市原隼人 出演映画 ベスト10
個性的で独特の存在感がある市原隼人君をとりあげます。
1 リリィ・シュシュのすべて
やはりいきなり主演でデビューした最初の映画の印象が一番強いです。映像、音楽、文字をふんだんに使って、岩井独特の世界を作り上げながら、リアルな思春期の内面を映し上げた繊細な秀作青春映画。1つのクラスで起きるいじめ、レイプ、自殺、殺人と次々に起こる出来事は衝撃的な内容ながら、見せ方で内面描写を巧みに表現しています。
2 ぼくたちと駐在さんの700日戦争
市原隼人を中心とした高校生が駐在さんに悪戯を仕掛けると、大人気ない駐在さんがむきになって復讐をしかけるというたわいのない作品なのですが、そのたわいのなさが実に馬鹿馬鹿しくて、そしてどこなく微笑ましく、さらには駐在さんと高校生グループのライバル関係が実に絶妙に間合いで描かれているので、観ていて笑いっぱなし!
3 ボックス!
好感の持てる青春スポーツ映画になっていたと思います。横道に大きくそれることなく、あくまでもボクシングの試合を主軸に整理して構成していったことで、結果的に感情移入しやすく、しかも分かりやすい作品になっています。あくまでもボクシングを通して、選手としても人間としても成長していく様子を丁寧に描いたことが、成功に繋がったのではないでしょうか。市原隼人の場合、彼がうまく演じるかどうかではなく、役が彼にはまるかはまらないかということに全てがかかってくることがほとんどなのですが、この作品については、うまくはまっていましたね。
4 虹の女神 Rainbow Song
せつなくも悲しい片思いのラブストーリーです。上野樹里演じるヒロインが友人だった市原隼人演じる主人公に思いを寄せつつも、それが通じることのないまま悲劇的な事故に遭ってしまいます。上野樹里のナチュラルな演技が印象に強く残りました。余韻を残すエンドロールがまた秀逸。
5 チェケラッチョ!
今時のすれた高校生の映画ばかり観ていると、昔ながらのピュアで奥手な高校生たちが頑張っている姿は、非常に好感は持てます。沖縄を舞台に、市原隼人らの高校生たちが音楽に目覚め、バンドでライブを成功させるまでの友情と恋愛を描いています。とにかく、観ていてくすぐったくなるような、恥ずかしくなるような、今時珍しいベタでくさい青春コメディ作品でした。
6 T.R.Y.
20世紀初頭の上海を舞台にした織田裕二主演の軍隊サスペンス・ドラマ。どういう結末になるか分からないという点ではけっしてつまらない作品ではないのですが、敢えてのどっちつかずの結末は、私としては物足りなさは残りました。市原君は中国人の役。
7 闇金ウシジマくん
コミックが原作とはいえ、山田孝之演じる主人公はどうも好きになれないキャラクター。悪役がそのまま悪い奴として主人公を務め、かなり強引で残虐な取り立てをするので…。市原君は大島優子演じるフリーターのバイト先の先輩としてちょっとだけ出演。
8 ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
SF映画なのか、それとも夢の中の話なのか、はたまたナンセンスコメディなのか、どんな映画になるのか疑問符いっぱいの出だしでしたが、繊細なある種の青春映画へと展開していきます。市原隼人の掴みどころのなさが、どこかこの作品時代の掴みどころのなさにも繋がってしまったようには感じます。
9 ROOKIES-卒業-
今さら説明するまでもなく、人気テレビドラマの劇場版。いまどきここまで期待を裏切らないど真ん中ストレートの展開を見せてくれる、ある意味珍しいほど馬鹿正直な物語でしたが、だらだらちんたら感がちょっと気になりました。ただこれだけの若手俳優がずらり揃うのを見るだけでも観る価値はあるかもしれません。
10 猿ロック THE MOVIE
3でも触れましたが市原隼人の場合、役に合わせて演じるというよりは、天才カギ師という役柄が市原自身と重なるか重ならないかというところがあり、そういう部分では、今作の役は重なっていた方だとは思います。ただし、作品としてはごくごく平凡な出来栄え。