聖書の言葉:マタイの福音書27章3節~5節
そのころ、イエスを売ったユダはイエスが死刑に定められたのを知って後悔し、銀貨三十枚を祭司長たちと長老たちに返して、言った。「私は無実の人の血を売って罪を犯しました。」しかし、彼らは言った。「われわれの知ったことか。自分で始末することだ。」
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主よ
あなたは力をお持ちなのに
どうしてそれを
ご自分を救うために
お用いにならないのですか
あなたがその一声で
ガリラヤ湖の嵐を静められた時
あなたが五つのパンと二匹の魚で
五千人を養われた時
あなたこそが神の御子だと
どんなに心が躍ったことか
今こそ神の御国を見るのだと
どんなに心が震えたことか
ユダよ
そうではないのだよ
神の国は力によってではなくて
愛によって打ち立てられるのだ
悪を力で打ち負かしても
人の心に愛は生まれぬ
主よ
あなたはなぜ
そんなに苦い杯を
自ら進んで飲もうとされる?
あなたはロバの子などではなくて
十二軍団の御使いを
白馬に乗って率いるお方
あなたが本当に神の子ならば
たとえ神殿のてっぺんから
下に身を投げたとしても
神は御使いたちを遣わして
あなたをその手でささえられる
あなたが本当に神の子ならば
たとえわたしが裏切って
ローマの全ての軍勢が
あなたを取り囲む日が来ても
あなたは天から火を下し
焼き滅ぼしてしまわれる
あなたが本当に神の子ならば
ああ ユダよ
あなたは神のことを思わずに
人のことだけ考えている
人の罪を背負うため
身代わりとなって死ぬために
私は人となったのだ
人の心に平安の
愛の御国を建てるため
私は人となったのだ
ああ ガリラヤの大工の子
お前に何ができるのか
敵のために祈るという
パリサイ人より義なるという
お前の愛を見せてもらおう
悪の力が迫る時
死の恐怖が襲う時
だれもがそれには屈服する
さあ 見てやろうナザレのイエスよ
お前が十二の軍団を
呼ぶか 呼ばぬか見てやろう
富んでいたのに貧しくなり
下着を取る者に上着を与える
そんな愛を見せてもらおう
ああ ユダよ わが友よ
この苦い杯を
飲まずにどうしていられよう
私はお前のためにこそ
打たれていのちをささげよう
お前に深い悔恨が
つらい嘆きが迫るとき
私のもとに来るがいい
必ず戻って来るがいい
自分で何をしているか
お前はわかっていないのだ
さあ 時が来たわが友よ
お前のすべきことを今
思いのままにするがよい