「漁師とドラウグ」/海と風と、魔物と | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

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テーマ:
ヨナス リー, Jonas Lie, 中野 善夫
漁師とドラウグ

目次
漁師とドラウグ
スヨーホルメンのヨー
綱引き
岩の抽斗
アンドヴァルの鳥
イサクと牧師
風のトロル
妖魚
ラップ人の血
青い山脈の西で
「あたしだよ」
訳者あとがき

訳者あとがきから引きますと、「本書は北欧の国ノルウェーの海と森と山を舞台にトロルや海底の死人の王や風を売る妖術師らが活躍する幻想と怪奇に満ちた物語集」。うーん、この説明はほんと過不足ないな。

色々なこの世ならぬものが出てくるのだけど、繰り返し出てくるのが、「ドラウグ」という魔物。同じくあとがきから引きますと、「民間伝承に登場するドラウグは、姿は頭のない男の格好をし、頭の代わりに海草の塊を載せていることもある」らしい。ドラウグは難破船を操って航海をし、このドラウグに海の上で出会ったものは、近いうちに溺れて死ぬのだという。まさに北の海に相応しい魔物。そうだなー、タニス・リーの「
ゴルゴン―幻獣夜話 」に収録されていた、「海豹」における、海の民シールスを思い出した。

ノルウェーの民間伝承が元になっているようだけれど、泥臭さをほんの香り程度残した、適度に洗練された物語。「漁師とドラウグ」、「風のトロル」のような容赦の無い結末を迎えるものから、どこか滑稽味のある「あたしだよ」のような物語まで、幻想的な物語を楽しんだ。一つ一つの物語については書かないけれど、「魔法の本棚」シリーズの中では、本書が一番読み易くて、自分がこれまで親しんできたものに近かった感じ。

挿画もいい感じ。ちょっとおっかないような絵なんだけど、この幻想的な物語には相応しい。

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