一昨日、特別支援学校の教育相談がありました。

教育相談とは、本人・親・園やセンターの関係者の3者が学校に出向いて行なう面談で、支援学校に入学するなら必ず受けないといけないものです。


次男を園に預けたあと、旦那と私で長男を連れて行きました。園からは、園長先生と加配の先生が来てくださいました。

初めて支援学校に足を踏み入れた長男。ボロボロになったトミカの絵本は離さないものの、とてもニコニコしています。迎えてくれた小学部教務の先生に、

「いい絵本持っているね!車が好きなのかな?」

と声をかけられ、ちょっと照れながらも嬉しそうにその先生と手をつないで校舎に足を踏み入れました。いつもの長男を見ている私と加配の先生は、

「いつもよりもなんかいい子ですね〜」

「よそ行きの顔って感じですね」

と顔を見合わながらも安堵していました。


「まずは授業の様子を見学していただいて、そのあと相談という流れになります」

と言う教務の先生の後を付いて、私たちは小学部通常級のクラスが並ぶ2階へ。ちょうど学期最後の授業の日でした。長男は生き生きとした顔で廊下側の窓から教室を覗き込み、とても楽しそう。中にいた男の子が寄ってきて何か話しかけてくれました。すこし怯む長男。ちょっと不安になったのか、そばにいた園長先生に縋りつくようにして手を取り、それでも一緒に廊下を歩きます。

途中図書室があったので、

「ちょっと寄っていこうか?(面談の間)待ってないといけないから、何か借りていこうね」

と教務の先生が提案してくれて、新幹線や電車の絵本を2冊貸し出してもらいました。


その後1階の重複クラスの前も通り(そこでも長男は窓から顔をのぞかせてじーっと見てました)、相談室へ。長男は奥のソファに座り、貸してもらった2冊の本に夢中になっています。バンバンと本を叩く音がかなりうるさかったですが、時々旦那が長男をなだめてくれていました。まぁ、そんなことを気に留める人はこの部屋にはいなかったのだけど(笑)


まず、記入してきた書類や療育手帳のコピーを渡しました。

書類には【ほぼ入学を決めている・迷っている・今後のために相談したい】という項目があり、私はもちろん【入学を決めている】に丸をつけていました。その意思をまず確認され、スクールバスの利用の有無や利用予定のバス停の場所など詳しく聞かれました。やっぱりスクールバスって外部委託だから、どれくらいの子どもが利用するかの把握は早めにしておかないといけない重要事項なのだろうな…


トイレや食事などの日常生活のこと、園の規模や園での過ごし方などを聞かれ、園の先生と私で説明します。

「年長さんは今何人なんですか?」

「現在、長男くんを入れて3人なんです」

と園長先生が答えると、

「……3人ですか!」

と驚く教務の先生。

「なので、年中と合同クラスになっています。それでも数人ですが」

「となると、支援学校に来ると逆にクラスの人数が増えますね」

まぁ、たしかに。地域の小学校の方が1クラスの人数が少ないなんてパターン、あまりないだろうな…


「これは皆さんにお聞きしていることなんですが、地域の学校については検討なさいましたか?」

と聞かれたので、

「はい、見学に行きました」

と答えた私。

「その上で、どうして支援学校を希望されたのでしょうか?」


これは、志望動機を聞かれているのかな……?


「地域の学校にも情緒級や知的級はあり、人数が少ないため手厚いようでしたが、皆さん座って勉強をしていました。長男はまだ長時間座っていることも難しくひらがなも数字も分からないということ、そしてまだトイレや着替えなどの日常生活の自立ができていないのでそちらを学ぶことを優先したいと思ったからです。あと、地域の学校は休み時間の見守りもないので出て行ったりしてしまうおそれがあるかなと」

私がそう説明すると、

「支援学校でも、児童1人に対して先生が1人付くということはできないので、それはご了承願います」

と言われました。

「はい、もちろん承知しております」

「えっと、園では常に先生が1人付いているのでしょうか?」

「そうです」

教務の先生はなるほどと言った表情で、

「今後どの就学先を選ぶにしても、園の先生がたにお願いしたいことがあります。今は常に先生が付いて声掛けしてもらっている状態かと思いますが、今後学校に行くとそのような対応ではなくなります。先生の声掛けを待つのではなく、本人が困った時に先生に援助を求めることができるように指導していきます。だから、園でも見守るという方針にしていただけたらなと思います。もちろんほったらかしにするというわけではないんです」

と言われました。たしかに、家でも園でも児発でも長男の隣には誰かいて、いつもお世話をしてもらっているけれど、学校はまたそれとは違う場所になるんだよね。もちろんいろいろ手助けはしてもらえるけれど、本来は教育を受ける場所で、特に自主性は大事なのだから。長男のように知的障害が重い子でも、身体は丈夫だし足腰もしっかりしているのだから、訓練すれば自分でできるポテンシャルはあるということ。そして何より、園でその練習をしておいた方が、学校に来て環境の違いで受けるショックが軽くなるということ、なのかな。

園の先生たちも真剣な表情。

双方とも、さすがプロと改めて思いました。


長男は最後までいい子でした(よほど本が気に入ったらしい)。教務の先生には、目も合うしこちらを見てニコッと笑うその顔がとても可愛いと言ってもらい、素直に嬉しかったです。

「怒ることはあるんですか?」

「めちゃめちゃ怒ります。寝転んでいる時は激しく蹴ってきますし、手も出ます…」

と答えると、

「じゃあこれから、蹴らないで済む方法を見つけていきましょう」

と先生の心強い言葉。一筋の希望の光のようでした。


10月に教育支援委員会で就学先が審議され、判定が出ます。それを受けて11月には就学先を決定する、という流れ。

療育手帳はA2(重度)だし、親の希望もあるから支援学校に決まると思うけれど、とりあえず待たないとね。


もう小学生になるんだな。

まだ実感はありません。

家では赤ちゃんみたいに手がかかるし、こちらもついつい何でもやってあげたくなってしまう。でも、いつまでもそうではいられないよね。

長男がこれから先生きていくためには、見守ることや手を出さないという勇気も持たないといけない。

よりよい未来に向けて、進んでいると信じたい。