社会は初めからあるものではなかった-当たり前を覗いてみる85-

歴史が最近面白いなと感じるようになりました。

実際読んでいる本は、政治哲学の歴史についての内容で、一度第一章を読み終える前に挫折した本です。

数年たって、改めて読み進めてみると、難しさは相変わらずなんですが、だんだんと面白さが分かるようになってきました。

例えば社会。

当たり前のように感じる社会も、社会というものがはるか昔からあったわけではないんです。

いろんな要素が合わさったり消えたりして、今の社会の形になっています。

そこには、人の生活習慣の変化、国家という枠組みの変化、既存の階層を転換しようとするアンチテーゼなどがうごめいています。

その経緯や変化の事件を理解するにつれ、今現在の社会に対する考え方や景色が変わってきました。

当たり前に使っている用語でさえ、その背景を知ると印象が変わり、別の単語で思考が回り始めます。

歴史は好きではありませんでした。

過去に誰が何をしたのかを知ったところで、今の自分には何の関係もないことだと思っていました。

そういうものではなかったんですね。

歴史とは、今ここと歴史の知性とをつなぎ、自分の知性の脈絡にすることなんだと感じています。

旅も、何も知らないところへ知らないままに行く楽しみもありますが、事前にその街の歴史を知っておくことで同じ景色でも感じ方が変わってきます。

何かを学ぶことは、今自分が認識している世界に深味と味わいをもたらせてくれるものです。

これは人間の面白さ、生きる面白さだと思っています。

出会い一つの感じ方を味わえる豊かさを持っていたいなと感じる今日この頃です。

あなたの知性に歴史という要素は入っていますか？

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