映画「ALWAYS 三丁目の夕日」 | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

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今日は、実家の年賀状ソフトを使えるようにするのと引き換えに、母にレディース・デイ(初めて行った!)の映画を奢ってもらいました。

というわけで、母と一緒に「ALWAYS 三丁目の夕日」を見てきました。

多分、これは筋だけを聞いても、「ふーん」と思う映画だし、「泣ける!」と聞いてもあざとい演出や、レトロ調による錯覚を疑ってしまう映画かな、とは思うのです。
でも、これが映像として立ち上がると、何ということはないストーリー(特に奇抜ではないという意味ね)、ハートフルな展開が、何とも厚みを持って迫ってきた。

映画の始めの部分では、土台を現すのみだった東京タワーが、最後には立派な姿を見せる。これは希望の象徴なのかもしれない。きれいな心、いい笑顔の人たちの中に、築かれる心の絆がうつくしい。

時代は昭和30年代初め。「もはや戦後ではない」けれど、戦争の傷を負い、静かに生きる人もいる。集団就職で青森からやってくる女学生がいる。小さな自動車会社を興し、懸命に働く父がいる。優しく強い母がいる。やんちゃな子供がいる。たらい回しにされ、やんちゃではいられない子供がいる。文壇から認められず、子供向け雑誌で糊口を凌ぐ作家がいる。自身の事情を隠し、小料理屋を切り盛りする女がいる。

テレビがやってくれば、近所の連中が寄り集まって大騒ぎ(挨拶は、「テレビ、おめでとう!」)だし、冷蔵庫がやってくれば、家族の皆で交代に顔を突っ込んでは感激する(しかし、氷屋さんはがっくり)。

俳優さんみんなが、その空間に溶け込んでいて素晴らしかったのだけれど、特に印象に残ったのは、作家茶川竜之介(渾名は「ブンガク」)役の吉岡秀隆さん、たらい回しにされてしまう、古行淳之介役の子役のお子さん(微妙な表情の演技わけが素晴らしい)、青森から出てきた六子(むつこ・でも渾名は「ろく」ちゃん)役の堀北真希さん(方言が超キュート!)の演技。

私、普段、映画館ではそこまで大変なことにはならないのですが、今回はうるうるどころか、ずるずるきちゃって大変でした(汚くて失礼)。
もし、これからご覧になる方で、涙腺が弱いかも、という方がいらっしゃいましたら、ハンカチを手に持っておくことをお勧めいたします。

ぐっと来る所では啜り泣きが、コミカルなシーンでは笑い声が響く、妙に一体感のある映画鑑賞でありました。