日本心理臨床学会第45回大会(委員長:高橋靖恵)においてシンポジウムを開催します。
参加には同学会の会員資格が必要です。
詳細は同学会のHP(https://www.ajcp.info/)で確認してください。
『「かけもちする心理職」の臨床-クライエント,患者,利用者等との間で何が起きているのか-』
<企画主旨>
日本の心理専門職の多くが「かけもち」している。多様な現場を経験することで研鑽を積みたいという各々の自発的な意思,また,ライフスタイル上の要請,さらには,常勤職のポストがさほど豊富ではないこと,それに伴う経済的な理由等によるやむを得ない事情等が絡み合い,現在の状況が生み出されている。
ある業界において,主たる担い手が専業者ではなく,「かけもち」している状況が普通のこととして受け入れられている仕事は,実は珍しいのではあるまいか。それを裏付けるように,厚生労働省が広く労使に向けて,『副業・兼業の促進に関するガイドライン』を制定したのはつい昨年のことである。
ところで,副業・兼業の先行事例として歩んできた心理専門職は,この「珍しい」状況をどのように捉え考察してきたのだろうか。我々の目の前にいるクライエント,患者,利用者等にとって,あるいは彼らと我々の間にどのような影響が及んでいるのか,という視点,可能性について議論することが必ずしも十分ではなかったのではないか。たとえば,専門職のキャリア形成や業務負担の観点から兼業状況が考察されることはあっても,その先‐時間的にも空間的にも-にいる目の前の人とどう繋がっていくのか,という考察は深まってきたのだろうか。
「かけもち」という我々の在り方の一側面をきっかけに臨床を見つめ直すことによって,なおざりにしてきたかもしれない何かを掬い取ることを試みたい。
話題提供:北野(児童養護施設,大学附属心理相談室)
文化とさえ言えるかもしれないかけもちの影響について、臨床のさなかの視点で探ってみたいと思います。
話題提供:小林(小児科クリニック,児童養護施設,母子生活支援施設)
心理職のもつ“外部性”を支援にどう活かせるかという視点から考えていきたいと思います。
話題提供:安澤(公立学校スクールカウンセラー,精神科クリニック,児童福祉団体)
各職場の視点や気づき,他者の言葉を紡ぎ,かけもちで自他の心に生じることを一考したいです。
話題提供:渡邊(開業,就労支援事業所,被害者支援団体)
複数の現場のことを考えるとき,結局自分自身が現場(の一部)なんだなと実感することがあります。
日時:2026年10月11日(日) 10:00~12:00
オンライン開催
企画・司会:渡邊 健(練馬わたなべ心理相談室)
話題提供:
北野里果(学習院大学大学院)
小林薫子(児童養護施設 星美ホーム)
安澤好秀(東京都公立学校スクールカウンセラー)
渡邊 健
指定討論:中島由宇(東海大学)
以上
練馬わたなべ心理相談室(2026年3月26日)
