとします。この時、エネルギーの奪い合いが発生します。脅迫者は自分の要求が通ることでエネルギーを得ますが、受け手はその怒りに対処するためにエネルギーを使います。このようなエネルギーのやり取りは、日常生活の中で頻繁に見られます。
しかし、このような怒りの表現は必ずしも効果的ではありません。冷静に状況を説明し、丁寧に対応をお願いすることで、同じ結果を得ることができるかもしれません。
ただ「薬だけって言ったのに、こんなに待たされるなんておかしい!」とイライラや怒りをぶつけるのではなく、「お薬だけとお願いしたはずなんですが、まだかかりますか?」と聞くこともできてのではないかと思うのです。感情的で一方的なコミュニケーションではなく、相手のことも考え、思いや理を持った適切なコミュニケーションを心がけることもできるはずですよね。
親子がつくる負の関係
コントロールドラマは、親子関係の中で形成されるものです。親が子供をコントロールしようとする行動は、子供に対して無意識のうちに役割を与えることになります。子供は親の期待に応えようとし、その役割を演じ続けるのです。このような関係性は、親子がそれぞれに親離れ、子離れしなければ半永久的に続きます。そしてこのドラマを自分が家庭を築いた時にまた子どもに受け継いでいくものになるのです。負の関係の継承です。
エネルギーの奪い合い
エネルギーの奪い合いは、日常生活の中で頻繁に見られる現象です。例えば、動物病院でのトラブルを目撃した他の飼い主たちも、その場の緊張感や不愉快な雰囲気に影響を受けます。怒りやイライラは周囲にも伝染し、全体のエネルギーを消耗させる原因となります。
私たちは、日常生活の中でコントロールドラマに巻き込まれないようにすることが大切です。冷静に対応し、相手に対して思いやりのある丁寧なコミュニケーションを心がけることで、エネルギーの無駄な消耗を防ぐことができます。
コントロールドラマの講座を開催
毎日のコミュニケーションで疲れきっているかたは、もしかしたらこのコントロールドラマに巻き込まれているのかもしれません。
私は、コントロールドラマについてのセミナーを開催しています。日常生活や人間関係で困っている方にとって、コントロールドラマの理解は大いに役立つでしょう。このセミナーでは、コントロールドラマの4つの役割について詳しく説明し、どのようにそれに対処するかを学びます。興味のある方は、ぜひ参加してみてください。
本日は、動物病院での出来事を通して、コントロールドラマについて考えてみました。次回もまたお会いしましょう。