そう思ったのは日付が変わって少し経つ、夜にしては騒がしい時刻だった。
私はかなり色んなものに感化されるタイプで、今回もとても素敵なエッセイを読んだから思い立って書いてみている次第だ。
といっても、感化をされたという素敵なエッセイも寝て起きたら忘れるんだろう。
完全には忘れないけれど、輪郭のみが残って、中身がぼんやりわからなくなっていく。
そんな自分が昔は嫌いだったけど、今では結構理解できている、はず。

そう、昔からなのだ。
大好きな本も、作品も、口頭で説明してと言われるとあんまり上手く思い出せず詰む。
ぼんやり話は出てくるのに、正しいかどうか不安になって、伝えられなくなる。
まぁ、要はアホなんだよね。

脚本を書くようになってから賢そうな印象を抱いてもらえるのだけど、私は高校入試の前日にカラオケ行くくらい勉強を諦めた人間なのである。
中学でも高校でもわからない授業はしっかりと寝る育ち盛りの子だった。
大人になった今、先生ごめんねと思ってはいるよ。
なので脚本など創作をする時は、逐一言葉を検索しながら書いている。

そういえばなんで騒がしい夜なのか、書いていなかった。
風。風がやばい。
風が窓を叩いて正直うるさい。あと怖い。
でもこういう夜は想像が捗る。
誰かすんげえ能力者が風を纏いながらこの街を救ってるのかも……とか。
カーテンを開けたらデカめの狼が私に助けを求めてるのかも……とか。
そう思うとちょっぴり世界がファンタジーで楽しくない?オススメですよ。

……ここまで書いてわかったことがある。
確かに私の文章はあまり賢くない。
感化されたエッセイは知的でオシャレでなんか……、なんかすごかったのだ。
結局私は文章というフィールド効果で少しだけ賢い属性を得つつ、ただただそれとないことを書いているツイッタラーだった。

カーテンを開けたらいたのはカメムシだった。
解散。