特定秘密保護法に関するパブリックコメント募集中 | 和而不同 わたなべ健責任編集 

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7月17日(木)に開催された情報保全諮問会議 で特定秘密保護法関連の3つの素案が提示されました。
特定秘密の保護に関する法律施行令
特定秘密の指定及びその解除並びに適正評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準
内閣府本府組織令の一部を改正する政令
の3つです。
それぞれに関してパブリックコメントに付されています。期間は8月24日(日)までの1か月。
素案がまとまるまでのプロセスは内閣官房の情報保全諮問会議のページから資料を取得することができます。そこそこの量があることに加え、複数の資料の相互参照がかなり面倒です。それでも何とか読み解いて少しでも「あるべき姿」に近づけなければなりません。

先日、情報公開クリアリングハウス三木由希子 理事長が主催する勉強会に参加しました。ジャーナリスト、政治関係者、弁護士、アーカイブズ関係者など、15名ほどが集まりました。
既に法律が成立しておりますので、「秘密保護法反対!」「法律のここを変えよう!」という議論はとりあえず封印し、特に「運用基準」について「あるべき姿」にすべく様々な意見が出されました。私が注目して発言したのは「特定行政文書ファイル」の取り扱いです。通常の行政文書は、取得・作成されると「行政文書ファイル」に整理され、当該ファイルは「行政文書ファイル管理簿」に掲載されます。また、「行政文書ファイル」はできるだけ早い段階で保存期間や期間満了時の措置(レコードスケジュール)が決められ、確認のために内閣府 に提出されることになります。この際、レコードスケジュールの妥当性について、内閣府や国立公文書館 の職員が意見を述べることになっているのです。
「行政文書ファイル」に特定秘密が含まれる場合、その表示を施したものが「特定行政文書ファイル」ということになります。「特定行政文書ファイル」は国立公文書館の職員の目には触れないことになりそうです。というのも、国立公文書館は独立行政法人。特定秘密保護法では独法職員は特定秘密の取り扱い者として想定されておりません。当然、「適正評価」の対象にもなっていません。
では誰が「特定行政文書ファイル」の妥当性を検証するのでしょうか。答は、内閣府に新設される「独立公文書管理監」。しかし、「独立公文書管理監」が検証するのは、どうも正しく秘密指定がされているか、という点のみのようなのです。レコードスケジュールの妥当性については、検証項目に入っていません。
これは結構まずいことだと思います。特定秘密の指定期間と文書の保存期間は別物です。特定秘密保護法では、秘密指定は5年を上限とし、最長30年まで延長可能というのが原則です。それを超える場合は内閣の承認を経て60年まで。そして、30年を超えるものについては、指定解除後に自動的に歴史公文書として国立公文書館に移管されることになっています。裏を返せば、指定期間が30年未満のものは自動的に移管されるわけではありません。指定解除後に公文書管理法に則って歴史公文書にすべきかどうか判断されます。では、秘密指定期間が30年未満で、且つ保存期間がそれよりも短く設定されている文書はどうなるのか。秘密指定が解除された時点で、或いはもしかしたらその前に廃棄されてしまうかもしれません。レコードスケジュールの保存期間が秘密指定期間よりも短期間で、期間満了時の措置を「廃棄」にしておけばそうなることも想定されます。

先日、沖縄密約事件、別名西山事件に関する最高裁の判断が示されました。その中で最も衝撃的だったのは、「行政機関が当該文書を廃棄したかどうかを証明するのは開示請求者である」というところです。一審、二審とは全く逆の判断がなされました。我々国民が行政機関がある特定の記録・文書を廃棄したかどうかを証明することが極めて困難です。もし、証明責任を我々に負わせるのであれば、それが可能な仕組みを用意する必要があるはずです。例えば、行政機関は特定秘密も含めて、文書を廃棄した際にはそのリストをすべて公開しなければならないでしょう。そういった意味で「特定行政文書ファイル」の取り扱いは明確に規定されなければなりません。併せて、「独立公文書管理監」と国立公文書館の職員がそれぞれ、特定秘密のレコードスケジュール並びに行政文書として管理の適切性をどのように管理していくのか。
知恵を絞ります。

(2014年8月1日)

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