【 取締役会の実効性評価 】
本日は、「取締役会の実効性評価」の3社の具体的開示内容について、確認してみたい。
1.富士フイルムホールディングス「取締役会の実効性に関する評価結果の概要」
https://holdings.fujifilm.com/ja/about/governance/board-of-directors
(1) 実効性評価実施概要
評価概要
評価対象:2023年1月から12月に開催された当社取締役会(全15回、書面決議・書面報告含む)
評価者:当社取締役及び監査役(計14名)
評価方法:アンケート、個別ヒアリング
評価項目:取締役会の果たすべき役割、取締役会の構成、議論の質、指名報酬委員会の審議、社外役員に対するサポート体制、ステークホルダーとの建設的な対話等
(2) 評価結果
当社の取締役会は十分に実効性を発揮している、と評価する。
4つの評価項目について、2023年取り組み方針・実績、評価結果、今後の課題、2024取り組み方針について、一覧表にて表示
2.伊藤忠商事「当社取締役会の実効性に関する評価結果の概要について」
https://www.itochu.co.jp/ja/about/governance_compliance/board_evaluation/index.html
(1) 取締役会評価実施要領
対象者:2023年度の全取締役(10名)及び全監査役(5名)
実施/評価方法:
1.外部コンサルタントを起用し、対象者に対するアンケート及び個別インタビューを実施(回答は匿名ベース)
2.対象者の回答内容について外部コンサルタントが分析・取りまとめを実施
3.外部コンサルタントによる分析・取りまとめを参考としたガバナンス・指名・報酬委員会における検討を実施
4.取締役会において分析・評価を実施
質問内容:
1.取締役会の構成
2.任意諮問委員会の構成等
3.取締役会の役割・責務
4.取締役会の運営状況
5.取締役・監査役に対する情報提供、トレーニング
6.その他の重要テーマ
(2) 評価結果の概要
実効性確保を確認(定量面・定性面の観点から)
3.日本製紙グループ「2022年度 取締役会の実効性評価」
https://www.nipponpapergroup.com/ir/governance/evaluation/
(1) アンケートの項目(についての詳細な説明)
7項目全19個の設問ごとに4段階で評価(+当該項目に関する自由記述欄)+その他コーポレートガバナンスの取組み状況等についての意見(自由記述)
(2) 2021年度に設定した課題(3つの課題)に基づく2022年度の取り組み実績
(3) 2022年度の評価結果(2項目)と2023年度の課題(1文章)
(4) 過年度の取り組みとその成果
2016年〜2020年:各年1項目・2021年:3項目に対する成果1文章)
ご参考)東証:第三者評価を受けることが必要になるのでしょうか。
https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge6959.html
回答
取締役会の実効性評価について、評価の独立性や客観性を高める観点から外部の評価機関を用いることも考えられますが、補充原則4-11(3)の「実施」にあたって必ずしも外部の評価機関を用いる必要はありません。
<感想>
投資家にとっては、文章のみより、図表を用いた開示の方がより分かり易いように思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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