札幌戦での事象(ロスタイム:相手チームが蹴り出したボールを返す返さない問題)について。
いろいろな意見もあるし、少し整理させてもらいたい。
【そもそものルール】
競技規則の主審の職務等が規定されている第5条において
・競技者の負傷が軽い場合、ボールがアウトオブプレーになるまでプレーを続けさせる。
・競技者が重傷を負った場合、プレーを停止し、確実にその競技者を競技のフィールドから退出させる。
→ 重傷・軽傷の判断が審判の主観にゆだねられているので、ゲームを止める止めないについては、審判の判断がすべて。
【サッカーにおける紳士協定(慣習)的な不文律】
痛んでいる選手がいて、審判が試合を止めてない場合、選手達が自主的にボールを蹴り出して意図的に試合を止める自由はある。その後は、ボールを保持していたチームへボールを返すことが慣習であり、マナーとされている。
以上がルールであり、慣習的なマナー。
一方で、その上に、個別の様々な事象、状況が関与してくるので、ルールとマナーだけでは判断も評価もできない。
チームの置かれている立場・状況
試合の流れ
審判の判定に対するストレス(これはいつでも多かれすくなかれあるもの)
時間を稼ぎたいチームと早く進めたいチームとの駆け引き
等々
こうしたなかで、現場ではベンチも選手も自分たちで考え、時間が与えられない中で決断し行動している。
相手選手が脚をつっているなか(しかし倒れ込んでいるわけでもなく、その後ピッチから出ることもなかった)で、相手チームが蹴り出したボールを返さずに試合をはじめたことについては理解、そして納得できる。そもそも、フェアなプレーと姿勢をもとめるのであれば、求める側もフェアなプレーと姿勢で試合に取り組まなければならないと思う(返報性の法則)。
はたしてこの試合がどうだったか?
一方で、その結果、もし勝てたとして、気持ちよく胸をはって勝ち点3を手にできるかと言われれば、意見はわかれるだろう。
その後のリスタートで、ボールを返させたベンチも含めたチームの判断はすばらしかったと思う。
あの状況(相手ベンチの)とスタジアムの雰囲気からは、他の選択はなかったと言えるし、最善の判断だったと言える。
西川選手が相手ベンチをなだめにいったことも、彼の立場ならではであり、彼にしかできないすばらしいリーダーシップとゲームへの貢献だった。
(ゲームを壊してほしくないという強いメッセージに私には受け取れた。)
勝ちにこだわる姿勢は、間違いなく、個々の選手もチームとしてももてている。
一方で、勝ち負けとは違う軸で、大切にしなければならないこともある。
大切にしなければならないことを失わずに、かつ、勝ち続けることができる、偉大なチームにならなければならないと思う。
追伸
選手として、チームとして、クラブとしてのみならず、リーグとして考えるべき課題も含まれるとおもう。