2019年8月某日。


私は広島からの帰路についていた。

予定より早く仕事が片付き、好きな瀬戸内海を眺めたくて高速を選ばず下道を進んでいた。
(私は凪の海がとにかく好きなのである)


やれやれ、この2ヶ月はシーバス三昧だったな…


6月に人生初の海シーバス開始
トップルアー1本に決め打ち
ほぼ毎日投げる
約60時間ノーバイト


自分にとってはかなり濃い期間だったが、こうして文字にするとばかみたいだ。
物好きなおっさんがホゲ続けただけだ。
我ながら呆れてしまう。

私にも日常がある。
仕事もあれば生活もあるのだ。


「ジンペン時代の一日」

3:00  起床 、釣り場へ向かう
4:00  釣り開始
7:45  ノーバイトの釣りを終える(絶望)
8:00  ふらふらになって釣り場を後にする (絶望)
9:00  仕事開始。一日の終わりのような疲労感に襲われる
12:00  昼食。髭が生え青光りを始める
12:30  食後の強強打破が常態化する
午後~  クスリの力を借りなければ正気を保てない
午後~  クスリの力を借りなければ霊感を帯びる
午後~  クスリの力を借りなければもともとのコミュ障が輪をかけ悪化する








…おおむねこんな生活を送っていた。

本当によくやったと思う。

これまでこんな全力で釣りに向かったことはあっただろうか。

















感傷に浸りながらおろ?と気づく。

通る道々に小さな河川がたくさんある。
それなりに知った道のはずだが、さして興味がなかったためかこれまで気付かなかった。

これはこれは…
このタイミングで、ですか…

思わずにやついてしまう。

川デビューはお盆明けだと想定していたが、どうやら早まることになりそうだ。

こういうこともあろうかと車には常にタックルを備えてある。
もちろん先日揃えたCOREMANルアー各種もだ。
一刻も早く正式な信者となれるよう修練を積まねばならぬ身だ。

これは行くべきだろう。

ちょうど時刻も夕マヅメの頃合いだ。
チャンスである。
夕方はウンコではない。
立派な時合でありゴールデンタイムだ。







カーナビで適当な河川に目星をつける。

運良く付近に有料パーキングがあった。
そういえば川の釣りは初めてだが、アングラーたちは車をどこに停めるのだろうか。
海とは勝手が違うはずだ。
車で向かう以上駐車スペースの確保は必須となるわけだが、そんじょそこらに停めるわけにはいかないだろう。(もちろん海でも同様だが)

これは事前の調査がものを言いそうだ。
今後は釣行前に必ず下見を行うようにしよう。

いろいろと勉強になる。












そして現地到着。

ほほう、いいですなぁ。

海に面した最河口部。
国道に架かる橋脚から少し離れている。
もちろん他に釣り人はいない。
川幅はどれくらいだろう、50~60mくらいになるのかな。
潮汐は確認していなかったが、かなり干いている様子だ。
こじんまりとした河川だが、魚種は分からないものの小魚の姿も多数見える。

シーバスがこんな場所にいるのかは全く不明だが、水を見ればやはりテンションは上がる。

釣り人の性というものであろう。







さあいこう。

私は今日から川のアングラーとなるのだ。