新暦の3月3日の雛まつりは、過ぎてしまい、
関東では早くも端午の節供飾りが店頭に並ぶ頃となりましたが、
今年の旧暦の雛まつり(旧暦の3月3日)は、4月11日でございます。
前回ご紹介致しました大正5年に芸艸堂から発行された「雛百種」から、
興味深いお雛様をご紹介致しましょう♪
『雛百種』は、全国のお雛様を集めて写生した木版画。
大正初期のお雛様の画集でございます。
〜薩摩糸雛〜
お顔の無い、ちょっとびっくりするようなお雛様。
こちらは、薩摩(現在の鹿児島県)に伝わるお雛様、薩摩糸雛でございます。
江戸時代ごろに生まれた紙雛で、女の子が生まれた家に贈る習わしがあったとか…
贈られた家では、雛壇の横に立て掛けて、その数を競ったとのお話も…
本体は割竹で、それに麻糸を髪の毛に見立てて巻きつけ、
美しい彩色された和紙を着物のように着せつけているお雛様でございます。
髪に見立ては麻糸に、麻のように丈夫に育つようにとの願い込められたそうです。
着物に見立てた和紙に描かれたきらびやかな絵は、男雛と女雛では区別があり、
上の薩摩雛は女雛でしょうか?
〜薩摩糸雛、男雛〜
こちらは、翁が描かれているので、男雛を表しているようです。
〜薩摩雛 女雛〜
こちらは、嫗(おうな)が描かれています。
一対の薩摩糸雛ですが「翁と嫗」で長寿を願う図柄となっています。
〜琉球雛〜
初めて拝見する琉球雛。
沖縄のお雛様です。
やはり薩摩雛の影響が強いように思われます。
右が男雛、左が女雛でしょう。
髪の毛に見立てた麻糸はありませんが、
着物の文様にはどのような意味が込められているのでしょうか?
とても興味深いですね。
〜百歳雛(男雛)〜
〜百歳雛(女雛)〜
長寿を祝うところから考えれたお雛様で、「ももとせ雛」とも…
以前、還暦雛という赤い衣装をまとったお雛様を見て、びっくりしたことがありますが、
長寿の願いをお雛様に託したのは、昔からあったことなのですね♪
この『雛百種』には、まだまだ興味深いお雛様がありますが、
それは来年の桃の節供のお楽しみということで…
〜『雛百種』〜
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